サスペンス

映画「LAMB/ラム」感想・評価:羊から生まれた不思議な生き物の正体は?

サマリー


★★☆☆(そこそこ面白い)

2022年10月日本公開のアイスランド・スウェーデン・ポーランド合作のサスペンス映画
監督・脚本 ヴァルディマル・ヨハンソン
出演 ●ノオミ・ラパス(ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女プロメテウスシャーロック・ホームズシリーズ
●ヒルミル・スナイル・グドゥナソン
●ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン

羊から産まれた得体の知れない“何か”…映画『LAMB/ラム』日本版予告編

 

不思議な映画だ。場所は山間部の羊の放牧地帯、登場人物は主として3人。ノオミ・ラパスが出ていなければ僕は見てないかもしれない。素朴なドラマだ。

獣人伝説は世界中に見られる。特に有名なのが「人狼」だ。また、非常に古いドイツの洞窟から「ライオン人間」の彫刻が見つかっている。

獣人は太古の昔から何らかの儀式に使われたものといわれている。自然の力を人間の体の中に取り込もうとしたのかもしれない。しかし、キリスト教圏では「悪魔の化身」と呼ばれる不吉なものの象徴だ。ここに出てくる獣人もそうと言える。

山から得体の知れないものが下りてくる。遭遇した野生馬の群れはうなり声をあげて逃げてゆく。それは羊小屋を見つけそこに入ってゆく。羊たちは恐怖に怯えそのものを凝視することしかできない。そして山へと戻ってゆく。

暫くして、羊の出産のシーズンが到来する。マリア(ノオミ・ラパス)は夫のイングヴァル(ヒルミル・スナイル・グドゥナソン)とこの地で牧羊を営んでいる。次々と子羊が生まれてくる。

ところがそのうちの一頭が不思議な生き物を産み落とす。その生き物は頭部から右上半身が羊、左半身から下が人間の姿をしていた。二人はびっくりするが、その得体の知れない生き物に亡き娘の名前をつけ、我が子のように大切に育てる。彼らにとっては幼い娘アダを亡くしたばかりで、この生き物が天から授かった「幸運の賜物」と考えていた。

そんな時にイングヴァルの弟ペートゥルがやってくる。二人がアダと楽しく食事する風景を見て、驚く。そしてこんなことはあってはならないと二人を諭す。ペートゥルは早朝にアダを外に連れ出し、銃を構えるのだが・・・あどけないアダを見て引き金を引くことはできなかった。

アダを産み落とした羊がアダを見て泣き叫ぶ。何度も何度も泣き叫ぶ雌羊をマリアは撃ち殺して埋める。それを誰かが見ていた。この出来事を契機に不穏な空気がこの家族を包んでゆく・・・。

 

TATSUTATSU

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