ストーリー
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新人類が現れたのは何年前だろうか?これだけ短期間に我々ホモサピエンスを追い詰めるとは全く予想外だった。今年は西暦2180年になる。
2020年ごろから始まった局地戦争は少しづつおさまったかのように思われたがじわじわとくすぶり続け100年も続くとは思わなかった。
こんな時期と重なるようにアフリカ地域で少し体が緑色の子供が多く生まれるようになった。彼らは突然変異なのか、それとも「宇宙人による遺伝子操作」なのか。
彼らは成長が早く、高いIQを持っている。とにかく考え方に無駄がなくスマートだ。彼らが成長して社会の隅々に分散される。彼らの洞察力は凄い、相手の心が読めるようだ。
当然のことながら出世のスピードは速く、政財界を50~60年程度で牛耳ってゆく。彼らの人口は数千万程度だが富は全世界の2~3割くらいあるだろう。
暫くして彼らのリーダーが現れた「ラゴス」という男だ。このリーダーのもと、結束し、一つの国のように行動するようになる。
彼らは南極に広大な土地を所有し、特殊ガラスで覆われた巨大なドームをいくつも建設する。その中で色々な研究を行い。数多くの特許を有した。その中のいくつかを公開し、莫大な特許料を得てゆく。
低温核融合炉、量子コンピューター、高密度半導体、体内埋め込み型デバイス・・・きりがない。しかしこれらのものは彼らにとって使い古しでしかない。
彼らは既に常温核融合炉を実用化しているし、自己増殖型バイオコンピューターも有している。そして局地戦争が全世界に広がり「核戦争」となる。80億人近かった人類が半分程度になってゆく。
さらにコロナに似た感染症が猛威を振るう。これをスーパーコロナと呼ぶ。死者が急増し、世界人口が10億人を切ってしまった。世の中の秩序は乱れ、生き地獄のようになってゆく。
「ラゴス」をリーダーとする新人類は南極に避難し、世界が落ち着くまで静観を決め込む。そのようにして彼らはどんどん世界を支配してゆく。
現代人は辺境に移動し活路を見出す。主要都市はほとんど核ミサイルでやられている。空も土壌も水も放射能で汚染されてゆく。
日本だけが周りを海に囲まれているため、被害が少ない。しかし、首都はミサイルによって大きな被害を受けている。世界中の難民たちが日本になだれ込んでくる。この日本でさえ混沌とした状況だ。
この頃になると新人類たちは、世界征服の野望を隠そうともしない。どんどん世界を手中に収めてゆく。もう、彼らにとって敵はいない。
日本に押し寄せた難民のなかに元CIAの分析官がいた。彼の話によると、核戦争及びパンデミックは新人類が仕組んだものだと言う。現代人を徹底的に地上から排除したいようだ。
これは都市伝説かもしれないが、亡くなった人々を巨大な窯に入れ溶かす。そしてそれらをバクテリアに食わせ、その繁殖したバクテリアから食料を量産している・・・核汚染された土壌での農業は無理だ。
ところが日本人及び日本列島には何故か彼らの手が及ばない。非常に不思議た。日本には5000万人ほどが自給自足的な生活で生き残っている。米を作って、海で魚を獲る・・・何とか生きて行ける。
何故日本人が生き残れたのか、色々な説がある。まず、日本人が生まれながらに持っているDNAの中にパンデミックに強い遺伝子がある。確かに欧米では致死率50%だが我々は10%程度しか亡くなっていない。
また、資源が無いから、加工業が盛んだ。つまり原材料を輸入してそれを加工することにたけている。低温核融合炉の導入も早かったし、世界中を支えている高性能半導体工場も数多い。さらに、軍備も攻撃型兵器は少ない代わりに、ミサイル防御システムが充実している・・・相当数のミサイルを迎撃している。
これは僕の推論だが、日本人はドンクサイ。敵国から押し付けられた法律を何百年にもわたって守っている。こんな愚直な民族、滅ぼすに値しないのではないか。新人類は劣った僕らを生かすことによって「優越感」を得ているのか。或いは、「反面教師」にしているのかはたまた「僕らを無能なペット」としてみているのか。
新人類は比較対象が欲しいのかもしれない。日本を見て我々がどれほど進んでいるかを測る尺度にしている。ネアンデルタール人がホモサピエンス(我々現生人類)と1万年も共存していたとの説がある。現代ではネアンデルタール人は絶滅している。これと同じように我々は新人類と共存することが出来る。
しかし、将来新人類の中にスーパー新人類が現れると僕は考えている。地球の寿命は永遠ではない、太陽系が滅亡しつつある場合、母なる大地、地球を飛び出してゆく種族が必ず現れる・・・僕はそう考えている。
新人類だってこの先生き延びれるか分からない。数千年・・・数万年経ったら残っているのはどちらだ。僕らのようなドンクサイ種族がひょっとしたら生き延びるかも。
TATSUTATSU
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