SF

映画「アリータ:バトル・エンジェル」:感想・評価:分断された近未来世界で戦う最強兵器アリータとは何者か

サマリー


★★★★☆(見るべき名作)

2019年2月日本公開のアメリカ製作近未来サイボーグ・バトルドラマ
製作 ジェームズ・キャメロン(ターミネーター、ターミネーター2、エイリアン2、タイタニック、アバター)
監督 ロバート・ロドリゲス(シン・シティ、アリータ:バトル・エンジェル
原作 本城ゆきと「銃夢」
出演 ●ローサ・サラザール(メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮メイズ・ランナー:最期の迷宮アリータ:バトル・エンジェル
●クリストフ・ヴァルツ(ジャンゴ繋がれざる者、ビッグ・アイズ、007スペクター、ダウンサイズアリータ:バトル・エンジェル
●ジェニファー・コネリー(ダークシティ、ハルク)
●マハーシャラ・アリ(ムーンライト、ドリームアリータ:バトル・エンジェル、グリーンブック)

映画『アリータ:バトル・エンジェル』本予告【天使降臨】編 2月22日(金)劇場公開

主題歌「Swan Song」デュア・リパ。

【和訳】Dua Lipa「Swan Song」リリックビデオ【公式】映画「アリータ:バトル・エンジェル」主題歌

 

日本のSFマンガ家、本城ゆきと「銃夢(ガンム)」が「アバター」「タイタニック」の製作陣によって「アリータ:バトル・エンジェル」3D映画として蘇えった。そして、本日公開された。

この原作はジェームズ・キャメロンが長年温めていたもので、彼の並々ならぬ意気込みが感じられる。しかし、キャメロンは「アバター」の続編が忙しく製作と脚本にまわっている。本作の監督は「シン・シティ」のロバート・ロドリゲスが起用されている。

近未来の天と地に分断され荒廃した世界を背景に、一人のサイボーグ少女が成長してゆく物語だ。映画はモーションキャプチャとCGを融合させ、サイボーグ達のバトルがリアルにそしてアクロバティックに映像化されている。

アリータは瞳を巨大化させて描かれており、アニメのテイストを実写にうまく取り入れている。しかも違和感がない、さらにこの方がサイボーグ戦士らしくていい。

物語はスピーディかつバトルの連続で手に汗を握る。サイバーパンク・アクション映画として名作と言ってもいいかもしれない。超お薦めだ。主題歌「Swan Song」をあのデュア・リパが歌っている。今作が大ヒットすればシリーズ化される可能性がある。

圧巻は「レディ・プレイヤー1」をしのぐモーターボールでの戦いだ。これはサーキットで行われる球を奪い合う格闘技で、出場者全員がアリータを抹殺しようとする。

話のスジを少し紹介すると。300年前に地球とURM(火星連邦共和国)との間でザ・フォール(没落戦争)が起こる。これによって空中都市はザレムを残して一晩で全て破壊される。

ザレムは地上の鉄くずの町アイアンシティを支配する。サイバー医師イド(クリストフ・ヴァルツ)はザレムから降り注ぐ鉄くずの山の中から少女の頭部を見つける。残骸は300年前のサイボーグだが幸いにも電子頭脳は壊れていなかった。

イドはこの少女の体を修復しアリータ(ローサ・サラザール)と名付ける。そして自分の娘のように大切に育てていた。彼女はイドに部品を調達している若者ヒューゴ(キーアン・ジョンソン)と仲良しになる。

ある時、アリータはイドを襲ってきたサイボーグ達と偶然にも戦う。ところが、彼女には自分でも気付かなかった凄い戦闘能力があることを知る。そして自分の記憶が徐々に戻ってくる。彼女は300年前に失われた伝説の技術力で造られた「最強兵器」だったのだ。

これを知ったファクトリー(ザレムに必要物資を送り込み、地上を管理する機関)のボスでモーターボールの支配者ベクター(マハーシャラ・アリ)はアリータを抹殺しようとする。彼女を生かしておけば世界の秩序が崩壊すると考えたのだ。

果たして、アリータを襲ってくるサイボーグ達を蹴散らし、地上を支配するザレムへの扉を開くことが出来るのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

アリータはヒューゴに連れられ大昔に地上に落下した宇宙船らしき残骸を見に行く。ところがこれを見た彼女は記憶が戻ったのかこの残骸の中に入って行く。そして秘密の扉を開ける暗証番号をも思い出す。扉の中には、銀色に輝くバーサーカー・ボディがあった。

彼女は家に戻り、イドにバーサーカー・ボディを装着してほしいと頼み込むが彼はオーケーしなかった。ところがアリータを襲ってきたグリュシカとの闘いによって彼女のボディはズタズタにされてしまう。仕方なく、イドはサーカー・ボディを彼女に装着する。

このボディを装着したアリータは無敵だ。モーターボールの大会に出場すると言う。優勝者は空中都市ザレムへの渡航を許されるからだ。ところがこれはベクターのワナだった。これを知ったイドと彼の前妻チレン(ジェニファー・コネリー)は彼女に知らせる。

モーターボールはサーキットを回りながらボールを奪い合う競技だが出場者全員がアリータを抹殺しようと企んでいた。ゲームが始まるとやはり自分を狙って出場者たちが向かってくる。

彼女は彼らを破壊したりかわしたりと、ハイスピードでサーキットを回るが突然ヒューゴからSOSが入る。彼は殺人犯の汚名を着せられ非道なハンター戦士ザバン(エド・スクレイン)に追い詰められていた。

彼女は急いで駆け付けるがヒューゴは致命傷を負ってしまう。アリータは彼の頭部を持ち帰り、機械ボディをイドに装着してもらいサイボーグとして蘇えらせる。

アリータは自分を抹殺しようとしたベクターのもとへと向かう。そして彼をザバンから奪ったダマスカス・ブレードで刺し殺す。そんな時、ヒューゴがザレムとつながっているチューブをよじ登って天空の都市に向かおうとしていた。

アリータは彼のもとに駆け付けるがチューブの周りを回転しながら迫ってくる刃でヒューゴの体はズタズタにされる。彼はチューブから真っ逆さまに落ちてゆく・・・アリータは胸が張り裂けそうだった。

そして、アリータは自分がモーターボールの勝者になって空中都市ザレムへ行く決心をする・・・。

レビュー

アニメと実写の融合がうまくいった映画だと思う。アリータの顔はアニメだがこれが実写と実にマッチする。ここまでCGがビジュアル上で滑らかに動くようになれば俳優は必要なくなってしまうかもしれない。

この映画ではローサ・サラザールが主役だが彼女の本当の顔は出て来ない。しかし、モーションキャプチャとして迫真の演技はしている。今後、こんなタイプの映画がどんどん作られてゆくと思う。将来映画作りがコンピューターの中で完結してしまうかもしれない。

ところで、日本でもアニメの実写版も多く作られている。残念ながらハリウッドにはまだまだ及ばない。でも日本の実写版もチープだけど捨てがたい。

日本アニメヒーロー実写映画ベストテン」もよろしく。

TATSUTATSU

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