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映画「ジェヴォーダンの獣」感想・評価:100人もの人間を食い殺した獣の正体とは何か?

サマリー


2002年日本公開のフランス サスペンス映画、監督はクリストフ・ガンズ(サイレントヒル、美女と野獣)、主な俳優はサミュエル・ル・ビアン、ヴァンサン・カッセル(ブラック・スワン、トランス、美女と野獣、ジェイソン・ボーン)、モニカ・ベルッチ(マレーナ、マトリックス・リローデッド、007スペクター)、マーク・ダカスコス、ジェレミー・レニエ(最後のマイ・ウェイ)、ジャック・ペラン(Z、ニュー・シネマ・パラダイス)である。

Brotherhood of the Wolf (2001) Official Trailer 2 [French] Le pacte des loups

18世紀のフランス・ジェヴォーダン地方に伝わる恐ろしい伝説を基にしている。この伝説はかの地で100人にも及ぶ子供や女性が、正体不明の獣に襲われ犠牲になった事件である。

目撃者の証言では、その獣は子牛ほどの大きさで鋭い牙と爪を持ち、犠牲者の頭蓋骨をかみ砕いたと言われている。

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ジェヴォーダンの獣

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巨大オオカミ

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ブチハイエナ

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映画の中の獣

その正体は、大型のオオカミ、オオカミと犬の雑種、アフリカからペットとして持ち込んだハイエナなど色々な説がある。また、人間が飼っていたものが野生化したとか、人間がわざと野獣に人を襲わせたとか、さらに宗教対立が絡んでいるとか・・・・・・今でも明確な答えは出ていない。

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映画の舞台は1764年、フランスのジェヴォーダン地方に謎の獣が出没し、女や子供ばかり100人以上が襲われ犠牲となっている。

時の国王ルイ15世は獣の正体を明らかにするため王室博物学者を派遣する。彼とモホーク族の男は、獣の正体を探って行く。

探索を進めるに従って、恐ろしい事実が次から次へと明らかになってくる。果たして獣の正体は何なのか、そして獣の背後に潜んでいる秘密結社とは・・・・・。

王室博物学者は結社に監禁され、モホーク族の男は殺される。絶体絶命の窮地に陥った彼は、目的を達成させることが出来るのか。

この映画はフランスでもアメリカでも大ヒットを記録した、どんでん返しの連続で見るものを飽きさせない。最新のSFXによって昔の伝説が現代によみがえってくる。是非鑑賞していただきたい。

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ストーリー

ストーリーを紹介すると、フランス革命の前夜押し寄せる群衆を前に、マルキ・トマ・アプシェ(老年:ジャック・ペラン)は昔を回想する。

それは1764年の出来事で、邪悪な獣が初めてこの地方に現れた。このうわさは1年後国中に伝わり、王の耳にも入る。

騎士で王室博物学者フロンサック(サミュエル・ル・ビアン)とインディアン・モホーク族のマニ(マーク・ダカスコス)は王の命を受けアプシェ侯爵の城に到着した。

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彼らの目的は邪悪な獣の正体を見極めることとその獣を退治し、はく製にして王に献上することにあった。獣は男を避け、女と子供をねらい既に多くの犠牲者を出していた。

目撃者の少年の話では、大きさは子牛ほどあり、オオカミではなく、オオカミよりも邪悪な生き物だと・・・・鼻面が長く牙は刃のようで、悪魔に違いないとも言った。

若侯爵のマルキ・トマ・アプシェ(青年:ジェレミー・レニエ)はフロンサック達と村の娘が殺された現場に駆けつける。フロンサックは死体の傷口の大きさから獣は250Kgの体重がありそうだと推測する。

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フロンサックは貴族たちの晩餐会に出席する、そこで彼はマリアンヌ(エミリー・ドゥケンヌ)と知り合い、心を奪われる。

彼女はモラジアス伯爵の娘で、兄弟は兄のジャン(ヴァンサン・カッセル)がいる。ジャンは右腕を失った不気味な男であった。

大規模な狩りが始まる、王から獣を殺した者には、6000リーブルの賞金が与えられるとのことで、数千人の人々が集まった。

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森のオオカミはほとんどが殺された。フロンサック達は若侯爵マルキに誘われ、娼館に行く。彼はここでミステリアスな女シルヴィア(モニカ・ベルッチ)を知ることとなる。

