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アニメ映画「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)僕らが選ぶ未来」感想・評価:中国発の極上アクション・ファンタジーアニメ

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2020年11月7日日本公開の中国製作アクション・ファンタジーアニメ
監督・脚本 MTJJ木頭
出演 ●花澤香菜(小黒:シャオヘイ)
●宮野真守(無限:ムゲン)
●櫻井孝宏(風息:フーシー)

『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』本予告映像

 

中国発のアニメだがアクションが凄い。最近のアニメはアクション抜きでは語れない。「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「攻殻機動隊SAC_2045」がそうだ。

羅小黒とは主人公の名前だ。羅は名字で羅小白と言う女の子に拾われたことからこの名字が付いている。小黒(シャオヘイ)は名前になる。つまり真っ黒な子猫の姿をした妖精・羅 小黒の戦いの物語だ。では誰と戦うのか、それは見てのお楽しみ。

このロシャオヘイセンキは2011年からweb上で公開され大評判を取った作品だ。今回、この物語の前日譚が劇場アニメとなっている。主人公の黒猫の妖精・小黒(シャオヘイ)が人間の執行人・無限(ムゲン)と出会うまでが描かれている。中国では2019年9月に公開され、48億円の興行収入を上げている。

日本のアニメにかなり影響を受けていることがうかがわれる。原生林やのどかな農村の風景が広がる。もちろん都市部には高層ビル群が出てくる。遠い過去の物語ではなく間違いなく現代社会だ。でも古い建物はおやっと思う、中国風なのだ。食べ物や風習ももちろんそうだ・・・つまり日本アニメのように見えても中国アニメなのだ。

都市部には人間に隠れて妖精たちが暮らしている。しかし、本来妖精は森の中で暮らしているはずだ。自然が破壊され住み家を失った彼らは都市部に溶け込んで暮らしている。ところが彼らの一部は人間と事件を起こす。それを取り締まるのが執行人と呼ばれる者たちだ。グロい場面はないので子供から大人まで楽しめる。小黒(シャオヘイ)が可愛い、お薦めだね。

話のスジを少し紹介すると、小黒(シャオヘイ)は奥深い森の中で静かに暮らしていた。ある日突然、森が人間によって破壊される。木々は切り倒され、重機が動き、開発が始まる。小黒は住み慣れた森を追われ、各地を転々とする。

ある日、いじめっ子たちに追いかけられたところを妖精の風息(フーシー)に助けられる。木を操る霊力を持っている。風息は小黒を自分たちの島に連れて行ってくれる。そこには天虎(テンフー)、洛竹(ロジュ)、虚淮(シューファイ)がいて優しく接してくれる。

ところが突然、人間であるが最強の執行人・無限が現れ、小黒は連れ去られてしまう。無限は金属を自由自在に操ることが出来る。無限は小黒を龍遊市にある「館(やかた)」に連れてゆこうとする。この「館(やかた)」は異空間に存在し、妖精と人間の融和のために働く組織がある。

無限は小黒に金属を操る能力があるのを発見し、自分の弟子として術を教え込もうとする。小黒は逃げようとするが簡単には逃げられない。二人は長い旅先で次第に心を通わせて行く。そんな時、風息は必死で小黒の居場所を探す。

小黒は凄い能力を秘めている。その能力とは、何故風息は小黒を必要とするのか、そして無限は無事に「館(やかた)」にたどり着くことが出来るのか。日本語吹き替え版の主題歌LMYKの「Unity」が素晴らしい、このドラマにぴったりだ。

その後のストーリーとネタバレ

小黒と無限は海を渡り、陸を歩き、そして地下鉄に乗って「館」を目指す。ところが彼らの前に風息たちが現れ、小黒を奪う。風息は小黒の能力を吸収する。風息は妖精の能力を吸い取る力を持っていたのだ。能力を吸い取られれば小黒は死んでしまうかもしれない。

風息が奪った能力は「霊域(領界)を外部に向けて解放することの出来る力」だった。風息は都市部に「領界」をどんどん広げてゆく。この「領界」の中では彼の力は絶大だ。

無限は風息と戦うが「領界」の中では歯が立たない。このままでは無限が倒されてしまう。そんな時、奇跡が起こる。命を落としたと思われた小黒が甦り、「領界」の中に現れる。小黒はここでは無敵だ。無限と力を合わせて風息を倒す。風息は自分の体を「木」へと変えてゆく・・・最後に残された力だ。

無限は小黒を「館」にあずけるようとするが小黒は一緒に旅がしたいと無限に抱き着く・・・。

レビュー

この映画を見ると中国アニメがかなりのレベルにあることが分かる。残念ながら日本のアニメが完全にパクられている。今後、この分野でも中国は脅威になってくると思う。日本もうかうかしてられない。

西洋の文化と違って中国は日本と近い、東洋だ。だから日本のアニメを移植し易いと思う。黒猫の小黒が可愛い。監督のMTJJは手書き2Dアニメにこだわる。僕らはジブリのような手書き映像が好みだ。なんとなく温かさが伝わってくるからだ。

今年はアニメの当たり年だ。「鬼滅の刃」がこれだけヒットするとは誰も予想できなかった。多分、来年日本のアニメが世界中で大ヒットしているかもしれない。楽しみだね。

TATSUTATSU

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