邦画

映画「残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋-」感想・評価:誰しも一生に一度は経験する不気味な幽霊部屋

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2016年公開の和製ホラー映画
監督 中村義洋(白ゆき姫殺人事件、予告犯、残穢)
原作 小野不由美「残穢」
出演 ●竹内結子
●橋本愛
●坂口健太郎
●滝藤賢一
●佐々木蔵之介

映画『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』予告編

 

誰しも不思議な体験をしたことがあると思う。学生時代、田舎の安下宿に住んでいた僕の友人がいる。彼は真夜中に押し入れからへんな音がすると言う。押し入れの中は広く縦に大きなヒビがはいっていたが何も見つからなかった。また、きまって真夜中になると老猫が自分の前足でふすまを開けて入ってくる。

当初はそんなに気にも留めていなかったがあまりに音が続くので、大家さんに聞いてみたらびっくりする返答が返ってきた。その部屋はかなり前になるが学生が押し入れで首をくくっていた。

これは僕の体験だが就職してある営業所に転勤になった。独身寮には1つしか空き部屋が無く僕はそこに布団を敷いて眠っていた。毎日の残業が重なりかなり疲れていた。突然真夜中に金縛りにあい、枕元に誰かがいるような感じがした。

脂汗をかいたがそのうち起きることが出来た。しばらく経ってそんな話を同僚にした時、びっくりすることが分かった。僕が寝ていた部屋は海に飛び込み自殺した先輩の部屋だった。

ある女性から聞いた話だがアパートの真下の住人が孤独死したらしい。死後かなり経って発見された。彼女は死臭と言うより漁港の匂いがしたと言う。そしてその後、部屋は清掃され、別の住人が入ってきた。

ところが夜中に玄関のチャイムが鳴る。開けても誰もいないことが続いたそうだ。結局、新しく入った住人は気味悪がって転居してしまった。死んだ魂が部屋に戻ってくるのか・・・。不思議なことが多い。

「残穢」とは「穢れ(ケガレ)=不浄、汚れのこと」つまり死・出産・疫病・失火・悪行などによって生じ、災いや罪をもたらすものとされる。上記の3つの例は「残穢」と言える。

話しのスジを少し紹介すると。ミステリー作家の私(竹内結子)の所に届いた大学生「久保さん」(橋本愛)からの一通の手紙が発端だ。誰もいないのに和室から「ざぁーっ」と畳を擦るような音がする。部屋を開けてみると一瞬、着物の帯が見えた。これが畳と擦れているのか?

久保さんの推論では自分が住んでいる部屋で着物を着た人が首を吊ったのではないか?そして解けた帯が畳と擦れて音を出すのか。そう言えば、2年前にもそんな投書があった。住所を調べると同じマンションだ。ただ、部屋は違う。久保さんの部屋は202号室、2年前のものは405号室だ。

405号室の住人はけっこう出入りが激しいようだ。不動産屋さんに確認してみると。岡谷マンションで自殺した人はいませんとのことだった。その後久保さんから半年後に連絡があった。202号室の前住人が分かったそうだ。ところがその住人梶川君は自殺していた。

彼は大家さんの夢枕に立ったそうだ。夢にうなされた大家さんが梶川君の部屋に行ったら首をつっていた。そんな時、久保さんの隣に引っ越してきた人が公衆電話からしょっちゅうおかしな電話が架かってくるとノイローゼぎみに話をしてくれた。

今までのことを考えてみると、岡谷マンション全体におかしなことが起こっているようだ。岡谷マンションが建つ前に何かあったのか?恨みつらみがその土地にケガレとして残っているのか?その土地の歴史を私は久保さんと調べてみようと考えた。

さて、岡谷マンションが建つ前はどんな惨劇があったのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

岡谷マンションが建てられる前の土地の歴史を調査してゆくと、そこには4件の家が建っていた。その4軒は松坂家、藤原家、小井戸家、根本家だ。そのうちの一軒はゴミ屋敷と言われた小井戸家だ。主人は家の中でゴミに囲まれて亡くなっている。

さらに、この4軒を遡って行くと松坂家と小井戸家は高野家の敷地だった。そして藤原家と根本家ももとは根本家の敷地だったのだ。高野家では娘の結婚披露宴のあと母親が首つり自殺していることが分かった。和服を着ていたそうだ。

母親(高野夫人)は生前赤ん坊の泣き声がすると訳の分からないことを周りに話していた。しかも、赤ん坊が床下から湧いて出てきて泣くという。久保さんは私の部屋の「帯が擦る音」はこれが原因ではないかと疑う。

作家の平岡(佐々木蔵之介)さんもこの取材に協力してくれる。彼の話では千葉で同じような話を聞いたそうだ。廃屋の床下から赤ん坊が湧いて出てきて泣いたとのことだ。そこに住んでいた女は嬰児殺しで捕まっている。

久保さんは岡谷マンションから引っ越した。そして私も新しい家を建てて引越しをした。そんな時に平岡さんから千葉の事件の調査報告書が届く。1952年の出来事だ。中村美佐緒と言う女が嬰児を殺し石油缶に詰めて床下に置いていた。