シルヴィアはイタリアから短い間だけここに来たと言った、しかもフロンサックの名前や素性まで知っていた。

これで惨劇が終わるかと思われた、ところが邪悪な獣は出没し村を恐怖に落とし続けた・・・・・フロンサックが来てから3か月も経つ。

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フロンサックは犠牲者の遺体から、鉄の牙を見つける。彼はこの獣はオオカミではなく、肉と鉄で出来た生き物で意志も持っている、しかし結論は出せないと・・・・・・こんな考えを王室博物館に報告したら気違い扱いされてしまう。

彼は獣の背後に何か人的な物が隠されていると薄々感じていた。王は獣の討伐に派遣されたデュアメル大尉を解任し、新たな射撃部隊を派遣すると通達してきた。

そして襲われた少女が奇跡的に意識を取り戻し、獣のそばには男がいたと証言した。

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フロンサックは王から帰還命令が出た、もうパリに帰らなければならない。若侯爵マルキは獣が村で暴れている、村人を集めているから最後の協力をしてもらえないかと彼に頼む、そしてマリアンヌからの恋文をそっと渡す。

彼は獣との最後の戦いを決意し、戦いの前にマリアンヌに逢いに行く。彼女は村はずれの家で待っていてくれた、彼女との熱い抱擁とキスをした時、突然邪悪な獣が襲ってきた。

野獣は子牛ほどあり、顔や背中には鋭い刃を備えた鎧がかぶせられていた。

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野獣はマリアンヌを襲おうとするが、突然彼女の前で動きを止める・・・・・何かを感じたようだ、そして遠くから笛が聞こえ、野獣は去って行く。(後で分った事だが獣はマリアンヌから漂う兄ジャンの匂いを嗅ぎ取ったのかもしれない。)

野獣は邪悪な心を持つ人間の道具にされていることがはっきりしたとフロンサックは言う。「啓蒙主義に寛容な王を獣が罰しに来る」と本に書かれている、その著者が黒幕かも知れない。そして私とマニと若侯爵の3人で野獣と対決しようと提案する。

マニはインディアンの戦いの衣装を身にまとい、野獣を誘い込むためのトラップを準備した。彼はオオカミと心が通じているようだ、オオカミの大群を使って野獣をトラップに追い込む。

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上手く野獣を木で出来たオリに捕えた、ところが野獣の力は強力でオリを破って若侯爵に襲い掛かり彼を引きずって走る。

フロンサックは野獣に狙いを定め銃を撃つ、マニも斧を放つ野獣は手傷を負い逃走する。マニは野獣のあとを追いかける。

マニは野獣が逃げ込んだ洞窟の中に入ると、そこは野獣を調教したと思われる、道具類が所狭しと並んでいた、そして彼は得体のしれない闇の軍団に囲まれる。

彼の力をもってすれば、これらの軍団を蹴散らすことは容易である。彼は次から次えと襲ってくる闇の軍団を倒してゆく。ところが背後から放たれた一発の銃弾に倒れる。

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フロンサックはマニの遺体を見つけ、復讐を誓う。彼はマニの体を洗い清めるが、遺体から取り出した銀の銃弾を見つけ、マリアンヌの兄ジャンの仕業であることを見抜く。

ジャンは狩猟において、必ず銀の弾丸を使うことをフロンサックに話していた。

彼は単身敵のアジトに夜襲をかける、火矢を放ち彼らの隠れ家を火の海とし、闇の軍団を片っ端からかたずける。

彼は地下の洞窟の檻の中に、手傷を負った野獣を見つけるが、追っ手が多く一旦引き上げる。

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ところがフロンサックは地方長官の命令によって逮捕、投獄されてしまう。監獄の中の彼にシルヴィアが秘密裡に面会に来た。

彼女は彼に食事を振る舞う、彼女が言うには、サルディス神父から2年前に法王に極秘の手紙が届き、神に忠実な秘密結社「神の狼」を作ったとのことである。そして邪悪な獣は王に対する脅かしであると。

