邦画

映画「ホムンクルス」感想・評価:人間の深層心理の具象化をテーマにしたドラマ

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2021年4月公開の邦画 頭蓋骨に穴を開けることによって覚醒した男のサスペンス映画
監督 清水崇
原作 山本英夫 漫画「ホムンクルス」
出演 ●綾野剛(ドクター・デスの遺産
●成田凌
●岸井ゆきの

映画『ホムンクルス』予告編

 

頭蓋骨に穴をあけることをトレパネーション(穿頭)という。大昔から、頭痛や精神病の治療として行われてきた。その理由は頭蓋骨内にある「良くないモノ」を外部に出すと言う考え方だ。

頭蓋骨に穴を開けると「脳の圧力を下げ、気分を高揚させたり、意識が明瞭になる」などの効果があるそうだ。しかし、現代の医学では、これらの効果は見られないどころか脳が傷ついたり、細菌に汚染されたりとデメリットの方が多い。

この映画ではトレパネーションを行った青年が覚醒し、左目で見る人間社会が異常な世界に見えるようになる。つまり「他人の深層心理が視覚化されて見える」のだ。

左目で見る異形の人間をホムンクルスと呼んでいる。本来ホムンクルスとは「錬金術師によって作られる人造人間」のことだ。

例えば、外観がロボットに守られた少年、砂人間、魚人間・・・など、その人間のトラウマが可視化される。

ストーリーを少し紹介すると、新宿の公園付近で車上生活をおくる名越進(綾野剛)。彼の前に不気味な医学生 伊藤学(成田凌)が現れる。

70万円で実験台になってほしいと言う。その実験とは、頭蓋骨に穴を開けるトレパネーションと言う手術を受けることだ。

この手術によってその中の何人かは第六感が覚醒すると言う。手術後、名越は右目を手で覆い、左目で町ゆく人々を見る。

その時、びっくりする光景が目に飛び込んできた、人々が異形のモノに見えるのだ。彼らのトラウマが可視化されて見える能力を名越は覚醒させてしまった。

名越は彼らと交流しトラウマの原因を解明し、そのトラウマから解放させることを試みてゆく。

誰しも持っている心の奥底の闇とは・・・、また、名越自身はいったい何者なのか明らかになってゆく・・・。

人間誰しもトラウマを持って生きている。そのトラウマをなくすことは難しい。だから出来るだけ、嫌なことは思い出さず心静かに生きて行きたいね。人生は長いようで短い。

僕はもう70才だ。サラリーマン生活を47年くらいやって、今は引退している。ところが今でもサラリーマン時代の夢をよく見る。いい夢もあれば、仕事に追われてミスばかりする夢もある。いつになったらこれから解放されるのか・・・お墓に入るまでだめかもしれないね。

TATSUTATSU

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