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「ブレードランナー」映画の感想と徹底解説:デッカードはレプリカントなのか?


サマリー

1982年日本公開のアメリカ製作 SFサスペンス映画(サイバーパンクの草分け)
監督 リドリー・スコット(エイリアンブレード・ランナーブラック・レインブラックホーク・ダウンプロメテウスエクソダス:神と王
原作 フィリップ・k・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
出演 ●ハリソン・フォード(スター・ウォーズシリーズブレードランナー、インディ・ジョーンズシリーズ、パワー・ゲームアデライン
●ルトガー・ハウアー(ブレードランナー、ヒッチャー、ザ・ライト
●ショーン・ヤング(ブレードランナーデューン
●ダリル・ハンナ(ブレードランナー、スプラッシュ、キル・ビルVol.1、キル・ビルVol.2)
●エドワード・ジェームズ・オルモス(ブレードランナー、グリーン・ホーネット)
●ブライオン・ジェームズ(ブレードランナー、フィフス・エレメント)
●ジョー・ターケル(ブレードランナー、砲艦サンパブロ)
●ジョアンナ・キャシディ(ブレードランナー)

BD【予告編】『ブレードランナー ファイナル・カット』9.20リリース HD

BD【予告編】『ブレードランナー ファイナル・カット』9.20リリース HD

続編の「ブレードランナー2049」だ。監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ(灼熱の魂、プリズナーズ、複製された男ボーダーラインメッセージ、ブレードランナー2049)、リドリー・スコットは製作総指揮にまわっている。

映画『ブレードランナー 2049』予告3

映画『ブレードランナー 2049』予告3

近々「ブレードランナー2049」が封切られる。この映画は今から35年前の「ブレードランナー」の続編にあたる本作の映画を見ておくことをお薦めする。続編の舞台は30年後(2049年のアメリカ・ロス)の荒廃した世界だ。

ブレードランナーのブレードは刃(やいば)のことだ、刃の上を走る男とも言える。ここから連想するのは危険な仕事つまり常に命を懸けている「賞金稼ぎ」と言う意味のようにとれる?

実際には、リドリー・スコット監督がナースとバロウズの小説「ザ・ブレードランナー」「映画:ブレードランナー」から取ったと言われている。ナースの小説の中で闇の医療器具を販売する業者を「ブレード(メス)ランナー(運び屋)」と呼んでいる。

主人公のリック・デッカード(ハリソン・フォード)は宇宙開拓の最前線から地球に逃げ帰ってくるレプリカントを処理する専任捜査官だ。レプリカントとは遺伝子工学で作られた人造人間のことで、タイレル社の「ネクサス6型」は知性・体力ともに人間をしのぐ。

彼らは危険な仕事に人間の奴隷として働かされる。しかし彼らは生まれてしばらくすると自我が目覚めるようだ。そして寿命が尽きて死んでゆく仲間たちを見て、自分たちはもっと自由に生きたいと脱走して地球人に紛れ込む。

レプリカントと人間を外観では区別することは出来ないから、フォークト=カンプフ検査によって区別する。レプリカントの寿命は4年とされている。だから彼らは経験が少なく、植え付けられた記憶と実際に体験した経験との間には微妙なズレがある、その差をブレードランナー達は見抜く。

原題の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は色々な解釈がある。僕が考えるに、レプリカントと人間との間には差がない、彼らは人間のように夢を見ることができるのか? 或いは、原作に於いて、デッカードはペットとして電気羊(名前:グルーチョ)や本物の山羊を飼っている。

この原作の世界では、人々は孤独で寂しいのか皆が電気ペットを飼っている。レプリカント達も同じ感情を持つのであればペットを飼いたいと思っているのか? 映画の中ではレプリカントのゾーラ(ジョアンナ・キャシディ)が大蛇を飼っている・・・。



フィリップ・k・ディック

原作者のフィリップ・k・ディックは映画が完成する少し前に亡くなっている・・・不運だね。彼の作品は「トータル・リコール」、「スキャナー・ダークリー」、「マイノリティ・リポート」、「ペイチェック」などかなり映画化されているけど生前はあまり裕福ではなかったらしい。


