ミステリー小説

ミステリー小説「入ったら出られない禁足地がある」樹海や山奥には人が忽然と姿を消すエリアがある

ストーリー


ロシアのアンドレイ・タルコフスキー監督の名作「ストーカー」(1979年)のなかで「地球上に突然現れた場所ゾーン」が出てくる。このゾーンと呼ばれる特別な地域が何故出来たのか誰も知らない。一説には隕石が落下したところが起点となって広がったと言われている(宇宙人が作ったのか)。

政府は調査のために軍隊を送り込んだが誰一人戻ってこなかった。ここには様々なトラップが仕掛けられており、これらの犠牲になったと推察している。この地域は政府によって厳重に警備されている。

「ストーカー」(密猟者)と呼ばれる男が二人の依頼人から案内料をもらって、ゾーンへ密かに忍び込む。依頼人の一人は「科学者」もう一人は「作家」と名のる。ゾーンの奥には「部屋」と呼ばれる場所がありここに入れば「願いが叶う」と言われている。

果たして3名は「部屋」に入ることが出来るのか、そして彼らのそれぞれの目的とは・・・。

Stalker | Trailer | New Release

 

また、映画「アナイアレイションー絶滅領域ー」(2018年アレックス・ガーランド監督)では「シマー(光)」と呼ばれる謎の空間エリアXが広がって行く。「シマー(光)」は止める手立てがない。

この空間の起点はやはり隕石が落下した地点(灯台)だ。ここは「多次元世界」「宇宙からの侵略」「超常現象」・・・なんにも分かっていない。女性だけの調査隊がこの中に入ってゆくがそこには想像を絶する何かが待ち受けていた・・・。

『アナイアレイション-全滅領域-』予告編

 

人が入ってはいけない「禁足地」は世界中に多数存在する。歴史や宗教的な理由により入ることが出来ない。また、自然保護の観点から靴底についてた植物の種や雑菌が希少種を絶滅させかねない・・・許可制の「禁足地」もある。

しかし、これとは別に入ってはいけない場所がある。間違って入ったら二度と戻れない。例えば富士の樹海、ここでは多くの人が亡くなっている。世界的にも有名で映画も作られている・・・「追憶の森」。

北海道の知床岬、ここにはヒグマが生息しており、テントの使用自粛が呼びかけられている。また、上川町には有毒ガスが発生する場所があり。過去に学生が犠牲になっている。

群馬県の谷川岳は「魔の山」と呼ばれ、既に800人以上の登山家が犠牲になっている。2000m程度の山がなぜこれほど多くの犠牲者を出すのか。そこには得体の知れない「悪魔」でも住んでいるのか。

その他には沖縄県などにも「禁足地」がある。この禁を犯せば地元の人や不思議な力によって罰せられる。有名どころは多くの人の知るところなるが恐ろしいのは、公表されていない場所だ。

これは非常に恐ろしい、知らない人が多いだけに間違って入ってしまうこともある。何が、何のために「禁足」なのか公になっていない。万一そこに踏み込んでしまったら、自分に災いが降りかかるかもしれない。

僕は一度、遭難しかけたことがある。有名な山は一通り登り切り、秘境の山を目指した時期があった。2000m程度の大した山ではないのだが自分を過信していた。

いつもは登山道を通って頂上に登るのだが、ショートカットしようと道なき道を進んだ。俗にいう「藪漕ぎ」だ。自分の背丈よりも高い藪をかき分け登るのだ。ところが運悪く道に迷ってしまった。行けども行けども頂上に着かない・・・内心焦りまくった。

慎重に歩かないと崖から転落する危険性がある。徐々に日が暮れて来る。足元が見ずらい、ランプを頭に付けて登るのだが沢に迷い込んだ。当然、登っているどころではない早く下山しなければ命が危ないと感じた。

急いで下山するがさらに迷う。こんなところでテントなど張れない。クマが出る可能性があるからだ。クマよけの鈴を鳴らしながら懸命に歩いた。

下の方に集落の灯りが見えた。何とか助かった・・・安堵したとたん体の力が抜けそこにへたりと座ってしまった。そこに5分程、居たのかもしれない。僕の背中の方から「何か得体の知れないモノ」が追っかけてくる気がし、全身鳥肌が立った。

そこからはどう帰ったのかよく分からないが気が付いたら登山道の入り口にいた。入り口には鳥居が建っていた。振り返ると「山」が鳥居の近くまで追っかけて来たような気配があった。ここは「禁足地」なのか。知らない間に「入ってはならない場所」に迷い込んでいたのだ。

よく考えると、山の中腹あたりをぐるぐると何回も回っていたようだ。一度入ったら出られない。しかし、「山」は何故、僕を見逃してくれたのか・・・いまだに分からない。

「山」の何かに好かれたのかもしれない。それは今でも僕に憑りついているような気がする。暫くしてから、ある「神話」を聞いた、「女の山の神」が気に入った男に憑りつく話だ。憑りつかれた男が最終的にどうなったかの記述はない・・・。

TATSUTATSU

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