突然フロンサックは苦しみ、嘔吐して死んでしまう。シルヴィアが彼に毒を盛ったらしい。

果たしてこの後はどうなるのか是非映画を観てほしい。

ネタバレ

<ここから先はネタバレするから映画を観てから読んでね>

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フロンサックは皆の前で埋葬された。彼の死はパリに報告されるだろう。

ところがシルヴィアが急いで墓を掘り起し、フロンサックの遺体を持ち去る。

秘密結社の極秘の会合が催される。彼らは真っ赤なガウンと仮面をつけていた。我々は「影の君主」として世の中に君臨することを誓う。そして王が我々を認識するまで「獣」の災いは続き、国中に広がっていくであろうと・・・・。

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その会合に突然「貴様らの罪を暴く」と死んだはずのフロンサックが現れる。そして王から派遣された射撃部隊が秘密結社の周りを取り囲む。

秘密結社の構成員はサルディス神父をリーダーとするジェヴォーダンの貴族たちであった。そして謀反人達は一人残らず逮捕されるか撃ち殺ろされた。

最後に残ったジャンとフロンサックは一騎打ちをする。ジャンは実は右手を失っていなかった、獣に噛まれた跡が醜く残っているが、その右手を使って剣と鎖鎌を組み合わせた不思議な武器で襲ってくる。

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ジャンの剣術の腕は鋭く、フロンサックを危機におとしいれるが死闘の結果、彼を倒す。

シルヴィアは法王の手の者で秘密裡に潜入し、「秘密結社」を闇に葬る役目を担っていた。そしてフロンサックを仮死状態にして、檻から出したのも彼女であった。

野獣はアフリカからジャンが持ち込んだライオンであったらしい、これを人間の手で最も残忍な獣に仕立て上げ、鉄の牙を備えた鎧を身につけさせ、女・子供を襲わせていたらしい。しかしこの野獣もかわいそうだがフロンサックの手によって銃殺された。

その後フロンサックとマリアンヌはアフリカに旅立ったようである、きっと幸せに暮らしていることだろう。

マルキ・トマ・アプシェ(若侯爵だった男の晩年)は彼らを一生忘れないと回想する。そしてこの事実を知る者は私を除いて誰もいない。彼の城に群衆が押し寄せる「私ももうすぐ民衆に裁かれ、終わりが来るだろう」・・・・・。

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レビュー

ジェヴォーダンの獣の伝説は事実としてフランスに残されている。実際にはオオカミ系統の獣による被害であったものが、この地に残る宗教対立(現地はプロテスタント信者が多いのに国王によって強制的にカトリックに改宗された。)などもあって大きくねじ曲げられて伝わったのかもしれない。

歴史は常に時の権力者によって都合良く塗り替えられる。この映画では「秘密結社説」で構成されており、獣はライオンを使っている。アフリカから連れてきたライオンに子供を産ませ、その子供を邪悪な獣に調教している。

ヴァンサン・カッセル扮するジャンは性倒錯者であり、実の妹のマリアンヌを愛し自分のものにしようとする。そしてこの秘密を彼はサルディス神父に打ち明ける、神父は彼の苦悩を逆手に取り彼を操る。

ジェヴォーダン地方の貴族達は団結して自分たちの地位をゆるぎないものにする為、邪悪な獣を放ち惨劇を行わせ、領民の不満を国王の悪政のせいにする。

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サルディス神父はジャンを使って野獣に女・子供を襲わせたが、結局自分は森の中でオオカミに食われてしまう、自業自得だね。

映画の主人公サミュエル・ル・ビアンは最近ではあまり見かけないが、ヴァンサン・カッセルやモニカ・ベルッチ(二人は夫婦であったが2013年に離婚している。)は売れに売れてよく映画で見かける。特にモニカは最新作の007ボンドガール(50才を超えているのに)になっている。

また、全編格闘技が随所に出てきて、アクション映画としても楽しめる。マーク・ダカスコスは両親かカンフー師範であったことから、格闘技の達人と言える。

もう十数年前の映画になってしまっているが、今観ても古臭さを感じさせない、しっかりとした構成に、大御所のジャック・ペランも含め名立たる俳優が出ている・・・・・・年寄りから若い人まで楽しめそうな映画だね。

辰々

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