リドリー・スコットとハリソン・フォード

今ではサイバーパンクの古典として評価の高い映画だけど、1982年公開当時、日本ではスピルバーグの「E.T.」が大人気で、これに押されて大コケだった。あまりに内容がカルト的、前衛的、先進的過ぎたのか、その後ビデオが発売されて人気に火が付いた。


シド・ミード

監督のリドリー・スコットとしては「エイリアン」の大ヒットで世界中に名が知られ、満を持しての次回作だった。今、見返してみると監督のセンスの凄さが際立つ、それに未来カーや未来都市をデザインしたシド・ミードやシンセサイザーをうまく映画音楽に生かしたヴァンゲリスなど大ヒットしてもおかしくない要素を含んでいた。

映画の中の未来都市は新宿の歌舞伎町をイメージしたもので、東洋文化、日本食、漢字など欧米人にはクールにとらえらたと思う。残念ながら僕ら日本人にはやや陳腐に見えたようだ。

続編では、これは僕の想像だけど人間とレプリカントとの闘いが描かれているんじゃないだろうか。そしてよく議論に出て来る デッカード⇒レプリカント説にも結論が出て来るように思う。続編の主役ブレードランナー エージェント「K」(ライアン・ゴズリング)は人間なのか・・・楽しみだね。ショートムービーが公開されているから必見だ。

Exclusive: Blade Runner 2049 Short Film Reveals What Happened in 2036

Exclusive: Blade Runner 2049 Short Film Reveals What Happened in 2036

このショートムービーは3作有り、残り2つも順次公開される。2023年にレプリカント禁止法が制定されて、2036年ではこの法律をウォレス(ジャレッド・レト)が撤廃しようと強行する様子が描かれている。ウォレスは盲目なのか、それともそれを装っているのか・・・。

さらに新しいムービーが入ってきた。廃墟のようなところで多くの子供たちが働かされている。この映像は何を意味するのか・・・。

'Blade Runner 2049' First Clip — "Bigger Than You"

'Blade Runner 2049' First Clip — "Bigger Than You"

「ブレードランナー2049」の予告編では、「これが表に出ると戦争が起きる」「これが世界を滅ぼす」「我々の未来があばかれようとしている」・・・などとんでもない秘密が隠されている。この秘密を握っているのがデッカードなのか・・・彼は誰から追われていたのか?。

デッカードが姿を消してから、大停電(ブラックアウト)が起こり、そののち食糧難の時代が来る。それを救ったのがウォレスの会社で、レプリカントを作らないと人類が生存できないと政府に脅しをかける。

旧作の「ブレードランナー(ファイナル・カット)」のスジを少し紹介すると、2019年 地球は環境破壊が進み人類の多くは宇宙に移住してしまっている。地球に残された人間は酸性雨の降りしきる過密都市に押し込められるように住んでいた。

宇宙開拓の危険な前線では遺伝子工学によって作られたレプリカントが人間の奴隷として働かされていた。彼らは生まれて数年すると自我が芽生え、宇宙基地から脱走して生まれ故郷の地球に戻ってくる。

彼らは体力・知性は人間より優れ、外観で彼らを見分けることが出来ない。しかし彼らを見分け処理(殺害)することの出来るブレードランナーと呼ばれる専任捜査官が地球には居る。

ブレードランナーのリック・デッカード(ハリソン・フォード)は4体のレプリカントの処理を任される。彼はレプリカントを作り出したタイレル社の社長に会う。彼を出迎えてくれた社長秘書レイチェル(ショーン・ヤング)が新型のレプリカントであることを見破る。

デッカードはレプリカント達が地球に戻ってきた理由を知ることが出来るのか、そして彼らを処理(殺害)できるのか・・・。

原作との違い

原作ではリック・デッカードは一日に6体のアンドロイド(レプリカント)を処分(殺害)する・・・映画では4体。リックは結婚しており、妻の名はイーランだ。彼はアンドロイドではないのだが、彼らと関わることによって「ひょっとしたら自分もアンドロイドではないか」と混乱する(実際にリックと同じ職業のアンドロイドがいる)。

