サマリー
1973年公開のアメリカSF映画、監督は「ミクロの決死圏」「海底二万里」のリチャード・フライシャー、主演は「ベン・ハー」「猿の惑星」で有名なチャールトン・ヘストンである。
原作はハリイ・ハリスンの「人間がいっぱい」を元にしたオリジナル映画である。
2020年のニューヨークが舞台になっており、極端な格差社会、資源の枯渇、急激な産業拡大の弊害として土壌・空気・海の汚染・地球温暖化、そして人口爆発(市の人口4000万人)と現在でも考えうる最悪の未来が描かれている。
人々は路上にあふれ、温暖化による灼熱地獄のなかでの生活、さらに乏しい食料の配給、、頻繁に起こる食料の争奪と暴動・・・・・・暴動の鎮圧はイラストにあるように大型のショベルカーによって人間をゴミのように排除してゆく。
この映画を40年前に観たとき「怖いなー」と思ったし、こんな未来が本当に来るんだろーかと心配したしだいである。
幸いにも化石燃料は今でも枯渇していないし、日本では空気・水・土壌・海の汚染も深刻ではない、また人口は逆に減少してきている。・・・・・・しかし地球温暖化は止められなさそうだ。
この映画ではソイレント社が開発した海のプランクトンを原料とする「ソイレント・グリーン」と呼ばれる食料の真相について、その秘密を解明しようとする一人の警察官の物語である。
少々古臭くなっているが、SFの古典的名作なので、是非観てほしい。
「お薦めSFパニック映画ベスト20-将来人類は滅亡するかも知れない」もアップしたよ。
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ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、ソイレント社の社長サイモンソン(ジョゼフ・コットン)が何者かに殺される。この殺人犯罪の捜査にソーン刑事(チャールトン・ヘストン)が派遣される。
ソーンは同室の老人ソル(エドワード・G・ロビンソン)の協力を得て捜査を開始する。まず、サイモンソンの護衛タブ(チャック・コナーズ)とサイモンソンの情婦シェリル(リー・テイラー=ヤング)を調べる。
事件を調べるにつれて、この事件は単なる殺人ではなく、事件の背後に大きな闇が存在するのをソーンは感じ取る。
そして事件の核心に近づくにつれ、次々と妨害を受け、殺されそうになる。また彼は上司からもこの事件から手を引けと言われる。
一体何がこの殺人事件の背景にあるのか、ソーンの仕事の協力者ソルはソイレント社の資料を調べ驚愕の事実をつきとめる。
ソルは将来を悲観し「ホーム=公営安楽死施設」に行ってしまう、ソーンは後を追うが手遅れであった。しかしソルと最後の会話が出来、ソーンも真実を知ることとなる。
ソルはソーンに驚愕の事実の証拠をつかめと言い残したまま死んでしまう。
果たして驚愕の事実とは何なのか、その証拠をつかむことが出来るのか・・・・彼はソイレント社の工場に忍び込む。
ネタバレ
この映画の格差社会は激しく、特権階級は壁に隔てられた高級マンションに住んでいる。マンションは冷房完備で水も使い放題、高価な野菜や肉もある。・・・・・一般人とは別世界である。
マンションには家具と呼ばれる美しい女性がついており、マンションの主人に色々なサービスをする。・・・・女性の地位が大幅に低下している未来が描かれている。
殺されたサイモンソンは殺人者に無抵抗で殺されている・・・・生きる気力を失ったように感じる。結局彼の護衛タブも殺人者の仲間であった。
ソーンはマンションの家具シェリルとねんごろになるが、彼女をどうすることも出来ない。また、彼女も自分の運命を悟り・・・この家具としての暮らしを続けてゆく。
ソルは「ホーム=公営安楽死施設」で毒薬を飲まされ、自分のまわりを囲む巨大なスクリーンに映される美しい自然の動画に囲まれ、ベートーベンの楽曲「田園」を聞きながら息を引き取って行く。・・・・・ホームには次から次へと社会に希望を無くした人々が押し寄せるところが怖い。
ソーンはホームの死体の行先を追う、そしてソイレント社の工場に死体が運ばれのを見届ける。死体は次から次へとタンクに投下され、タンクにつながっている生産設備のベルトコンベヤーから、ソイレント・グリーンが製造されるのを目の当たりにする。
ソイレント・グリーンの原料は海中のプランクトンでは無く、人肉が原料であった。つまり、多くの人々は人肉を騙され食べさせられていたのであった。
ソーンは追っ手に撃たれ瀕死の重傷を負う、そして彼は「ソイレント・グリーンの原料は人肉だ、何とかしないと食料生産のために人間を飼うようになる」と叫び続ける。
本当に怖い映画だ、2020年と言えばあと5年後だ、食糧生産能力は飛躍的向上しているが、いつ何時何が起こるか分らない・・・・この映画はまさに教訓だね。
辰々
ところで怖い映画を4連発で紹介するね。是非見てね「死霊館エンフィールド事件」
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ある意味厨二病的発想の映画、当時はガッカリしたものです。