ホラー

映画「ラ・ヨローナ~泣く女~」感想・評価:泣く亡霊女が子供を襲ってくるだけでは物語に深みが無い

サマリー


★★☆☆(そこそこ面白い)

製作 ジェームズ・ワン(ソウシリーズ、インシディアス、死霊館、ワイルド・スピード SKY MISSION、アクアマン
監督 マイケル・チャベス(ラ・ヨローナ~泣く女~
出演 ●リンダ・カーデリーニ(グリーンブックラ・ヨローナ~泣く女~
●レイモンド・クルス(ラ・ヨローナ~泣く女~
●パトリシア・ヴラスケス(ラ・ヨローナ~泣く女~

映画『ラ・ヨローナ ~泣く女~』本予告【HD】

 

残念ながら前作「死霊館のシスター」より、恐怖度が下がってしまった。ジェームズ・ワンホラーシリーズを見過ぎたせいかもしれない。怖がらせ演出が同じパターンだ。それにヨローナが襲ってくるだけでは物語に深みが無い。

何故、ヨローナがパトリシアやアンナの子供を襲ってくるのか説明が無い。子供たちがヨローナに襲われちびっているのに彼らは「何もない」と話をしない。こんな怖い思いをしていたら普通「ママ怖い」と言っちゃうよね。

いつものパターンで教会へ行っても助けてくれない。ペレス神父はメキシコの呪術医ラファエルに頼めと冷たい。しかもラファエルはキリスト信仰を捨てた男だ。何故、捨てたのか説明もない。

白いドレスを着たヨローナが悪魔ヴァラクに見えてしまうのも新鮮味がなく寂しい。今回は中南米に古くから伝わる怪談「ラ・ヨローナ」に基づくものだ。ジェームズ・ワンの所に世界中からホラーの題材がくるらしいが「死霊館」「死霊館エンフィールド事件」をしのぐものが無い。

映画館でちびらないようにトイレを済ませておいたが閑散とした客席ではちびりようがない。次回作「アナベル死霊博物館」に期待しよう。

映画のストーリーを少し紹介すると。メキシコの怪談「1673年、夫の浮気に気が狂ったラ・ヨローナは自分の子供を殺し自殺してしまう」そして「彼女は亡霊となってこの世をさまよい血の涙を流して泣く」・・・。

1973年のアメリカ、ソーシャルワーカーのアンナ(リンダ・カーデリーニ)はメキシコ移民アルバレズ一家の幼い兄弟を保護する。母親のパトリシア(パトリシア・ヴラスケス)が我が子を虐待し、部屋に閉じ込めていたと思われたからだ。

ところが、保護した子供は近くの川で水死体として発見される。パトリシアは「お前のせいだ、呪ってやる」とアンナにくって掛かる。パトリシアにはアリバイがあり、彼女は子供たちを守る為に部屋に閉じ込めたと主張する。

子供たちの溺死現場でアンナの息子クリスが白いドレスを着た女に襲われ手首を掴まれる。そして幼い娘サムも同じ目に合わされる。二人の子供の手首にはパトリシアの子供たちと同じ傷跡が出来ていた。

パトリシアの子供の葬儀で、アンナはペレイズ神父から「子供を水に引きづりこむ、ラ・ヨローナの呪い」の話を聞く。しかし、彼女は無神論者であり、神父の話はとても信じられなかった。ところが不可解な事件は次々と起こる。

果たしてアンナの子供たちはパトリシアの子供たちと同じ目にあわされるのか・・・・。

その後のストーリーとネタバレ

幼い娘サムはバスタブで何者かに襲われ溺死する寸前でアンナに助けられる。もう一刻の猶予もならない。彼女はメキシコの呪術医ラファエル(レイモンド・クルス)に助けを求める。

ラファエルもアンナ一家が「ラ・ヨローナの呪い」に憑りつかれていることを察知する。彼は彼女の家の中で香を焚き卵を使って除霊する。さらに「ラ・ヨローナ」が外から入ってこられないように部屋中にロウソクを灯し、結界を作る。

「ラ・ヨローナ」の亡霊は家の中に入れない。ところが結界を破るものが現われた、パトリシアだ。彼女は拳銃を持ち、止めに来るラファエルを撃つ。その間に「ラ・ヨローナの亡霊」が入り込み子供たちを襲う。

子供を一人庭のプールに引きずりこむ。アンナが飛び込み、子供を救う。一旦、結界が破られたらラ・ヨローナの強力な呪いを防げない。

子供たちは屋根裏部屋に逃げ込む。そこに亡霊が現われる。連れ去られると思われた時、アンナが助けに入る。そしてケガをしたラファエルも加勢する。

アンナはラファエルから受け取った聖なる木から作られた十字架を亡霊に突き刺す。その時、「ラ・ヨローナ」の体から無数の怨霊が凄い勢いで抜け出る。そして亡霊は霧のように消えてゆく。アンナは子供たちを救ったのだ。母の愛の勝利だ。

レビュー

「泣き女」の伝説はメキシコだけでなく世界中にあると言われている。川の近くに泣き女が現われ子供を狙おうとする実話も残っている。川の近くには鳥や動物などが多く生息していて、その鳴き声を勘違いしたのか?

日本では真夜中に道を歩いていると「うぶめ(産女)」又は「姑獲鳥」と言う妖怪に出逢った記述がある。妖怪に出逢った人は子供を抱かされる。夜が明けると子供は大きな石だったそうだ。

大昔の日本では死んだ妊婦をそのまま埋葬すると「うぶめ(産女)」になるとゆう言い伝えがある。だから妊婦を埋葬するときにはお腹から胎児を取り出して母親に抱かせて埋葬する。

地方には色々な怪談話が残っている。また、死んだ赤子を川に流すと川から子供の泣き声が聞こえてくる。「ウブメドリ」は妊婦の霊が鳥に化けたものとの解釈もある。

とにかく、暗い夜には川沿いを一人で歩かない方が無難だ。何が出て来るか分かったもんじゃない。最悪、川に引きづり込まれてお陀仏だ。みなさん気を付けましょうね。

TATSUTATSU

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