ストーリー
映画「メランコリア」の予告編をどうぞ。
いつかは地球最後の日を我々人類は経験することになる。地球が誕生して46億年、この気が遠くなる時間に何度も地球危機が訪れている。それらを今まで乗り越えて人類の繁栄がある。
過去の分析から直径10Kmの小惑星が地球に衝突する確率は1億年に1回と言われている。直近で有名なのは6500万年前のメキシコのユカタン半島に落下した小惑星チクシュルーブだ。これが恐竜を絶滅させる引き金になったと言われている。
小惑星の衝突の威力は凄まじく、原子爆弾100億個分に相当する。この衝突によって地球に160Kmの巨大な穴が開き、溶岩と超高温ガスの噴出口が出来る。
海水は瞬時に蒸発し、同時に数百メートル高さの津波を発生させる。衝突付近の硫黄が気化し、激しい火災が起き粉塵が太陽光を遮る。これらによって長い冬が来る。この冬は数十年続いたとの説もある。地球上の種の75%が絶滅したことが分かっている。
恐竜が絶滅したことによって、哺乳類が台頭する時代が来る。そして原始的な霊長類の祖先から現代への人へと進化が始まる。一つの種が消えれば、新たな種が誕生し、それが地球の支配権を短い時間ではあるが掴むことになる。でも長続きはしない・・・。
この物語はある近未来の出来事だ。1990年4月にハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられ多大な成果が得られる。そして2021年12月に後継機ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が宇宙に放たれる。これによって100億光年の遠距離にある天体の観測も可能となった。
さらにその50年後アリストテレス宇宙望遠鏡が宇宙空間に展開され近くの微細な小惑星から150億光年先の天体までクリアーに観察することが出来るようになる。このデーターは一般にも公開されアマチュア天文学者のよりどころとなる。
天才アマチュア天文学者がある小惑星を発見する。一般には地球に大ダメージを与える大きさの小惑星は数百年程度は来ないと言われていた。彼の名前はピーターと言い150年後に地球に巨大小惑星が衝突するとSNS等で発表された。
この小惑星はピーターと名付けられた。直径は7~8キロメートルほどだがスーパーコンピューターの計算から海に落下する予想が立てられた。地球表面の70%が海であることを考えるとリーズナブルな回答だ。
実は政府はこの事実をピーターより早く知っていた。しかし、150年先であることから事実を隠ぺいしていた。ピーターは嘘つき呼ばわりされていたが数年後これが事実であることが検証され世の中は動揺する。
この小惑星の軌道を変更させようとあらゆる方法がとられた。超大型の核ミサイルを小惑星にぶつけたり、近くで爆発させたりと最先端の技術を組み合わせた。ところが小惑星の質量があまりに大きいのとスピードが速いため、これらは失敗に終わった。
ピーターは政府にヘッドハンティングされ、小惑星ピーターの対策本部に勤めることになる。これがもう亡くなってしまった僕のひい爺さんだ。そして僕の代になって、明日ピーターが地球に衝突する。
それまでの世界はこの出来事を想定して大転換する。都市は1000m以上の高地に移され、地震に強い地下に重要なインフラを備える。数十年の太陽が差さない暗黒の時代が来る。
食料・水・燃料を貯蔵する。人々は結婚しても子供を作らないため、人口は激減する。産業も右肩下がりで衰退してゆく。世界中の皆が150年後に生きるための手段を模索し、実行に移す。
衝突の十年くらい前になると、資産家たちは安全な高地に要塞のような建物を建て、巨大な倉庫に水や食料を備蓄する。世界には暴力・略奪・殺人・・・・などありとあらゆる悪行がはびこる。
おかしな宗教が信者を増やし社会を覆ってゆく。当然お金は役に立たない、物々交換となる。人間の負の部分がむき出しになった世界がそこに現れる。
僕はこんな人類なら滅んだ方が良いと思う。明日以降の世界がどうなってゆくのか、今では関心も無くなってしまった。愛犬と一緒に今日も森を散歩する。そこには色々な動植物が何も知らずに生きている。
彼らこそが人間よりも繁栄するべきだと思う。あるいはこれを機会に超人類が現れるのか・・・。リセットされた世界には僕はいない。
TATSUTATSU
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