サマリー
2014年公開アメリカのドラキュラ映画、監督はゲイリー・ショア、主演はルーク・エヴァンス(ホビット)である。原作はアイルランドの小説家ブラム・ストーカー「ドラキュラ」に基づいている。
「ドラキュラ」は吸血鬼と混同されるが実はルーマニア語で「竜の息子」と言う意味らしい、従って吸血鬼は「ヴァンパイヤ」が正しい呼び名である。
「ドラキュラ」映画は僕も大好きでどれだけ観たか分らない、ドラキュラ俳優は「クリストファー・リー」(リスボンに誘われて)が有名で、宿敵のヴァン・ヘルシング教授は「ピーター・カッシング」が同じく有名、当時は黄金のカップルと言える。
「クリストファー・リー」のドラキュラ伯爵
「ピーター・カッシング」のヴァン・ヘルシング教授
また、「ドラキュラ」はトム・クルーズ(オール・ユー・ニード・イズ・キル,マイノリティ・リポート)、ブラッド・ピット(フューリー)、ゲイリー・オールドマン(裏切りのサーカス,猿の惑星:新世紀,ロボコップ2014)なんかも演じており、それぞれ面白い「ヴァンパイヤ」映画になっている。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のトム・クルーズとブラッド・ピット。
「ドラキュラ(1992)」のゲイリー・オールドマン。ヴァン・ヘルシング教授はアンソニー・ホプキンス(羊たちの沈黙、レッド・ドラゴン)であった。
僕は「ドラキュラ」を見る時、うきうきする・・・・・何故かって、正義の味方「ヴァン・ヘルシング教授」が出てきて、十字架をかざしたり、聖水をまいたり、銀の弾丸をぶち込んだり実にカッコイイ・・・・・・最後は木の杭でとどめを刺す。
窮地におちいるヒロインを救い出す、彼以外「ドラキュラ」に勝てるやつはいない、まさにヒーローである。ところが今回の作品では「ヴァン・ヘルシング教授」が出てこない・・・・何故か「ドラキュラ」自身がヒーローであるからである。
「ヴァン・ヘルシング」のヒュー・ジャックマン(X-MEN:フューチャー&パスト、チャッピー)
つまり吸血鬼ドラキュラのホラー映画ではなく、トランシルヴァニアのワラキア公国の君主「ドラキュラ」が国を守る為「ヴァンパイヤ」の力を借りオスマン帝国軍と戦う物語である。
これによって君主「ドラキュラ」は最終的には「ヴァンパイヤ」になってしまう、そして吸血鬼としての「ドラキュラ」が誕生する。
彼は永遠の命を手に入れ、これから先何百年も人間の生血を吸って、生き続けてゆくのか。
アクション映画なので陰湿な「ヴァンパイヤ」映画と思って見る人は、ややガッカリするかもしれない。ヒーローものなので、まあバットマンを見るような感じかな・・・・・従ってヒーローものが好きな人にはお勧めである。
ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、時代は15世紀、ワラキア公国君主ヴラド・ドラキュラ(ルーク・エヴァンス)は自分に刃向う敵を串刺しにする暴君として恐れられていた。
しかし、今では過去の過ちを封印し穏やかな君主として、民衆から尊敬を得ていた。
ある日彼はオスマン帝国軍の斥候の兜を川で見つける、そして川の上流にある牙の山が怪しいとにらむ。彼は数人の部下と山の洞窟へと調査に向かう。
ところが洞窟の中には魔物が住んでおり、彼は部下を皆殺しにされ、命からがら逃げ帰る。修道士の話では吸血鬼「ヴァンパイヤ」ではないかとのことであった。
オスマン帝国軍の使者が現れ君主ヴラドに向かって、メフメト二世(ドミニク・クーパー)のために1,000人の男の子と息子を差し出せと命じる。
オスマン帝国とワラキア公国では国力に大きな差があり、まともに戦っては勝ち目がない。ヴラドは言うことを聞くしかないと一旦は考える。
しかし妻のミレナ(サラ・ガドン:複製された男)は息子インゲラスを手放すことに反対する。ヴラドは土壇場でオスマン帝国と戦うことを決意し、彼らの使者を血祭りに上げる。
そして彼は魔物の力を借りようと再び牙の山へ向かう、果たして彼は魔物の力をわが身に乗り移らせることが出来るのか、またオスマン帝国軍との戦いに勝つことが出来るのか、映画を観て頂きたい。
ネタバレ
ヴラドはオスマン帝国軍と戦うために、民衆を山奥の修道院に避難させる、そして自ら牙の山に魔物との血の契約に出向くことになる。
牙の山にいる魔物とは、修道士の話通り「ヴァンパイヤ」であった、そしてかれの正体はローマの皇帝カリグラのなれのはてであった。(カリグラは一般的には狂気じみた独裁者で残忍で性的倒錯の持ち主と言われている。)
カリグラはヴラドに自分の血を飲ませ契約させる「私の血を飲めば不老不死と強大な力を得ることが出来る、しかし血の欲望に打ち勝ち、3日の間生血を飲まなければ人間に戻る事が出来る」そして「生血を飲んでしまえばお前は永遠にヴァンパイヤになる、さあゲームの始まりだ」と・・・・・・。
強大な力を得たヴラドはオスマン帝国軍の軍隊を殲滅させる、しかしメフメト二世は本格参戦を決意し10万人の軍隊とともに再攻撃に打って出る。
この戦いでヴラドの息子インゲラスが連れ去られ、妻のミレーナは塔の上から突き落される、彼女は死ぬ間際に「自分の血を飲んでインゲラスを助けて」と言って息を引き取る。
ヴラドは生き残った民衆に自分の血を与え、彼らにも強大な力を持たせる・・・・・そして吸血鬼となった彼らとともにメフメト二世の軍隊を打ち負かし、最後には一対一の戦いでメフメト二世を殺害する。
戦いが終わった吸血鬼たちは血に飢え暴徒化する、ヴラドは天候を操り雲間から陽の光を浴びせる・・・・陽を浴びた彼らは消滅してゆく・・・・・ヴラドも死にゆくところが何者かが自分の血を与え彼は甦る。
ヴラドの息子インゲラスはワラキア公国君主に就任し、国を建て直してゆく・・・・・・。
時は何百年か経ち現代においてもヴラドは生きていた、そしてミレーナと瓜二つの女性に声をかけ二人で去って行く、そのあとからカリグラも現れ「ゲームが始まる」とつぶやく。
レビュー
ヴラド・ドラキュラが吸血鬼カリグラとの契約を得た後、おびただしいコウモリが彼を取り巻き空も飛べるようになる。その姿はまるでバットマンのようである。
「ヴァンパイヤ」がスーパーマンの様に描かれるのは昨今の傾向かな・・・・昔はもっと不気味な幽霊のようだったのに・・・・・また暫くしたら元に戻るのかな。
僕としては「ヴァンパイヤ」は暗闇に潜む魔物のような存在であって欲しいね、その方がホラー映画としては怖くて面白い。
ところで、ミレーナは死ぬ間際にヴラドに自分の生血を与える・・・・・普通なら彼女もヴァンパイヤになってもおかしくないのにね・・・・疑問。
まあこの「ヴァンパイヤ」系映画はネタが尽きることがないね・・・・・また「ヴァンパイヤ」映画を借りてこようかな・・・。
辰々
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