サマリー
2016年日本公開のアメリカ 宗教サスペンス映画
監督 ロン・ハワード(コクーン、ダ・ヴィンチ・コード、天使と悪魔、白鯨との闘い)
原作 ダン・ブラウン「インフェルノ」
出演 ●トム・ハンクス(プライベート・ライアン、グリーン・マイル、ブリッジ・オブ・スパイ、ハドソン川の奇跡)
●フェリシティ・ジョーンズ(博士と彼女のセオリー、ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー)
●オマール・シー(最強のふたり、ジュラシック・ワールド、二ツ星の料理人)
●ベン・フォスター(ローン・サバイバー)
●イルファーン・カーン(スラムドッグ$ミリオネア、ライフ・オブ・パイ、ジュラシック・ワールド)
●シセ・バベット・クヌッセン
昨日娘と観てまいりました。基本的には大どんでん返し系映画で、僕は冒頭からこいつが怪しいと思った通り今回は大当たりだった・・・これぐらいは「どんでんマニア」としては当然。
まあまあの映画なんだけど、一作、二作目と比べて分かりづらいし、前半がちんぷんかんぷんで睡魔に襲われそうになった。
大金をはたいているので、眠気を「ぐっと」こらえて頑張った・・・でも少しずつ真相が分かってくると面白くなって後半は合格点だ。
トム・ハンクス扮するロバート・ラングドン教授が軽度の記憶喪失で始まり、彼を捕まえようと次から次へと追手が出て来る・・・彼らの内、誰が敵か味方か分からない。
そして彼は入院先のシエナ・ブルックス医師(フェリシティ・ジョーンズ)に連れられ逃げるわけだけど、頭のケガによる記憶のフラッシュバックが多くて、導入部分が良く分からない。
でもヴェネツィア、フィレンツェ、ブダペスト、イスタンブールと「兼高かおる世界の旅」みたいに「博物館」や「名所」・「旧跡」が見られて旅行映画と思えば、いいのかも知れない。
途中で味方だと思った人が敵だったり、その逆だったりと・・・あとでネタバレするけど注意して観ていないとダマされるよ。
「インフェルノ」とは「地獄」と言う意味で、ダンテの「神曲」地獄篇を表す。そしてボッティチェリの「地獄の見取り図」が出て来る・・・この絵にヒントがある(本物の絵にはないアルファベットが隠されているんだ)。
さらに「ダンテのデスマスク」の裏に隠された秘密の文字・・・これらは宗教象徴学の専門家ラングドン教授でないと解けない。
さらにヴェッキオ宮殿に飾られている絵画「マルチャーノの戦い」の中にも秘密の暗号が隠されている。
この映画の世界観は14世紀に大流行した「ペスト(黒死病)」によって人類の半数近くが死に絶えた歴史的史実をもとにしている。
生化学者のバートランド・ゾブリスト(ベン・フォスター)は人口爆発によって地球の環境汚染・資源の枯渇などが深刻化し100年後に人類が滅ぶと想定している。
そのため、彼は中世の「黒死病」にならって「インフェルノ」と呼ばれる、感染力と致死率が高いウイルスを開発し秘密の場所に仕掛ける・・・ところが彼は当局に追い詰められ志半ばで自殺してしまう。
そのウイルスは24時間以内に世界に放たれる、その場所は何処なのか・・・それを阻止しようと動くWHO(世界保健機構)、ウイルスを入手しようとする「テロリスト」、さらにゾブリストの信奉者・・・彼らが三つ巴の展開を見せる。
若い美女に鼻の下を伸ばしていると手痛い目に合ってしまうのが、この映画の教訓だ。映画を観に行く人はネタバレするからここでストップだ。
ネタバレとレビュー
ロバート・ラングトン教授は気が付くと頭に怪我をして病院のベッドに横たわっていた。そこに警官の服装をした殺し屋ヴァエンサ(アナ・ウラル)が襲ってくる。
ラングトン教授はそこに居合わせたシエナ医師に助けられ、彼女と逃避行を続けることになる。
教授の服から「バイオチューブ」が見つかり、それはポインターになっていて壁にボッティチェリの「地獄の見取り図」が映し出される。
その図の中にはアルファベットが隠されており、この謎を解いた教授は次に「ダンテのデスマスク」を探すことになる。
教授は頭にケガをしていることから、軽い記憶喪失状態が続く。そして時々、記憶のフラッシュバックに襲われる。
教授は生化学者のバートランド・ゾブリストが100年後の人類滅亡を阻止するため「インフェルノ」と呼ばれる、感染力と致死率が高いウイルスを開発し秘密の場所に仕掛けていることを思い出す。
ゾブリストはこのウイルスをばら撒いて人口を半減させることこそ人類が永遠に生き延びる唯一の方法だと狂信している。
その場所をゾブリスト亡きあとに、色々なヒントから探し当て、WHOにウイルスを回収させるのが教授にしか出来ない仕事だ。
追跡者をかわしながら、教授は次々と謎を解き確信に迫ろうとした時、シエナに裏切られる。
教授は追手のクリストフ・ブシャールに捕まり、彼に利用されそうになるが、危機統轄機構のハリー・シムズ(イルファーン・カーン)に助けられる。
シエナはゾブリストの愛人であることが分かる。彼女はゾブリスト亡きあと、彼の意志を引き継ぎウイルスをばら撒くつもりだ。
教授・シムズ・WHOのエリザベス・シンスキー局長(シセ・バベット・クヌッセン)は「ウイルス」が仕掛けられていると思われるトルコのイスタンブールに飛ぶ。
教授はイスタンブールの地下宮殿と呼ばれる、イェレバタン・サラユに「インフェルノウイルス」が隠されていると確信する。
シエナを中心とするゾブリストの信奉者より早く見つけなければならない。
地下宮殿の中をくまなく探すと、メデューサの顔が彫られた柱の陰にビニールに入った「ウイルス」が見つかった。
WHOの「ウイルス」除去の専門家が、密閉容器に回収したところ、シエナが仕掛けた爆弾が破裂する。
辛うじて容器の破損は免れ、人類の大量殺戮を回避することが出来た。シエナは爆弾の衝撃によって死んでしまう。
ラングトン教授はエリザベスと昔、恋人同士だった、この大仕事を成し遂げたことによって、よりが戻りそうだ・・・。
それにしても、イスタンブールの地下宮殿にビニール袋にはいったウイルスが地下水に浮かんでいるとは・・・しょぼ過ぎない?
普通、ウイルスをまき散らすとすれば、空港でしょう、しかもしっかりとした密閉容器にいれられてないと、まき散らす本人が先に死んじゃうんじゃないの・・・素朴な疑問。
まあ、この映画では、名所、旧跡を見せたいがための演出だと分かってんだけど、ストーリーとしては何かしっくりこない。
可愛い顔をしたシエナ(フェリシティ・ジョーンズ)が世界を破滅させる悪女だったとは・・・僕は最初から薄々感じていた、嘘じゃないよ。
それにしてもトム・ハンクスがデブった・・・金持ち太りかな、「ダ・ヴィンチ・コード」の時の精悍な彼が懐かしい。
TATSUTATSU
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