サマリー
2014年公開のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作のの長編アニメである。監督はドン・ホールとクリス・ウィリアムズ、原作はスティーブン・T・シーグル、ダンカン・ルーローの「ビッグ・ヒーロー6」である。
第87回アカデミー賞の長編アニメ映画賞などを受賞しており、見応え満載の作品である。アカデミー短編アニメ賞を獲得した「愛犬とごちそう」が同時上映されており、こちらもなかなか面白い。(こんなに毎日ジャンクフードを食べさせられたら、ワンちゃん長生きしないね・・・・と思っちゃう。)
惜しくも賞を逃した「かぐや姫の物語」と比較すると、物語の性格上、陰と陽の違いとベイマックスの方が一般受けするように思う。(日本人監督の「ダム・キーパー」も落選してしまった。)
「愛犬とごちそう」
日本版の主題歌はAIの「Story」が使われていて、この映画にぴったりである。
遅らばせながら、昨日映画を観に行ってきた。作品の舞台は東京とサンフランシスコを混ぜ合わせた架空都市「サンフランソウキョウ」になっているが、見たことのある日本風景や漢字の看板などがあって親近感を感じる。
主人公ロボットのベイマックスは風船の様に膨らんだ看護ロボットで、ユニークで優しさを感じる。
前半は割合現実に即したすじがきで「これはすごいね」と感心したが、後半になると観客受けを狙ったのかアクション主体のアメコミヒーローになってしまってややがっかりした。
ベイマックスがパワードスーツを着て、空を飛んだり、敵をやっつけたりして・・・・・やっぱりこれが無いとアメリカではヒットしないだろーなと思っちゃう。
天才少年ヒロ・ハマダが発明した「マイクロボット」が出てくるが、大昔に読んだマンガ「鉄腕アトム」の合体ロボットを思い出した。
この合体ロボットは、一つ一つが小さなロボットで凄いスピードで合体し、巨大ロボットや戦艦に変身する、また「トランセンデンス」のマイクロマシンなんかもこの系統か。
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ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、ヒロ・ハマダは14才の天才少年だが、自分の才能を非合法のロボット・ファイトについやしていた。
兄のタダシはそんな弟を見かねて、自分の大学の研究室に連れてゆく、そこでは学生が色々な研究を行っていた。
兄はこの研究室でベイマックスと言う、人間にやさしい看護ロボットの開発を行っていた。ヒロはこれらの研究に興味を抱き、飛び級入学を決意する。
入学試験は、ロボット工学の第一人者であるロバート・キャラハン教授を納得させるようなロボットを作ることにあった。
ヒロは知恵を絞り画期的な「マイクロボット」を完成させる。この手のひらに乗る小さなロボットが、操作する人間の意志で多数集まった集合体を作り、どんな形にも変身する。
さすがの教授もこれには感心し、ヒロの入学を許可した。ところが実験室で火災が発生し、兄のタダシは教授を助けるために教室に飛び込み、その後の爆発のために死んでしまう。
ヒロは兄の死を悼んで部屋に閉じこもってしまう、ところがふと発した自分の言葉に反応したベイマックスが動き出しヒロを慰める。
ある日「マイクロボット」がおかしな反応をする、そして調べてみると大きな倉庫に行きつく、その中には多量の「マイクロボット」が製造されており、仮面の男が操っていることがわかる。
ヒロは兄の研究仲間にこのことを説明し協力を仰ぐ、ところが彼らは「マイクロボット」を操る仮面の男から攻撃され、殺されそうになる。
果たしてヒロが発明した「マイクロボット」を使って何をしようとしているのか、仮面の男はいったい誰であろうか、是非映画を観てほしい。
ネタバレ
仮面の男はロバート・キャラハン教授であった、彼はアリステア・クレイと共同で物質転送装置を開発していた。ところが実験の失敗によって教授の娘アビゲイルが異空間に閉じ込められてしまった。
教授はアリステア・クレイと彼の会社「クレイテック」に仕返しをしようとしていた。
ヒロはベイマックス用のパワードスーツを3Dプリンタで作成し、装着することによって空を飛ぶ能力と戦闘能力を付与した。そして戦闘用のソフトまでベイマックスに入力しようとする。
同時に自分たちもパワードスーツで身を固め戦いの準備が整った。
そして教授との戦いが始まる、彼は物質転送装置を使って「クレイテック」社もろとも異空間に転送しようとしていた。
厳しい戦いの末、教授を捕えることに成功する。ヒロは異空間に閉じ込められているアビゲイルを助けるため、ベイマックスとともに物質転送装置に突入する。
異空間の中でアビゲイルの乗った飛行艇を見つけ物質転送装置の出口に向かい突進する。ところがあと一歩というところでベイマックスのリチウム電池は空になる。
ベイマックスは最後の手段としてロケットグラブを使い二人を出口から押し出し、自分は異空間の中に消えてしまう。
ヒロはベイマックスを失い落ち込んでいたが、グラブからベイマックスのソフトが見つかる、そして彼はベイマックスを作り直す。
レビュー
教授が犯人とは突飛な感じがする、またベイマックスにはヒロの兄タダシが開発してきたソフトによって人間にやさしく接するようになっている。
しかし、ヒロが開発した戦闘用のソフトを入力すれば殺人マシーンになってしまう・・・・・・結局ロボットも使う人間によって何とでもなってしまうのか。
ヒロは兄の仇を討とうとベイマックスのソフトを入れ替えようとするが、ベイマックスは拒否する・・・・・ヒロを殺人者にしたくないベイマックスの抵抗である。(ベイマックスにはお兄さんの魂が宿っているね。)
やっぱりロボットは平和利用に使わなければ、人間にとってガラクタだね。
こんなロボットが我が家にもいたらいいなあ・・・・・。
辰々
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