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映画「海街diary」感想・評価‐4人姉妹が助け合って生きてゆく感動のドラマ

サマリー


海街diary予告篇

海辺の街 鎌倉を舞台にして、4人姉妹の日々の暮らしが自然に流れてゆく。

是枝監督らしい自然な演出が凄くいいね。親の不倫で愛情に恵まれずに育った4姉妹だが、長女の香田 幸(こうだ さち)を中心にまとまってゆく。

父の不倫から家庭崩壊が始まり、父も母も子供を残して逃げてゆく。(親から虐待されて捨てられる子供「万引き家族」も弱者をテーマにしたドラマだ。)

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是枝監督、佳乃(長澤まさみ)、すず(広瀬すず)、幸(綾瀬はるか)、千佳(夏帆)

幸は父と不倫相手の女性との間に生まれた4女すずを引き取る決心をする。幸はしっかりしているように見えるが、看護師として勤めている病院の医師 椎名と3年間不倫が続いている・・・・・血は争えないのか。

次女の佳乃(よしの)は男運が悪いのか、男を見る目が無いのかダメ男ばかり好きになる典型的なダメンズウォーカーだ。

3女の千佳(ちか)はノー天気でつかみどころの無いのんびり屋だが破天荒な行動をとることがある。

そして引き取られた4女のすずは心の中に両親と死に別れた寂しさは持ってはいるが、積極的で明るいしっかり者だ。

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香田 幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)、すず(広瀬すず)

いつも洋画ばかり見ているから、たまに日本映画を観ると、ほっとするね。舞台も鎌倉で海や自然の風景、街並みが「すーうっと」こころに入ってくる。胸が締め付けられるような郷愁さえ感じさせるね。

毎日の平凡な生活が映画として切り取られている。普通だったら退屈するやや地味な内容だが、スター達が派手な化粧もせず、自然体で役を演じているところに意味がある。

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ネットで見つけました、鎌倉の風景

第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映されている、果たして海外ではこのような地味な作品は受けるのだろーか。

僕としては割合好きな映画だが、退屈に思う人もいるかもしれない。でも映画を観終わった後に感動がじわーっと湧き上がって来るし、日本に住んでいるからこそ、この作品をより深く味わえるような気もする。

この映画を観ていると人間は、決して一人では生きて行けない・・・・・でも家族だっていつかはバラバラになる、それに死ぬときはひとりぼっちだ。

時は静かに流れているが肉親や近親者の死は確実にやってくる。それも日常生活の一部に過ぎないのを感じさせる映画だ・・・・・まあ死ぬまで頑張って生きるしかないよね。

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4人が住む鎌倉の古い家

2015年6月公開、監督・脚本は是枝裕和(誰も知らない、歩いても歩いても、そして父になる)、主な出演者は綾瀬はるか(JIN-仁-、八重の桜)、長澤まさみ(涙そうそう、モテキ)、夏帆(天然コケッコー、箱入り息子の恋)、広瀬すず(バケモノの子:声の出演)である。

第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲得している。また、是枝監督は最優秀監督賞も獲得している。

原作は吉田秋生のマンガ「海街diary」である。

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ストーリー

不倫して家を出て行った父が亡くなった。父は不倫相手の女性と死に別れ、さらに別の女性と再再婚(3人目の女性と結婚)していた。

山形の旅館に住み込んで働いていた父が亡くなったのだ。長女の香田 幸(綾瀬はるか)は父のお葬式に次女の佳乃(長澤まさみ)と三女の千佳(夏帆)に出席してもらうこととした。幸は病院の夜勤があって葬式に出られそうもない。

結局佳乃と千佳は山形に行くことになった。佳乃は父とはもう15年も会っていない、千佳は父の記憶があまりない。

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山形の河鹿沢温泉(かじかざわおんせん)

山形の河鹿沢温泉(かじかざわおんせん)駅に着くと、亡くなった父の娘 浅野すず(広瀬すず)が迎えに来ていた。すずは佳乃と千佳を「あづまや旅館」に案内してくれた。

佳乃と千佳は父の葬儀に出席していた、ところがそこに欠席する予定だった姉の幸が突然現れる。

幸はここで初めて父の異母姉妹、すずに会う。すずの義母 浅野陽子(中村優子)は泣いてばかりいて頼りにならない女だった。

葬儀が終わって帰る途中、幸は父のことを優しくてダメな人だったと回想する。父を看病してみとったのは、義母ではなく すずだったらしい。幸はすずにお礼を言う。

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すずは3人の姉を駅に見おくる。電車に乗り込んだ幸は突然すずに「鎌倉に来ない、4人で一緒に暮らそう」と言う。

