邦画

映画「仕掛人・藤枝梅安 第一作」感想・評価:善悪と生死の境界で生きる男たちの色気あるドラマ

サマリー


★★★★☆(見るべき名作)

2023年2月3日 日本製作 暗殺者サスペンスドラマ
監督 河毛俊作
脚本 大森寿美男
原作 池波正太郎
出演●豊川悦司
●片岡愛之助
●菅野美穂
●高畑淳子
●小林薫
●柳葉敏郎
●天海祐希

映画『仕掛人・藤枝梅安』予告編

 

メイキング映像をみていると細部まで良く練られていると感じる。

メイキング・オブ・映画「仕掛人・藤枝梅安」

 

池波正太郎によって50年前に書かれた原作が、今の時代に蘇る。全く古さを感じさせない。藤枝梅安=豊川悦司を通して僕らは男のロマン、ダンディズムそしてエロチシズムを体現できる。そこが大きな魅力の映画だ。

善悪の境界、生死の境界を行ったり来たりしながらスリリングに生きて行く。現代風に言えば梅安は「バットマン」につながるダークヒーローだ。お金をもらって殺人を行うが、あくまで殺す相手は「この世にいてはならない悪人」だ。そうでなければ自分の信念が続かない。

昼間は人々の体を治す鍼医だが夜になるとその鍼を使って多くの人を殺めてゆく。江戸時代の平均寿命は32~44才程度と言われている。だから若くして亡くなっても誰も不思議がらない。実際にこんな裏稼業があったのかもしれない。

ほとんどの場合、病死として片づけられる。そんな不確かな時代だ。江戸の夜は暗い、朝起きてみたら隣の人が亡くなっていても気が付くことは無い・・・そんなことを感じさせるほどリアルだ。

藤枝梅安は過去多くの俳優によって演じられてきた。その中でも今回の豊川悦司が最もスマートで色気がある。彼を配役に選んだ監督やプロデューサーの眼力に敬服する。

この映画は2部作だ。第一部が江戸を舞台にしているが第二部は京都になっている。今回は第一部を見た。映画を見ていると出てくる誰もが善人なのか悪人なのか・・・頭がくらくらするほど不思議な感覚にとらわれる。

ストーリーを少し紹介すると。品川台町の藤枝梅安(豊川悦司)は二つの顔を持っている。腕のいい鍼医でありながら裏の顔は「仕掛人」と呼ばれる暗殺者だ。

ある晩、仕掛けが終わって同じ稼業の彦次郎(片岡愛之助)の家に泊まる。彦さんは梅安にとって心を許せる唯一の友だ。その後彼は嘉兵衛(柳葉敏郎)から「仕掛」を依頼される。

相手は料理屋 万七の内儀おみの(天海祐希)だった。梅安は3年前に万七の前の女房おしずを仕掛ていた。彼は違和感を感じる。殺しの依頼者の身元を調べるのはこの稼業ではご法度だ。が誰なのかこっそり探ろうとするのだが・・・。

梅安は「仕掛」の標的おみのに会う。彼女の顔を見た時、それにくぎ付けになる。そして心の奥底から突き上げて来るものがある。大昔から知った顔だ・・・。果たして「おみの」の素性は。

時代劇だが、最新の技術が使われている。今回、「仕掛」に使うハリはあまりに細い、この細さでは画面に映らない。従って、CG加工されている。そしてワイヤーアクションも取り入れている。日本の四季の美しさ、その中で繰り広げられる死闘を上手く融合させている。

殺陣もふんだんに出てくる。これらは日本の「時代劇」を「アニメ」と同じように海外輸出をもくろんでいる。「時代劇」の日本市場はどんどん狭まっている。しかし、この素晴らしい作品を海外に広める糸口にしたいようだ。果たして成功するのか。

最後に、ドラマの中に出てくる料理が実に美味しそうだ。「鶏鍋」「湯豆腐」「酒の肴」、これを見ているだけでお腹が空く。帰りに蕎麦でも食べてゆきたいね。

「お酒と肴」

劇場は老人が多かった。僕の目には大変面白く、久しぶりに「時代劇」を堪能した。今回の出演者を見ると渋い芸達者な俳優をそろえている。中高年向きかもしれない。監督も言っていたがこの「時代劇」が現代の若い人たちに受け入れられるかどうかが正念場だ。

第二部が4月に封切りとなる。また、見たら報告するね。ところで映画が終わっても席を立たないように、予告編があるから。

 

TATSUTATSU

映画「仕掛人・藤枝梅安 第二作」感想・評価:どちらが生き残るか、最強の敵に対峙した男たちの命がけの戦い

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