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映画「奇跡の2000マイル」感想・評価‐オーストラリア砂漠横断に成功した女性の物語

サマリー


オーストラリアの砂漠を横断!映画『奇跡の2000マイル』予告編

映画を観ていると画面が静かに流れ、淡々と物語が進んで行く。物語と言うよりもドキュメンタリータッチで来る日も来る日も、灼熱の砂漠をヒロインが歩いて行く・・・・・何のために。

単調な映画だが不思議に引き込まれてゆく、気が付くと最後まで観てしまった自分がいた。

ヒロインは人間をあまり信用していないし、人々と喋ったり騒いだりするのに耐えられない、唯一心を許す友として黒いラブラドールがいる。

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アボリジニのエディと ロビン・デヴィッドソン(ミア・ワシコウスカ)

彼女は1人でラクダ4頭と1匹の犬とともにオーストラリアの砂漠2700キロを徒歩で横断する。途中ラブラドールを自分の手で撃ち殺さなければならない悲劇に見舞われる。

彼女の旅は1人の男性カメラマンによって記録されてゆく、人間と関わりたくない彼女だが彼とは次第に打ち解けてゆく。

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リック・スモーラン(アダム・ドライバー)

エンターテイメント万能の世の中だが、何故こんな映画が作られたのか・・・・・・残念ながらあまりヒットせず製作費も回収出来なかったようである。

でもこんな時代だからこそ観る価値があるかもしれない。映画が体にジワーッと染み込んでくるような気がする。

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愛犬ディギティとロビン・デヴィッドソン(ミア・ワシコウスカ)

2015年日本公開のオーストラリア映画、監督はジョン・カラン、主演はミア・ワシコウスカ(アリス・イン・ワンダーランド)、共演者にアダム・ドライバー(インサイド・ルーウィン・デイヴィススター・ウォーズ/フォースの覚醒)が出演している。

原作はロビン・デヴィッドソンのベストセラー自伝「Tracks」であり、彼女の旅をナショナルジオグラフィック協会のカメラマン、リック・スモーランが写真として記録している。

 

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ミア・ワシコウスカとロビン・デヴィッドソン

ストーリー

ロビン・デヴィッドソン(ミア・ワシコウスカ)は少女のころ、父の破産、母の自殺にによって、おばに引き取られ育てられる。都会生活は単調で何もかも中途半端、もううんざり。思いついたら新しい場所に飛び出す時期だ。

彼女は1975年オーストラリアのアリス・スプリングスを拠点として1年間の準備期間ののち、ここから砂漠を横断しインド洋に向かうことを計画する。

徒歩によって2700キロを半年間で攻略する厳しい1人旅だ。でもラクダは3頭(ゼリー、ドゥーキー、バブ)とゼリーから生まれた子供のラクダ1頭(ゴライアス)、それにラブラドールのディギティと頼もしい連中たちが仲間になってくれる。

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旅の目的は特にない「やりたいから、やるだけ」。彼女はナショナルジオグラフィック協会に手紙を出して支援を要請する。思いは協会に届き、リック・スモーラン(アダム・ドライバー)と言うカメラマンを定期的に派遣する条件で資金が得られた。

彼女は最初リックを毛嫌いしていた・・・・・・自分の旅をだれにも束縛されたくなかったからだ。でも誰かしらの支えは必ず必要になる。

旅はスタートした。彼女の父親と姉が見送ってくれた。

彼女は29日目にエアーズロックに到着した。そのころ彼女は世間から「キャメル・レディ」と呼ばれるようになっていた。

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彼女は、毎日が嫌になる時がある。朝起きて荷物をラクダに積み込み、30キロ歩いてラクダから荷卸しして寝る、それの繰り返しだ。