アンドロイドを製造している会社ローゼン協会はネクサス6型のレイチェルをリックに検査させる。彼はレイチェルがアンドロイドであることを見破る・・・この部分は同じ。でもローゼン協会は識別不可能なアンドロイドを製造しようと企んでいる・・・識別不可能になるまで改良するつもりだ。

リックとレイチェルはセックスはするが恋愛関係にはない。リックはアンドロイド3体を処分した懸賞金3,000ドルを頭金にして本物の山羊を買う。でもその山羊はレイチェルに殺される。失意のリックは砂漠でヒキガエルを見つけ興奮して家に持ち帰るが、そのカエルは電気仕掛けだった。

かなりマニアックな内容だけど、その中からエキスだけを上手く抽出して名作映画に仕上げている点はリドリー・スコットの才能の凄さを感じさせる。当然ゼロからSF小説を作り上げたディックも賞賛に値する。

ストーリー

2019年のロサンゼルス、4体のレプリカント(バッティ、プリス、リオン、ゾーラ)がスペース・シャトルを乗っ取って地球に舞い戻ってきた。シャトルの人間は無残にも皆殺しだ。4体を処分(殺害)するようにブレードランナーのリック・デッカードがよばれる。

警察署の幹部H・ブライアント(M・エメット・ウォルシュ)はまず手始めにレプリカントを製造しているタイレル社の社長(ジョー・ターケル)に合いに行けと言う。

タイレル社長はデッカードに自分の秘書レイチェル(ショーン・ヤング)にレプリカントを見分けるフォークト=カンプフ検査をやって欲しいと言う。彼はレイチェルを検査すると彼女もレプリカントであった。レイチェルは自分がレプリカントではないかとひどく動揺する、そんな彼女にデッカードは惹かれる。

レプリカントが潜んでいたと思われるホテルをデッカードは捜索する。浴槽で「うろこ」のようなものと机の引き出しから彼らの写真と思われるものを押収する。

彼は「うろこ」を分析させると人造の「蛇」であることが分かる。また押収した写真からある女が映っているのを発見する。これらをたどって行くとあるショーパブに行き着く。

そこにはゾーラ(ジョアンナ・キャシディ)と言う蛇を操る、ショーダンサーがいた。彼女の尋問途中、突然襲われ、彼女は町の雑踏の中に逃げる。デッカードはゾーラの後を追跡し、射殺する。

彼は昨日、自分のところに来たレイチェルに逢いたいと電話を架ける。彼女にはタイレル社長の姪の記憶が埋め込まれ、子供の時の写真まで持たされていた・・・タイレルはひどい奴だ。

そんなデッカードの前にリオン(ブライオン・ジェームズ)が現われ、「ゾーラの仇だ」と彼を痛めつける。そして殺されようとしたとき、リオンの頭が吹っ飛ぶ・・・レイチェルが銃を持って立っていた。

レイチェルはタイレル社から逃亡してきたようだ、今では彼女までもが処理の対象になっていた。デッカードは命の恩人の彼女を自分のマンションに匿い、深い中になって行く。

バッティ(ルトガー・ハウアー)とプリス(ダリル・ハンナ)はレプリカントの眼球作成技師チュウ(ジェームズ・ホン)を脅し、タイレル社長に近いJ・F・セバスチャン(ウィリアム・サンダーソン)技師を知る。

二人はセバスチャン宅を訪問し、タイレル社長に会わせろと脅迫する。セバスチャンは仕方が無くタイレル社長にバッティを面会させる。彼は自分がレプリカントであり、タイレルをファーザーと呼ぶ。そして自分の命はあと少ししかない延命してほしいと懇願する・・・これが彼らが地球に戻ってきた目的だ。

