邦画

映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」感想・評価:安楽死殺人をテーマにした刑事ドラマ

サマリー


★★☆☆(そこそこ面白い)

2020年11月13日公開の安楽死殺人刑事ドラマ
監督 深川栄洋(ドクター・デスの遺産
原作 中山七里「ドクター・デスの遺産」
出演 ●綾野剛(ドクター・デスの遺産
●北川景子(ドクター・デスの遺産

映画『ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―』本予告 2020年11月13日(金)公開

 

綾野剛と北川景子が組んだバディ刑事ものだ。「安楽死」連続殺人がテーマになっており、社会派ドラマと期待したがその部分はスルーされてしまった。

「安楽死」は永遠のテーマと言える。安楽死を合法として承認している国としてスイス・オランダ・ベルギーが有名だ。「生きる権利」があるなら「死ぬ権利」があっても当然と言えるかもしれないのだが?

「ジャック・ケヴォーキアン」

130人もの患者を安楽死させた実在のアメリカ人医師・ジャック・ケヴォーキアンをモデルにしたサスペンス映画となっている。ケヴォーキアンは二種類の自殺装置を開発している。

「タナトロン」と言われる装置:患者がスイッチを押すとチオペンタール(鎮静・催眠剤)が点滴によって体内に吸収され、その後塩化カリウムが注入され、患者は心臓発作で亡くなる。

「マーシトロン」と言われる装置:一酸化炭素のシリンダに接続されたマスクを患者が被る。そしてバルブを開いて一酸化炭素を吸入することによって死に至る。

ところで映画の出来としては冒頭の映像でプロットが分かってしまうほどひねりが無い。どんでん返しとか予想もつかない展開を期待するより、綾野剛と北川景子がスクリーンで飛び跳ねるのを見たい人向けだ。

話のスジを少し紹介すると。ある少年から警察に父親が殺されたと通報が入る。調査のため警視庁捜査一課の警部補・犬養隼人(綾野剛)と巡査部長・高千穂明日香(北川景子)が派遣される。

通報した少年の父の葬儀中に犬養は強引に死体を持ち帰る。解剖した結果、薬物による殺人と断定し、少年の母親・馬籠小枝子を問い詰める。小枝子は病魔に侵され苦しむ夫を見かねて「安楽死」を望みドクター・デスに依頼したことが分かる。

殺された馬籠健一は薬物を注射され、安らかに息を引き取ったとのことだった。そして調べてゆくといくつもの「安楽死」事件が浮かび上がってくる。果たしてドクター・デスとは何者なのか、そしてその正体を暴くことが出来るのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

「安楽死」をドクター・デスに依頼した家族たちに、犯人はどんな顔をしているか聞き取り調査を行った。そして似顔絵を作成し捜査が始まる。さらにドクター・デスと思われる男の助手として女性の看護師の存在が浮かぶ。

看護師は雛森めぐみ(木村佳乃)という女であることが判明、警察は彼女を確保する。女はドクター・デスに協力しただけだと涙を流す。警視庁捜査一課は雛森めぐみを釈放ということにして泳がせる。どこかでドクター・デスと接触するかもしれない。

ドクター・デスが残したと思われる足跡から土に混じって特殊な藻が検出される。これが存在する場所は数か所の河川敷だ。そこを重点に似顔絵を持って聞き込みを行う。そんな時にホームレスの寺田(柄本明)が捜査線上に浮かぶ。

その男を逮捕し事情聴取したところ、こいつはドクター・デスではなく1回6万円で雇われた偽医者だった。本物のドクター・デスは元看護士の雛森めぐみだったのだ。

雛森めぐみは刑事たちの張り込みの網をかいくぐり逃走する。そして犬養刑事の娘・紗耶香を誘拐する。紗耶香は腎臓を患っており、ドナー待ちの状態で入院中だったのだ。

犬養刑事はドクター・デスから電話を受け、紗耶香のいる思い出の場所に来いと、さもなければ娘を殺すと言う。犬養は高千穂を振り切ってその場所に急行する。後から高千穂がバイクで追う。

紗耶香の思い出の場所は亡くなった母と父・隼人の3人で過ごした湖畔のコテージだ。そこに現れた隼人は建物の中に入ったところ、ドクター・デス・雛森めぐみに首筋に注射針を撃ち込まれる。薄れゆく意識と戦いながら雛森めぐみを逮捕しようとする。

その時、高千穂が建屋に入ってくる。殺されるところだった隼人を救い、雛森めぐみを逮捕する。事件は危機一髪で終了した。ドクター・デス・雛森めぐみはいったい何のために人々を「安楽死」という名のもとに殺していったのか?

本当に不治の病を患った患者たちを解放したかったのか、それともただ単に死にゆく人々の顔を見たかったサイコパスなのか・・・。

レビュー

ドクター・デスが木村佳乃さんでは残念ながら恐怖半減だ。そして、ドクター・デスが「安楽死」を隠れ蓑に多くの殺人を繰り返す動機が弱い。などなどストーリーにちぐはぐな面がある。でも主演二人の演技は素晴らしい。

ところで「安楽死」をテーマにした映画は多い。ハビエル・バルデム主演の「海を飛ぶ夢」、クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンクの「ミリオンダラー・ベイビー」、「ジョニーは戦場に行った」、「エレファント・マン」、「ソイレント・グリーン」、「ミッドサマー」などなど・・・・。

「安楽死」は永遠のテーマだ。誰にでも公平に「死」は訪れる。30年後の人口爆発において、地球は多くの人々を食わすことは出来ない。そんな時、老人から順番に死んでゆくことは必要なのか?考えさせられるね。

TATSUTATSU

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