サマリー
2011年公開の日本SFアニメ
監督・脚本 新海誠(ほしのこえ、雲のむこう、約束の場所、秒速5センチメートル、星を追う子ども、言の葉の庭、君の名は。、天気の子)
声の出演者 金子寿子(広瀬明日菜)
入野自由(シュン、シン)
井上和彦(森崎竜司)
新海監督の少し毛色の変わった意欲作だ。
地底都市「アガルタ」が舞台になっているが、ジブリ色の強い作品になってしまっている。
残念ながら、どこかで見た映像・ストーリーばかりで新鮮味がやや薄れる。
ジブリ得意の分野での勝負はもう少し先延ばしにしてもいいのかなと思う。
明日菜(アスナ)は父を早くに亡くし、母と二人暮らしだ。
ある日、明日菜は山の秘密基地に行く途中、クマのような得体の知れない動物に襲われる。
そこにシュンと言う青年が現れ、明日菜は救われる。しかし彼はしばらく後に死体で発見される。シュンは病に侵され死ぬ前に地上を一目見たい一心でここに現れたらしい。
シュンは地底都市アガルタから来たと言っていた。
ある日、新任教師の森崎が学校にやってくる。森崎は授業で「死後の世界」の話をし、アガルタもその一つであると言う。そしてアガルタには死者を復活させる技術がある。
明日菜は山の秘密基地でシュンの弟シンに会う。彼は兄が持ち出した鉱石の結晶「クラヴィス」を回収しにきたのだ。
そこに森崎が現れシンの後を追ってアガルタへと向かう、そして成り行きから明日菜も猫のような小動物ミミと森崎についてゆく。
森崎はアガルタを調査してきた組織「アルカンジェリ」の一員だった。彼は亡き妻リサをアガルタで復活させることを目的にしていた。
アガルタには広大な世界が広がっていた、しかし行けども行けども廃墟ばかりだ。この地は幾度となく侵攻してきた地上の軍隊によって荒廃し、地下に住む人達も滅亡へと追いやられている。
空には神々が乗る船「シャクナ・ヴィマーナ」が行き交う。
森崎は世界の果て「フィニス・テラ」にたどり着き、断崖の底にある「生死の門」まで必死になって行こうとする。
明日菜は断崖をを見てとても底にはたどり着けないと引き返してしまう。ところが明日菜は闇の「夷族(いぞく)」に襲われ、あわやというところでシンに助けられる。
明日菜はシンと一緒に「ケツァルトル」に飲み込まれ、断崖の底に到達する。
森崎は「生死の門」で亡き妻を復活させるため「クラヴィス」を使って「シャクナ・ヴィマーナ」の神ケツァルトルと契約をする。さらに神は森崎の片目までも奪う。
亡き妻の魂を復活させたものの魂の入れ物(人間の肉体)を要求され、そこに現れた明日菜を生贄にしてしまう。
リサは明日菜の体を使ってよみがえる。
ネタバレとレビュー
シンは明日菜を救おうと「クラヴィス」を必死で破壊する。
その時森崎の亡き妻リサは消え、明日菜が戻ってくる。そして「シャクナ・ヴィマーナ」も大空へ帰って行く。
森崎はあまりの失意に「殺してくれ」と叫ぶ・・・明日菜は森崎を抱きしめる。
明日菜は森崎とシンを残して地上に戻って行く。
死者復活の話は世界中に残っている。
このアニメに出て来るように日本では古事記に「黄泉の国(よみのくに:死者の国)」があり神の許しがあれば前世に戻ってこられる(イザナギとイザナミの伝説)。
死者の復活はユダヤ教、キリスト教、インド、中国、エジプトなどなど多くの神話がある。
この物語では地下都市アガルタと死者復活をテーマにしているが、内容を少し盛り込み過ぎたように思う。
でも新海監督の意欲作としてはまあまあかな・・・。
TATSUTATSU
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