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映画[ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦]感想・評価‐残酷すぎてもう二度と見たくない

サマリー


2017年8月日本公開のチェコ・イギリス・フランス合作の戦争ヒューマン映画
監督・脚本・製作 ショーン・エリス(ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦
出演 ●キリアン・マーフィー(レッド・ライトインセプショントランセンデンスダンケルクハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦白鯨との闘い
●ジェイミー・ドーナン(マリー・アントワネット、ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦
●シャルロット・ルボン(イヴ・サンローラン、ザ・ウォーク)
●トビー・ジョーンズ(裏切りのサーカスレッド・ライト
●ハリー・ロイド(博士と彼女のセオリーハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦

キリアン・マーフィ×ジェイミー・ドーナン!映画『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』予告編

 

映画を見終った後、しばらく立てなかったほどの衝撃を受けた。もの凄く残酷で壮絶で心を揺さぶるドラマだ。実話をベースにしているとのことだが、登場人物たちが次々自決をしてゆくシーンには心が痛くなる。

特にナチによる無防備な青年への激しい拷問は観るに耐え難い。もの凄くいい映画なんだけど二回観るかと言われれば、辛くて「NO」と答えるしかない。

2017年のチェコ・アカデミー賞で作品賞、監督賞など14部門にノミネートされた超話題作だ。監督・脚本のショーン・エリスはこの映画の構想に15年費やし、撮影も現地プラハでのオールロケを敢行している・・・彼の才能は凄い。

俳優も「ダンケルク」のキリアン・マーフィーと「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェイミー・ドーナンのダブルキャストだ・・・配役も申し分ない。

第二次世界大戦においてベーメン・メーレン保護領(現在のチェコ共和国領)の副総督ラインハルト・ハイドリヒ暗殺「エンスラポイド(類人猿)作戦」の映画化だ。

ハイドリヒはナチスのヒトラー、ヒムラーに続くナンバー3と言われるほどの実力者で30代の若さでナチス親衛隊大将になっている。彼はユダヤ人大量虐殺の首謀者で、その冷酷さから「金髪の野獣」「プラハ屠殺者」と言われた。


キリアン・マーフィーとヨゼフ・ガプチーク曹長

イギリスに亡命しているチェコスロバキア政府から二人の軍人が派遣される。二人は夜間にパラシュートでチェコに侵入する。ヨゼフ・ガプチーク曹長(キリアン・マーフィー)とヤン・クビシュ軍曹(ジェイミー・ドーナン)だ。


上段右から二人目が「ヤン・クビシュ軍曹」

二人は車でプラハに向かい、抵抗組織インドラーの幹部、ヴァネック(マルチン・ドロチンスキー)とハイスキー(トビー・ジョーンズ)に合流する。

ヨゼフとヤンの使命(ラインハルト・ハイドリヒ暗殺)を聞いた幹部たちは一様に驚く。ハイドリヒを暗殺することによって、ヒトラーはこの町を潰そうとするだろう。関係者全員皆殺しになる、本部にもう一度確認の連絡を取れと二人にせまる。

二人はモラヴェツ家に匿われる。マリー・モラヴェツ(アレナ・ミフロヴァー)と息子のアタ(ビル・ミルナー)は抵抗組織の一員だ。この家で二人は美しい娘マリー・コヴァルニコヴァー(シャルロット・ルボン)に出会う。

ヤンとマリー・コヴァルニコヴァーは恋人のようにふるまい、マリーの友人レンカ(アンナ・ガイスレロヴァー)とヨゼフはペアを組む。恋人のふりをすればドイツ兵に怪しまれない。街をカップルで歩き作戦の下準備を整えてゆく。

この緊迫した情勢の中でヤンとマリーは愛し合い、結婚の約束をする。ヨゼフが亡命政府に送った返信には「暗殺決行」とあった。ところがヴァネックに届いた返信には「暗殺中止」とあった。彼は最後まで「暗殺」に反対する。

ヨゼフとヤンの腹は「暗殺決行」に決まった。ハイドリヒの宿舎から本部への車の移動時が何故か護衛が少ない、ここが狙い目だ。ところが、ハイドリヒのベルリンへの帰還命令が急きょ出たとの情報が入ってくる。決行のチャンスは明日しかない・・・。