すずは突然の申し出にまごつくが「行きます」と返答する・・・・電車の扉が閉まり動き出す。

それからしばらくして、すずが鎌倉に来る。そして女4人での新しい生活が始まる。

すずは地元のサッカーチーム湘南オクトパスに入団する・・・・サッカーは相当うまいようだ。

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サッカーの練習が終わった後、いつも海猫食堂で食事をする。食堂のおかみ二ノ宮さち子(風吹ジュン)とは3姉妹が小さい時からの顔見知りだ、すずもあいさつし仲間に加わる。

湘南オクトパス監督の井上泰之(鈴木亮平)は面倒見の良い男で、幸の同級生だ。

すずは同級生でサッカー仲間の尾崎風太(前田旺志郎)と仲良しになり、学校にも地元にも溶け込んで行く。

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カフェ山猫亭店主の福田仙一(リリー・フランキー)と海猫食堂のおかみ二ノ宮さち子(風吹ジュン)

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尾崎風太(前田旺志郎)とすず(広瀬すず)

幸は近くの市民病院で看護師として働いている。小児科の医師 椎名和也(堤真一)とは不倫の関係が3年も続いている。

幸は時々椎名のマンションに料理を作りに行く。椎名は妻と離れて住んでいる。彼は妻と離婚し幸と一緒になりたいと思っているが、なかなか煮え切らない。

椎名の妻は精神的に不安定で、入退院を繰り返している・・・・・幸はもうそろそろ椎名と別れる時期かと悩む。

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椎名和也(堤真一)と幸(綾瀬はるか)

佳乃は地方銀行に勤めている。恋人の藤井朋章(坂口健太郎)は、いつも佳乃のお金をせびるダメ男だ。誰が見たって借金まみれの頼りないヤサオトコだが、佳乃は夢中だ。

でも佳乃は藤井にフラれてしまう・・・・男運が悪くヤケ酒で紛らす。その昔ホストに100万円も貢いだことがあったらしい・・・・何回ダメ男にダマされてもこりない。

三女の千佳は近くのスポーツ用品店に勤めている。恋人は店長の浜田三蔵(池田貴史)だが、背のちっこいアフロヘアのブオトコで、彼女のオトコ趣味の悪さにドン引きしてしまう。

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佳乃(長澤まさみ)と藤井朋章(坂口健太郎)

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千佳(夏帆)、是枝監督、浜田三蔵(池田貴史)、井上泰之(鈴木亮平)

3姉妹は毎年、庭になった梅で梅酒をつける、おばあちゃんのつけた10年ものの梅酒も残っている。漬物もつける、夕食は4人で協力し合って作る・・・・4人で食べる夕食は美味しくて格別だ。

毎朝の食事は戦争状態だ、特に佳乃はねぼすけで時間が無いから、服を着替えながら食事をかきこむ。朝食のあとは極楽寺駅(江ノ島電鉄)まで すずと競争だ。

ある日すずは誤って、濃い梅酒を飲んで酔っ払ってしまう、そして「父と母のバカ」と悪態をつく・・・・すずがそうとう今まで苦労してきたことが3人の姉達にわかる。

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すずは友達んちのシラス干しを手伝う。お礼に生シラスを頂く、家に帰ってどんぶりご飯の上に生シラスを乗せてみんなで食べる・・・・しょうゆを少したらすのコツだ、美味しくてたまらない。

今日の夕食はみんな揃って海猫食堂に行く、久しぶりだ。お店のおばさんの作るアジフライ定食は絶品だ、久しぶりにビールを飲む。

佳乃は銀行の受付係から、外回りの仕事に変わる。スーツと靴を新調し、課長の坂下美海(加瀬亮)について銀行のお客さんを訪問する。

中には難しい仕事もある、倒産しかかった工場の再建案を課長は経営者に説明する・・・・・世の中不景気だ。

坂下課長は元都銀のエリートだ、でもそこは自分に向いてないと分って、地方銀行に転職した・・・・誰にも本当の居場所があるものだ。

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課長の坂下美海(加瀬亮)と佳乃

すずは風太の自転車の後ろに乗って、桜のトンネルを下る。二人は桜に囲まれて生きている喜びをあふれさす・・・春真っ盛りだ。すずの暮らしていた山形の桜はこれから咲く。

今年の梅の実取りは、すずが木に登ってやってくれるから姉達は大助かりだ・・・・佳乃なんかは、日向ぼっこしながらすずに指示するだけだ。

梅の木はもう55才だ、年々木が弱ってきて梅の収穫が減って行く・・・・・人間と同じように木も年を取って行く。

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香田家七回忌の法要に母の都(大竹しのぶ)が突然札幌から来る。都は3人姉妹の実母だが、だらしのない女で、長女の幸といつも言い争いをする。都はここですずに初めて会う。