彼女は思わずリックに抱き着き、一夜を一緒に明かす。夜は寒いが、星空がきれいだ。

命より大事なコンパスと地図を頼りに、旅は続く。広い水場で裸になって、ディギティと泳ぐ。

朝起きたらラクダ達がいない・・・・一瞬青ざめる・・・・・必死で探す。ラクダを見つけた時はほっとする、ラクダは砂漠の舟だ。

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野生のラクダが近寄ってきた、サリー・モハメット(ラクダを調達してくれた男)の言うとおりに、可愛そうだが銃で撃ち殺す。オスの野生のラクダは発情期にはとても危険な生き物になる。

84日目だ、女性だけでは聖地には入れない、アボリジニの男エディが道案内を買って出てくれた。迂回すると260キロもロスすることになる。

この旅の最大の難所(2か月間何もない砂漠)に差し掛かる、リックは案内人が必要だと彼女を説得する。でも彼女は1人で行くと言い張る。彼は仕方なく・・・・・・先回りをして水を置いておくと言って去る。

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124日目になる、思った以上に砂漠は厳しい。もうろうとする意識と蜃気楼に悩ませられる。リックが先回りして、置いてくれた命の水が無ければ死んでいたかも知れない。

それでも食料や水も尽き果ててきた、ディギティに食べさせるものがもう無い。

夜中にディギティが空腹のため地面に撒かれてあった害獣予防の毒エサを食べてしまう。彼女は必死にディギティを介抱するが、唸り声をあげて苦しむ。

彼女はこの砂漠を生きて出られるのか、是非映画を観て頂きたい。

ネタバレ

<これから先はネタバレするから映画を観てから読んでね>

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彼女は苦しむディギティを泣きながら銃で撃ち安楽死させる。

157日目、彼女の無事を確かめるため多くのマスコミが探し回る、彼女はマスコミから逃げる。リックが来てくれる、彼は1週間彼女を探し回っていたらしい。

リックはボロボロになった彼女を抱きしめる。彼女はディギティを失い、旅をしたことを後悔していた。

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旅も終わりに近づいてきた、彼女は旅の終点で記者たちに邪魔されたくないとリックに言う。彼は分かったと彼女に言う・・・・・適当な情報を記者たちに流すらしい。

195日目、やっと目標の海に到達した。そこにリックが待っていてくれた。

彼女は子供のラクダと一緒に海に入る。そしてイルカの様に海の中で自由に泳ぐ・・・・・。

「ラクダとの旅は変わり続ける始まりも終わりもない」彼女は最後に言葉を残す。

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レビュー

ロビン・デヴィッドソンは人生において色々なトラウマを抱えている。父や愛犬(安楽死させられたコールディ)との別れ、母の自殺・・・・それらが砂漠の中の夢或いは蜃気楼のように映画に挿入される。

彼女は映画の冒頭で「どこへ行っても居場所のない者がいる私もそうだった」と言っている。でも彼女の最後の言葉のように、冒険は彼女を逞しく変え、自分の居場所を見つけたように思うね。そして、良い理解者も得ることが出来ている。

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オーストラリアがラクダの王国だとは知らなかった、この国に運搬手段として利用されていたものが捨てられ野生化した。たかだか50数年くらいで5万頭にも増えたらしいね・・・・ここは彼らの原産地じゃないのに。

ミア・ワシコウスカの演技が素晴らしいね、芯は強いが内向的なヒロインを素直に表現している、彼女あってのこの映画だね。

それにアダム・ドライバーも、のほほんとしたカメラマンを好演している。彼が「スター・ウォーズ」のカイロ・レンをやっているなんて信じられないし、大出世だね。

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砂漠は厳しい場所だが、美しい場所でもあるね、映像でも充分楽しめる。しかし、アボリジニの間では女人禁止の聖地があるようだね・・・・・日本にも昔そんな場所があったね。

映画の最後で彼女は海に行きつく、そして全てのものから解放されたように泳ぐ姿が目に焼き付くね。

この映画を、ある人は10年に一度出るかどうかの名作だと言っている・・・・・あなたはどう観るか、是非試してみてね。

辰々

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