サマリー
1991年公開のアメリカのサイコスリラー映画、監督はエイドリアン・ライン、主演はティム・ロビンスである。「ホーム・アローン」のマコーレー・カルキンが主人公の子供役で出ている。
旧約聖書のヤコブの梯子をヒントに作られている。当時の映画のコピーは「人は、一日に一歩ずつジェイコブの階段を登っている」である。
ヤコブの梯子とは天使が上り下りしている天から地上までつながっている階段の事である。人は死に向かって毎日一歩一歩、歩んでいるのか・・・・それが天使が招く天国ならいいが、薄暗い地獄であったらどうしよう。
この映画ははっきり言って良く分からない、主人公が夢と現実を行き来する。彼の魂は体を離れて旅をする、その旅とは現実なのかそれとも全て夢なのか・・・・・・不思議なホラー映画である。でも、面白いから是非見てほしい。
「ジェイコブス・ラダー 2019」
2019年に「ジェイコブス・ラダー 2019」としてリメイクされている。監督はデヴィッド・M・ローゼンタール、出演 マイケル・イーリー、ジェシー・ウィリアムズ、ニコール・ベハーリーだ。残念ながら失敗作に終わっている。
前作と内容がかなり変更されている。はっきり言って、何が言いたいのか意味不明だ。見知らぬ男に1年前に亡くなった兄が生きていると告げられる。これを契機にジェイコブの人生が暗転してゆく。果たして、本当に兄は生きているのか?そうしたら、今の自分の生活は幻影なのか・・・。
ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、ジェイコブ(ティム・ロビンス)はベトナム戦争の真っただ中にいた。仲間の兵隊はベトナム兵と思われる敵に強襲される。
その時仲間の兵隊たちは皆、毒物にあたったように嘔吐する。ジェイコブは敵と戦うためにジャングルへと入り込む、その時突然茂みから出て来た敵に腹を刺され倒れる。
次の瞬間、彼は地下鉄車両の中にいた、車両の中は不気味で、人間の形をした悪魔のようなものがうごめいていた。
彼はあわてて、この車両から降り、家へと帰る。家では恋人のジェシー(エリザベス・ペーニャ)と同棲し、普通の郵便局員として働いていた。
ところが彼の周りでは不思議な出来事が起こり始め、悪夢にうなされるようになる。
異常を感じたジェイコブは病院に行って診てもらおうと、受付に行ったが、自分のカルテがみつからないばかりか、対応した看護婦の頭には醜い角の様な物があった。
ある日ベトナムの戦友ポールが訪ねてきて、身の回りに不思議なことが起こるようになったと訴える。壁から異様な奴らが出てきて襲われるとのことである。
そして帰り際、ポールは車に仕掛けられた爆弾によって、ジェイコブの目の前で爆死する。
あわてたジェイコブは昔の戦友を集め、我々は軍に極秘の実験のモルモットにさせられたのではないかと話をする、そして弁護士を立てて訴えようと提案する。
一度は皆賛成するが、しばらくして弁護士や仲間は手を引いて行く・・・・・軍から圧力がかかったのか。
ジェイコブは背中を痛め病院に行くが、簡単なレントゲンを撮るところが、台車に乗せられおぞましい地獄のような場所に連れてゆかれる。
そして周りには目の無い医者や不気味な看護婦に囲まれ、あわやと言うところに行きつけの整体師に助け出される。・・・・・・・・この辺になるとストーリーに夢と現実が入り乱れ分らなくなってくる。
ネタバレ
ジェイコブは最愛の末息子ゲイブ(マコーレー・カルキン)を自動車事故で失っている。彼の心にはこの出来事が大きなキズとなって残っている。
これが原因で前妻と別れたのか、そしてベトナムに従軍したのか・・・・・・詳細は描かれていない。
彼はある男から、ベトナムで生体実験が行われたことを聞く、兵隊の戦闘意欲を高めるために投与された薬が彼らの理性を狂わせ、猿の実験と同じように同士討ちをさせる。
何とジェイコブを刺したのは仲間の兵士であった。彼はヘリコプターに乗せられ野戦病院に運ばれる。
ジェイコブは夢の中でかつて住んでいた自分の家に戻る、だれもいない屋敷の階段にゲイブがいた、彼はゲイブに微笑みながら光り輝く階段を一緒に登って行く。
ジェイコブは野戦病院で安らかな顔をして息を引き取る、すべてが彼の夢の中の世界であった。
ジェイコブが死の淵で見た夢は、自分の魂を奪おうとする悪魔とそれから助けてくれる天使の戦いの夢なのか、苦痛に顔をゆがめて死んでゆく人間は地獄に落ちているのかもしれない。
ジェイコブはゲイブや天使に見守られながら天国の階段をきっと登って行ったと思うね。この映画のリメイク話が出ているらしい・・・・・・ストーリーは同じではないだろうが、やっぱりホラー映画になるのかな。(2019年にリメイクされたが内容はかなり変更されている。)
辰々
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