ストーリー
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この映画「エクソシスト」(1973年アメリカ製作)は何回見てもちびりそうだ。しかし、これはれっきとした実在の出来事をもとにしている。それは「メリーランド悪魔憑依事件」と言われるもので、今からかなり以前1940年代の出来事だ。
14才の少年が悪魔に取りつかれたのことで、神父(エクソシスト)に悪魔祓いを依頼した。少年の体に文字が浮かび上がったり、ポルターガイスト現象が生じたり、少年の異常行動があったそうだ。
エクソシストは悪魔祓いに数か月を要し、少年は回復した。色々な解釈があって、少年には「てんかん」や「統合失調症」などの持病があったことから、「病気説」も考えられた。
それからもう一つ、1975年「アンネリーゼ事件」がドイツで起こっている。彼女は精神病に悩まされ、色々な治療がほどこされたが悪くなるばかりだった。
彼女は非常に信心深い女性(カトリック教徒)だったが、「呪われている」「腐ってゆく」などの幻聴が聞こえるまでに追い詰められてゆく。そのうち十字架や聖水に拒否反応を示すようになった。彼女や家族は「悪魔にとりつかれている」と信じた。
彼女の異常行動はエスカレートする。自分の尿を飲んだり、虫を食べたりと、自己損傷に向かう。そして彼女自身から「悪魔祓い」を神父に要求するようになる。
神父たちは1614年版の「悪魔祓いの儀式」に則り、秘密裏に儀式を行う。儀式は10か月にも及ぶ。その間、彼女は一切の食事を拒否し、その結果体重は30Kgまで落ち1976年7月に死亡した。極度の栄養失調が死亡の原因とされた。2005年にこれをモチーフにした映画「エミリー・ローズ」が作られている。
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この事件は映画「エクソシスト」(1973年アメリカ製作)の影響を受けていると、僕は考えている。そして「悪魔祓い」を行った神父たちは裁判で裁かれている。その後、ドイツでは悪魔祓いの儀式が激減した。
現代では「悪魔祓いの儀式」は古臭く、インチキではないかと考える人が多い。しかし、この儀式が無くなっているのかと考えると、逆に増えているのではないかと言われている。表立って公表されていないだけだ。
その証拠に、イタリア・フランス合作の映画「悪魔祓い、聖なる儀式」(2016年)を見てほしい。
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この映画は「イタリア・シチリア島で行われている悪魔祓いの儀式とエクソシストの日常を記録した」ドキュメンタリーだ。シチリア島で有名なエクソシスト、カタルド・ミリアッツオ神父のもとに「悪魔祓い」が殺到する。
信者たちは色々な治療を試みるが最終的には教会を頼る。教会は最後の砦なのだ。神父は一日中、必要とあらば「悪魔祓い」を行い、時間が無ければ携帯電話を通じて儀式を行う。
日本においても祈祷師(エクソシスト)にお願いする機会は多い。家を建てる前に「地鎮祭」を行って土地を清める。安産や合格祈願、厄除けなども自分自身でもしょっちゅう行ってもらっている。
動物の中で宗教を信じるのは人間だけだ。宗教は精神を助けたり、場合によっては破壊もする。僕はサラリーマン時代、ある販売営業所で「お祓い」が行われたことを聞いている。
その営業所では立て続けに多くの人が亡くなっている。不慮の事故、病気、自殺だ。ところが「お祓い」してもこの「死の連鎖」は止まらなかった。さらにその後1名亡くなっている。
そして、友人からもこんなうわさを聞く。ある会社のある場所で自殺者が多く発生する。その原因は不明だ。有名な神社の神主さんに「お祓い」をお願いしたとのことだ。ところがこの死の連鎖は止まらない。一年後に自殺者が出た。
「お祓い」が弱いのか、それとも怨念が強いのか。「残穢」ざんえと読む言葉がある、土地に残るケガレのことだ。ある土地をさかのぼって調べてゆくと、かつてそこでは惨劇があった場所であることが分かる・・・「死の連鎖」の原因はそこにあるのか。
現代の「生きにくい世の中」にあって、精神の平静を保つのは至難の業だ。どこで「死神」が狙っているか分からない。そう考えると「お祓い」は我々の唯一の逃げ道かもしれない。
僕は現在70才になる。2度ほど死にかけたから、死ぬのは怖くない。でも先日、友人の一人が突然亡くなった。長生きはしたいが、かといって一人残される老後も嫌だと思う。
晩節を汚さず「ぴんぴんころっ」或いは「ポックリ」逝く方が幸せかもしれないね。
TATSUTATSU
以下のミステリー小説も見てね。
「僕の金縛り体験記」
「連鎖する惨劇」
「クリスマスの雪女」
「幽霊が見える男」
「緑の少年」
「真夜中の鏡の怪」
「死相が顔に現れる」
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