ストーリー
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映画「プーと大人になった僕」をご存じですか。誰でも子供の頃に出会える友人がいる。少年時代に一緒に遊んだプーさんと仲間たち。その少年はやがて大人になる。そしてプーさんは忘れ去られる。ところが大人になった彼の前にプーさんが再び現れる。
ある人から聞いた話だ・・・紹介しよう。【僕は3日3晩、ある夢を見る。夢の中に緑の少年が現れ何か叫んでいる。僕はその少年に見覚えがある・・・そして大昔を思い出す。
僕の父は気象の仕事をしている。天気を予報するための観測装置は辺鄙なところにある。僕は子供の頃、北海道奥地の森に住んでいた。けっこう人里離れた場所だ。
僕は扁桃腺がよく腫れるからしょっちゅう熱を出していた。だから学校にもあまり行っていない、いつも一人で家の周囲や森の中で遊んでいた。
ある日、家から15分くらいのところに泉を見つけた。小さな泉だけど真っ白な砂の底から透明なブルーの水が湧いてとてもきれいだ。近くに大きな木があって、僕は根元にもたれて読書をする。
暫くすると緑色の少年が現れ、僕の本をのぞき込む。僕はその少年と仲良しになり、毎日遊ぶ。夏は泉で水遊びをしたり、雪の降る冬は雪合戦だ。そんな風にして3年ぐらいたったころ。父の転勤で北海道を出ることになった。
僕は今30代半ばだ。妻と小学一年の息子がいる。長いこと休みなく働いてきたから一週間ほど休暇をもらって昔住んでいた北海道の森に行こうと考えた。
昔の記憶をたどって、昔住んでいた場所へと向かう。少し探したが森は残っていた。そして森の奥に入ってみるとあの泉があった。その泉は少し前の台風で流木や泥が入り込んで無残なことになっていた。
僕たちは泉の近くにテントを張りデイキャンプだ。僕と息子は泉の掃除を始めた。妻はテントで料理作りだ。泉の掃除が終わるまで3日程かかったが、息子も妻も大満足だった。
そして東京への帰途に就いた。新幹線の中で妻は通路際の席で眠っている。窓際の席で外を見ていた息子が「お父さんあそこに緑の子供がいたね」と僕に微笑む。】
これはまさしく「イマジナリーフレンド」という、「想像上の遊び友達」だ。主に長子や一人っ子に見られる現象で子供の頃に出現する。そしてそのうち消失してゆく。子供の発達過程において正常な現象だそうだ。
だけど、父親も見ているし、その息子も同じものを見ている。果たしてこんなことがあるだろーか。緑の少年はひょっとしたら「森の妖精」「泉の妖精」「河童」なのではないのか?
我々の目から入ってくる情報は「脳」が処理して作り出した世界だと言われている。歳をとってくると「常識」というものが自然に出来上がってくる。
だから実際に見えるものであっても「脳」が処理できなければ、カットされるのではないだろうか。ところが子供の「脳」は柔軟だ。見えるものをそのまま、見えるものとして認識させてしまう。
そう考えると「イマジナリーフレンド」のなかには実在するものが潜んでいるのか?ただ、「イマジナリーフレンド」の中には自分や自分の友人たちを害する悪いものもいるようだ。
映画「ダニエル」の中には悪魔のような想像上の友人が出てくる。そして彼が色々な手を使って本人を支配しようとする。彼は幼少期からの親友だ・・・彼を自分から引きはがすことが出来るのか。
怖い話だが、現実にもこんな例はあるかもしれない。そしてこれがエスカレートすれば精神を病むことになる。「イマジナリーフレンド」が全て「緑の少年」であればいいのにネ。
TATSUTATSU
次は「夢と現実が直結するとき」を見てね。
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「僕の金縛り体験記」
「連鎖する惨劇」
「クリスマスの雪女」
「幽霊が見える男」
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