都は鎌倉の家を処分したらどうかと娘たちに話す。幸は祖父母に自分たちを押し付けて家を出て行った母を今でも許していない。そしてこの家は売らないと母に返答する。

幸は妹たちに、この家を守って行く言う。しばらくして母の都は両親の墓をお参りして札幌に帰って行った。

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大船のおばちゃん(樹木希林)と都(大竹しのぶ)

海猫食堂のおかみ二ノ宮さち子は今月でこの店を閉めると言う。さち子はガンを患って体調を崩していた。

彼女は今までガン治療に専念しながら店を切り盛りして来たが、病状は進行しもう末期の状態だった。近々、幸が務める市民病院のターミナルケア病棟に入院することになっている。

椎名は小児ガンの先端医療を学ぶためアメリカのボストンに留学したいと言う、そして幸に一緒に行ってほしいと・・・・・幸は突然のことで驚く。

幸は悩む、妹たちを置いてアメリカなんかに行けない、でも佳乃はすずの面倒は私と千佳で何とかするから行きなさいと背中を押してくれる。

果たして幸はアメリカに行ってしまうのであろうか・・・・・是非映画を観てね

ネタバレ

<ここから先はネタバレするから映画を観てから読んでね>

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幸は考えた末に椎名の申し出を断る。

幸は椎名に病院のターミナルケアの仕事を真剣にやってみたいと考えていると言う。

今日は花火大会だ、すずは浴衣を着て風太たちと船に乗って花火を見に行く。佳乃は残業のためビルの屋上から同僚たちと花火を見る。千佳は店長の浜田と店番だ。

家に帰ってきた姉妹たちは庭で花火をやる・・・・・楽しい時間が過ぎてゆく。

次の日幸はすずと一緒に近所の小高い山に登る。山の中腹の見晴らしの良い所で、幸とすずは大声で「お父さんのバカ」「お母さんのバカ」と叫ぶ。

幸は今まで一人ぼっちで苦労してきたすずを抱きしめる。そして「すずはここにいていいんだよ、ずうーっと」とすずの耳元でささやく。

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海猫食堂のおかみ二ノ宮さち子が亡くなった。幸はずーっと彼女の面倒を病院で看てきた。

さち子の葬式に4人揃って出席する。式の帰りがけに近くの海岸を散歩する。

幸は「お父さん、本当にダメな人だったけどやさしい人だったかもね」「すずを私たちに残してくれたから」と言う。佳乃も千佳も「そうだよ、きっと」とこたえる。

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レビュー

幸はお父さんことを「やさしくってダメな人だった」と言う。でも幸は、自分たちの家庭をこわした父と不倫相手の女性との間に出来た異母姉妹の「すず」を引き取っている。それに医師の椎名と不倫の関係にある。

幸はお父さんの性格を一番引き継いでいる本当に「やさしい人」なのではないかと思う。でもこんなに「やさしい人」は本当に世の中にいるのかな?

ところで幸役の「綾瀬はるか」が実にいいね、芯はしっかりしているけど、いやな仕事を引き受けてしまう「やさしい人」「お人よしの人」をうまく演じている・・・・原作では椎名と別れて、サッカーの井上監督と仲良くなるらしい。

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この映画に登場する4姉妹をはじめ、ほとんどの人が心に悩みを抱えている。悩みを持ってない人間なんていないよね、でも悩みを抱えながら人生を生きていくしかないね・・・・いつか悩みが解決することを夢見て。

お葬式のシーンが3回も出てくる、お葬式は長い人生の一部であることを言いたいのかな。お葬式に始まってお葬式で終わる映画だが、観終わった後にすがすがしさが残る秀作だね。

映画の中で、季節の移ろいが上手く描けている・・・・日本には四季がありそれぞれの催し物もある、そして美味しい料理、シラス丼・シラストースト・アジフライ定食・ちくわカレーや梅酒なんかが出てくるのが楽しいね。

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ネットで見つけたシラストースト

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ネットで見つけたシラス丼とアジフライ

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梅酒

世の中には、こんな美人4姉妹なんていないと思うけど、兄弟姉妹だけで楽しく暮らしている家庭はいっぱいあるんじゃないかな。

核家族や1人暮らしが多い世の中で、最近シェアハウスが増えているらしい、やっぱりわいわい、がやがやと友人・知人たちに囲まれて生活する方が楽しいね。

辰々

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海街diary DVDスタンダード・エディション
綾瀬はるか
ポニーキャニオン
2015-12-16

 

 

 

 

 

写真集 「海街diary」
瀧本幹也
青幻舎
2015-05-22

 

 

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