ヤンは至近距離で人を撃ったことが無いと緊張のあまり過呼吸になる。ヨゼフは安心させるようにヤンを抱きしめる。二人とも緊張が極限に達する。本部から万一のための自決用青酸カリカプセルが送られてくる。この作戦は命がけだ、一人ひとりカプセルを受け取る。

夜が明けた、ヨゼフが家を出ようとしたところレンカが待っていた。ヨゼフは彼女に口づける。果たして「暗殺」は成功するのか、ヨゼフとヤンそして支援部隊は配置についてゆく・・・。

ネタバレとレビュー

ハイドリヒを乗せたベンツが近づいて来る。仲間の車が通行を邪魔するように前を横切り標的を減速させる。さらに減速しながらカーブを曲がったところにヨゼフが短機関銃を持って立ちふさがる。ところが弾が内部に挟まったのか撃つことが出来ない。

とっさにヤンが手榴弾を投げつける。ハイドリヒは重傷を負いながらもヨゼフ達を狙って拳銃を撃つ。仲間たちは散り散りになって逃げる。

この瞬間からプラハの街は封鎖され、ナチス親衛隊が実行犯たちを血眼になって探し始める。ヨゼフとヤンを含めた7名の暗殺部隊は聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂の地下納骨堂に身をひそめる。

ところが暗殺部隊のカレル・チュルダ曹長がナチの報復を恐れ、ゲシュタポに自首してしまう。これによって暗殺部隊を支援していたモラヴェツ一家が摘発される。

マリー・モラヴェツは息子のアタの命乞いをするが、自分自身は青酸カリカプセルを噛み砕いて自決する。アタはゲシュタポの激しい拷問に耐え兼ねて、暗殺部隊が潜む教会をもらしてしまう。

教会は700名以上に親衛隊によって取り囲まれる。ヴァネックとハイスキーが暗殺部隊の救出に向かったが既に手遅れだった。

抵抗組織インドラーの隊員たちの一斉摘発が始まる。連絡係だったレンカは逃げようとして射殺される。ハイスキーの隠れ家もあばかれ、彼も拷問を恐れ、カプセルをかみ砕いて自決する。そして多くの隊員たちが自決したり捕えられたりする・・・関係のない市民も巻き添えになる。


「ラインハルト・ハイドリヒ」

1942年5月27日に暗殺が決行され、重傷を負ったハイドリヒは6月4日に亡くなる。暗殺部隊は当初の目的を達成して安堵したものの、今度は自分たちの命がどうなるか分からない。


「聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂の銃弾の痕」

教会に親衛隊がなだれ込み二階に陣取ったヤン達3名と銃撃戦となる。銃撃戦は二時間にも及び彼らは負傷して死んでゆく。地下に潜んでいたヨゼフ達4名も激しく抵抗したが、水攻めに遭う。

もうこれまでかと判断した彼らは頭をぶち抜いて自決してゆく。ヨゼフは死ぬ前に光の中にレンカの幻影を見る。

史実ではヨゼフは薬を飲んで自決したと伝えられている。ヤンは銃撃戦で捕えられ病院で亡くなる。ヒトラーの報復は激しく、暗殺部隊を匿った罪で何カ所かの村が完全に破壊された。最終的には1万3000人もの人々が殺されている。

「エンスラポイド(類人猿)作戦」は成功したがその代償はあまりに大きかった。チェコを裏切ったチュルダは戦後ナチスに協力した罪で処刑された。

映画の中で印象に残っているのはハイスキーが青酸カリで自殺しようとする場面だ。彼は気が動転してカプセルを落としてしまう。それを拾おうと試みるが指先が震えて何度も取り損ねてしまう。

また、アタの拷問に於いてウイスキーを無理やり飲ませて酔わせ、母親の切断した生首を見せる。彼の神経はズタズタになる。なかなかこんなシーンは描き切れるものではない。

チェコスロバキアではヨゼフ達は英雄として、75年経った今でも賞賛され人々の心に残っている。

TATSUTATSU

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