タイレルはバッティに「色々と延命方法を考えたが、現状では不可能だ。残り少ない命を楽しめ」と突き放す。すべてを知ったバッティはその場でタイレルとセバスチャンを殺害する。

この情報はデッカードに届き、彼はセバスチャンの自宅を捜索するために急ぐ。そこにはプリスが人形に化けて潜んでいた、彼はレプリカント達との最終決戦に突入してゆく・・・。

ネタバレ

突然、人形が動きだしデッカードを襲う。プリスが正体を現す、ひるんだ彼を殴りつけ、太ももで頭を締め付け上げる。あわやと思った瞬間、プリスの動きがぎごちなくなる・・・寿命が近づいたのか?。デッカードはブラスター(特殊な拳銃)を拾うと彼女を撃ち殺す。

そこにバッティが現われ、動かないプリスを見て嘆き悲しむ。そしてデッカードとの最後の対決に臨む。腕力や敏捷さではデッカードを上回る能力を持つバッティは彼をネズミのように追い詰める。

バッティは壁を壊しデッカードの腕をつかむと「仲間のかたきだ」と言って指の骨を折る。デッカードは苦痛に声を上げ建物の屋上へと逃げ回る。なんとか屋上に逃れたデッカードは隣のビルに飛び移るが、跳躍が足りず突き出た鉄骨につかまるのが精一杯だ。

鉄骨に両手でぶら下がるが、手がしびれて屋上から転落かと思われた瞬間、バッティに助けられる。彼の命は幕を閉じようとしていた。何故、憎いデッカードを助けたのか・・・死に物狂いで逃げ回る彼を見て「命」の大切さを感じ取ったのか?或いはデッカードに自分自身を見たのか?

バッティは手に持った白いハトを大空に解き放つと動かなくなった・・・短い生涯を閉じた瞬間だ。暫くしてスピナー(飛行車)に乗ったガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)が現われる。彼は一言「惜しいですな、彼女(レイチェルのこと)は」とささやいてその場を去る。

デッカードは自分の部屋に戻るがベッドで寝ているレイチェルを見て安心する。彼は彼女と一緒に逃亡しようと決心する。ところが部屋のドア近くに折り紙で作ったユニコーンを見つける。ガフはこの部屋に来たのだ、そしてレイチェルを見逃してくれたのか?二人は部屋を出てエレベーターに乗り込む。

レビュー

「ブレードランナー」には5つのバージョンがある。僕が最初に見たのは「完全版」と呼ばれるインターナショナル・バージョンだと思う。この時点ではデッカード⇒レプリカント説は無くて、人間としての彼が描かれている。(原作でも彼はレプリカントではない)

「完全版」はハッピイエンドで終わる。デッカードとレイチェルがスピナーに乗って逃避行を続けるシーンで終了だ。ハリソン・フォードがエンディングで「レイチェルは4年の寿命ではなく、永遠の寿命を持っていた」とナレーションを入れている・・・僕はこの結末が好きだね。

その後リドリー・スコットはデッカード⇒レプリカント説を強めてゆくような演出をする。ディレクターズ・カット版では、彼がユニコーンの夢を見るシーンが追加されている。そしてこのファイナル・カット版ではリドリー自身でさらに再編集がなされ高画質にもなっている。

デッカードはレプリカントなのか・・・。彼はより人間に近い「ネクサス7型」を提唱する人がいる。デッカードはユニコーンの夢を見る、そしてガフは折り紙で作ったユニコーンを部屋に置いてゆく。デッカードの夢をガフは何故知っているのだろうか?

ガフはレプリカントとしてのデッカードの管理者なのか、それともデッカードもガフもレプリカントなのか?デッカードはレプリカント特有の「赤目」のシーンや昔の家族の写真を見るシーンがある。そしてデッカードがレイチェルに惹かれた理由も説明できる。

まあ、とにかく「ブレードランナー2049」で結論が出ると思うよ。(追伸:次回作でもデッカードがレプリかどうかはあやふやにされている。そして3作目もひょっとしたら作られるかもしれない。)

TATSUTATSU

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