ミステリー小説

ミステリー小説「トンネルの怪」真夜中に行ってはいけない、ここには何故か霊が集まりやすい

ストーリー


 

動画をどうぞ。

犬鳴村 予告 60秒

 

トンネルは不思議な世界だ。暗く、ジメジメし、音が響く、そして懐中電灯で照らせば何かがいるような感覚にとらわれる。トンネルの先には明かりが見えるが、そこへ続くのは異世界なのか。

例えば福岡県にある「旧犬鳴トンネル」では凄惨な事件が起こっている。1988年12月、5人のグループが若い工員をここで焼き殺す事件があった。何にも関係のない20歳の若者が暴行を受け殺される。さぞかし無念であったと思う。また、死体遺棄事件もあったようだ。

「トンネル」とセットで語られるのが、ダムに沈んだ「幻の村」だ。この村では、ここだけに残っている古い掟がある。この掟を破ればわが身に災難が及ぶとの言い伝えがある。つまり治外法権の地域なのだ。

次に石川県と富山県の県境にある「牛首トンネル」も心霊スポットとして有名だ。トンネル内で亡くなった女性の霊が現れる。また、トンネル内に安置されているお地蔵さんの目から血の涙が流れているのを見た方も少なからずいると言うことだ。

40年以上前に、ここで焼身自殺があった。さらにその関係者が近くの木で首をつっている。トンネルは今でこそ重機で掘削できるが、大昔には手掘りで苦労して掘っていたと聞く。当然事故によって亡くなられた人もいたはずだ。

僕がある知人から聞いた話を2点紹介する。1点目は心霊スポットめぐりを趣味にしていた男の話だ。彼は友人と一緒に、夜に車を走らせ近隣のスポットを巡るのがストレス解消となっていた。この日も、心霊トンネルをはしごしていた。

彼が気付いたのはそれから数週間後だ。首筋や肩がひどくこるようになった。時々、マッサージをしてもらっているがなかなか良くならない。ある日、洗面台で歯を磨いていると、自分の肩越しに何かが映っているのを見て腰を抜かした。

あまりの突然の出来事で気が動転し、その晩一睡もできなかった。彼は次の日有休をとり、祈祷で有名な神社を訪ねた。住職に事情を説明しお祓いしてもらったそうだ。

2点目は、僕の知り合いに「見える男」A君がいる。これは彼の話だ。彼はB先輩に最近特に違和感を感じてたそうだ。そして決定的な事件が起こる。A君はB先輩の肩越しに亡霊を見た。

亡霊は常に見えるわけではないが、今回の亡霊は特にはっきり見えた。そして、B先輩の肩にがっちり抱き着き、A君の顔をにらんだそうだ。彼はあまりの恐怖に声を上げそうになった。

A君はB先輩を打ち合わせ個室に呼び出し、正直に話したそうだ。B先輩も何らかの体調変化と違和感を感じていたらしく、すぐに除霊で有名な寺を訪ねてお祓いしてもらった。肩は軽くなり、体調も回復したとA君から聞いている。

これらの出来事が真実かどうか僕には分からない。例えば「コックリさん」でキツネに乗り移られたと奇声を発して暴れまわる同級生を見たことがある。彼は自己暗示にかかりやすい体質なのかもしれない。

そう考えると上記の現象は自己暗示によるものかも知れない。「心霊スポット」に行ったことによって、ひょっとしたら悪霊に取り憑かれたと自分で思ってしまう。

ただ不可解な点は、2点目の件だ。B先輩は「心霊スポット」に行っていない。そして「見える男」A君がはっきり亡霊を見ている。いったい何がB先輩に取り憑いたのか。

体が弱っている時、或いは繊細な神経の持ち主に取り憑きやすいのかもしれない。逆に僕のように鈍感な男には取り憑きがいが無いのかもしれないね。

 

TATSUTATSU

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