ヒューマンドラマ

映画「最後のマイ・ウェイ」感想・評価:マイ・ウェイの作曲者クロード・フランソワの物語だ

サマリー


2013年の日本公開のフランス映画、クロード・フランソワの39年の生涯を描いた二時間半の長編である。

映画『最後のマイ・ウェイ』予告編

クロード・フランソワは1960年代から1970年代に活躍したフランスポップス界のスーパースターとのことだが僕は知らない。(日本でいえば、歌手で作曲・作詞が出来、プロデュースも出来るソロの玉置浩二さんのようなイメージかなと思う。)

1978年に39才で不慮の事故で亡くなっており、そのころ僕は若手サラリーマンであった。フランスのポップス音楽は僕の学生時代日本でも大変な人気を博していた。

女性では、シルビー・バルタン(あのバルタン星人はこれから取ったモノらしい)ダニエル・ビダル、フランス・ギャル、男性ではミッシェル・ポルナレフ、ジョニー・アリデーなどを記憶している。

誰でも知っている、フランク・シナトラが歌って大ヒットした「マイ・ウェイ」の作曲者とは知らなかった。この曲はラジオから流れて来るクロード・フランソワの歌をたまたまポール・アンカが聞き、これにアンカの歌詞を付け替えフランク・シナトラに贈ったものである。

後にこの曲はエルビス・プレスリーも歌っている。映画のコピー通り、クロード・フランソワは、放漫、女好き、嫉妬深い、神経質な男であることが描かれている。

でもエンターテイメントにおいては凄い才能を持っており、ひとたび舞台に立つと、聞く人々の心を揺さぶる歌声を披露する、憎めない男でもある。

彼の魅力にひかれ、彼の周りには女性が群がる。

レビュー

クロードを演じるジェレミー・レニエは本物と瓜二つ(髪の毛、顔かたち、服装、体型、しぐさなど)と思わせる素晴らしい演技をする。YouTubeなどで本物が歌っているので、比較すると面白い。

 

映画の中で、特に印象に残っている場面を紹介すると、舞台が終わり疲れ切ったフランソワが付き人に対し「僕が落ち目になっても、ついてきてくれるかい」と弱みを見せる場面。

また妻に出て行かれた悲しさから、そばに寄ってくる愛犬をフランソワが抱きしめる場面。

さらにホテルのロビーで偶然フランク・シナトラと遭遇し、シナトラはホテルのカウンターに対し「ありがとう」と言った言葉が、自分に言ってくれたように我を忘れて喜ぶシーン。

シナトラに対しフランソワは「マイ・ウェイは僕が作曲した曲です。」と言い出せない、それほどにあこがれの人であった。圧巻は大ホールで、マイ・ウェイを歌い上げるシーン、観客は歌声に酔いしれる。

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スーパースターは常に光り輝いていなければならない。私生活では、離婚・再婚を繰り返し、隠し子騒動、母のギャンブル依存症、脱税疑惑を乗り越えてゆく。でもその為に失うものも大きい。

39年間を生き急いだ人生だが、人々の心の中にはいつまでも残っていることだろうと思う。是非、お勧めの映画です。秋の夜長にじっくり見て彼の歌声に感動してほしい。

TATSUTATSU

 

最後のマイ・ウェイ [DVD]

 

ジェレミー・レニエ
TCエンタテインメント
2014-01-24

 

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