ところが、彼女は過去にも複数の嬰児殺しを自供している。彼女はかつてある長屋に住んでいた。そして、そこが取り壊され高野家と根本家になっていた。元をたどればこれに行き着く。高野夫人はこの嬰児殺しの「穢れ(ケガレ)」に触れてしまったのではないかと私は思う。

梶川君もひょっとしたらこの「穢れ(ケガレ)」に触れたのかもしれない。つまり災いが連鎖している。私と久保さんは中村美佐緒が住んでいた長屋の過去についてさらに調べた。

そうすると長屋の過去には吉兼家の家があった。明治の時代に遡る。吉兼友三郎は15歳で精神病が発病し自宅の「座敷牢」に監禁されていた。友三郎は「焼け、殺せ」と自分に命じるものがあると家族に殴りかかったり、火をつけようとしたそうだ。友三郎は牢を抜け出し床下を徘徊していた。

さらに次のことが分かった。中村美佐緒は床下から聞こえる声「焼け、殺せ」に命じられて嬰児殺しをしたと自供している。作家の平岡の意見として「大変なものを引き当ててしまったかもしれない」と恐怖に引きつる。私も背筋に冷たいものを感じる。

友三郎がどうなったか調べると、三善と言う吉兼家の後妻に突き当たる。三善は九州の奥山家出身だ。福岡出身の心霊マニアの三澤君(坂口健太郎)の力を借り、さらに遡って調べてゆくと大変なことが分かった。

奥山家の「顔がゆがむ絵」の話が出て来る。「顔がゆがむ絵」その絵の顔がゆがむときには激しい風の音とうめき声がするそうだ。奥山家は北九州で炭鉱を経営しており、過去に100人規模の死者を出した事故があった。

炭鉱の火災は周囲が石炭によって囲まれていることから鎮火が難しかったらしい。有効な方法として坑道を塞ぎ酸素の供給を止めるしかない。火災を止める為多くの炭鉱労働者が生き埋めにされたことが残っている。

奥山家は明治の終わりころに途絶えたが奥山家の話に触れることはこの地域ではタブーとなっている。話を聞いただけでもたたられると言う。奥山家の最後の当主は家族を皆殺しにし自殺したそうだ。

実は私は二年位前に「河童のミイラ」の話を書いている。真辺さんからの投稿で小学校6年生位、親戚の家に泊まった時の出来事だ。この家はかつて没落した炭鉱王(奥山家)の家だったそうだ。夜中にトイレに行った時、開けてはいけない部屋を何気なく開けてしまった。

そこには「河童のミイラ」が置いてあり、その奥から得体の知れないものの声「焼け、殺せ」が聞こえてきたそうだ。その真辺家の当主は悪趣味で「河童のミイラ」「江戸時代のさらし首の絵」「サルの手首」「持ち主をたたると言う日本刀」・・・などを収集していた。

その後当主はその日本刀で自殺していた。そしてその家は福岡県北九州市にまだ残っていると言う。その家に行ってみることにした。私はそのころ首が痛く最悪の状態だったが久保さん、平岡さん、三澤君が付き合ってくれた。

私はその家の中を見て、真辺家の当主が神にも仏にもすがりさらにさらに最後は魔の物にもすがった様子が見えた。当主は悪趣味のコレクターではなく最後は「河童のミイラ」など異形の物にもすがったのだ。つまり自分を襲ってくる邪気をはらおうとしたのだ。

その後奥山家にまつわる恐ろしい話が次から次へと明らかにされた。そして岡谷マンションで久保さんの隣に住んでいた3人家族の無理心中がテレビをにぎわした。

「残穢」が広がりを見せる中で、私も久保さんも調査をやめた。その後久保さんはつつがなく暮らしているようだ。私も首の痛みが癒え、いつもの執筆活動を続けている。

ところが最近、公衆電話から変な電話が私の所に架かってくるようになった。そして、私の原稿を校正している出版社の社員が奥山家の亡霊にたたられた。さらに自殺した梶川君の部屋の住人のところに首をくくった高野夫人の亡霊が現われた。

寺に預けられた「顔がゆがむ絵」は唸り声を上げる・・・・。「残穢」は決して消えない。

レビュー

日本のホラーもなかなか怖いね。世の中には分からないことが結構ある。真夜中にお墓に行ってはいけないとよく言われる。おかしな霊を背負って帰ってきては大変だからだ。それに幽霊屋敷や心霊スポットも良くない、何が出て来るか分かったもんじゃない。

お墓やお葬式から帰ってきたら清めの塩でお祓いをしたほうがいい。家の中に悪霊を呼び込むと悪いことが続くからね。「病は気から」の言葉があるように不浄なものは自分に近づけないことだ。これだけは守っていればそうそう悪霊に惑わされることはない。

ああ、そうそう、大昔コックリさんが流行った時期があった。一種のゲーム感覚で遊んでいた連中がいたが、その一人がコックリさんに乗り移られて大変なことになった事件があった。

これらは一種の集団催眠をかけられている可能性がある。コックリさんに乗り移られた男は叫び、泡を吹いて床をのた打ち回ったらしい。残念ながら僕は別の部屋にいて直接見ていない。

しかし、これは事実だ。こんな出来事は世間体が悪いから表には出ない。闇にほうむられてしまう。だから、不思議なことはなかなかオープンにされない。しかし、かえってその方がいいのかな。

TATSUTATSU

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