サマリー
2009年日本公開アメリカ・サスペンス映画、監督はロドリゴ・ガルシア、主な出演者はアン・ハサウェイ(プラダを着た悪魔、レ・ミゼラブル、インターステラー、マイ・インターン)、パトリック・ウィルソン(オペラ座の怪人、プロメテウス)である。
パッセンジャーズとは飛行機の乗客と言う意味である。この映画は大どんでん返し系ドラマで、観ているうちに不思議な感覚にとらわれる。
私事で恐縮だが、先日大病で入院・手術し現在に至っているが、この映画を観ていると、自分は既に死んでいて現世を自分の魂だけがさまよっているような錯覚におちいる。これと似たようなドラマは日本でも作られており、映画の題材としてはありきたりなのかもしれない。
セラピストの女が飛行機事故で生き残った5名のカウンセリングを受け持つことになった。ところが不思議な出来事が続き、メンバーが一人ずつ消えてゆく。
不審に思った彼女は、飛行機事故が実は、航空会社の過失によるもので、それを隠すための組織的陰謀ではないかと疑う。彼女は単身、この事件の謎を解明すべく行動を起こす。
ゾンビや怪物が出てくるわけでもなく、サスペンスがらみの恋愛映画なので、気楽に観られて面白いと思いますよ・・・・・でも過激なアクションを期待している人には退屈かも。
ストーリー
ストーリーを紹介すると、飛行機事故が起こり、クレア・サマーズ(アン・ハサウェイ)は真夜中にペリー(アンドレ・ブラウアー)に起こされる。搭乗者109名の内生き残ったのは5名であり、彼女にはこの5名のメンタルセラピストとして、彼らの精神的苦痛を和らげるために招集された。
そして5名のグループ・カウンセリングを行うことになったが、患者の一人エリック・クラーク(パトリック・ウィルソン)だけは自宅で療養したいと言い出す。エリックは飛行機事故の悪夢にうなされ、さらに見覚えのある犬から吠えられる。
クレアは男性2名、女性2名のグループ・カウンセリングを行う、ところがこのカウンセリングを窓の外からじいっと見てる男がいた。クレアは気になり、男をみるが、男は黙って林の中に消えてしまった。
クレアは不審に感じ、飛行機事故原因をアーキン(デヴィッド・モース)に尋ねるが、彼が言うには・・・・事故はパイロットのミスで機体がバランスを崩したためと言い張る。しかし彼女は不時着前に機体から炎が出たとの目撃情報があり、機体の整備不良ではないかと問い詰める。
彼女はエリックの自宅を訪問し、カウンセリングを行おうとするが、彼は彼女に姉がいることを知っていた、さらにコーヒーに砂糖とミルクを入れる彼女の好みまで分っていた。・・・・・・・彼は感覚が鋭いのか、あるいは前に会ったことがあるのか、ふと疑問に思う。
エリックはクレアを気に入ったようで、また来てほしいと別れ際に彼女を帰したくないそぶりを見せる。
彼女は心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者が超感覚的知覚を持つことがあると書かれた文献を調べ、エリックがこれに当てはまるのではないかとペリーに意見を求める。そして飛行機事故原因が機体の整備不良ではないかと考えていることも話す。
でもペリーは、カウンセリングに集中しろと彼女をへんな問題に係わらないようにアドバイスする。
次のグループ・カウンセリングの時、男性一名が来ない・・・・・クレアは嫌な予感がした。仲間に彼の行方を尋ねるが誰も彼の行方を知らない。ところがその男は帰りがけに待ち伏せたようにクレアの車に乗り込む。
彼は自分を監視している男がいると、指をさす・・・・・・その先には見知らぬ男が立ってこちらを見ていた。彼は航空会社の男で、航空機の事故原因の真相がばれないように見張っているのではないかと。
クレアが自宅に帰ると必ず近くのおばさんがいて、あれやこれやと気遣ってくれる。でもクレアにとってはありがた迷惑であった。
次のグループ・カウンセリングではさらに一名来なくなってしまった。そんなところにアーキンが訪ねてきて色々とグループのことを詮索する。
クレアはエリックの家を訪ねるうちに、彼に好意を持ち始める、そして彼と一線を越してしまう。カウンセラーと患者の間にはあってはならないことだが、クレアはエリックを愛してしまう。
彼女はペリーにエリックとのことを話す、そして私や患者たちを尾行しているアーキンのことについても話し、相談する。ペリーは彼女に物事を冷静に分析すべきで、早がってんはいけないと諭す。
エリックは飛行機が墜落した現場を見に行く、そして飛行機の残骸の中で、事故の出来事がフラッシュバックのように彼を襲ってくる。そこに見覚えのある男が現れ、彼は急いで逃げてゆく。
ついにグループ・カウンセリングは一人になってしまう、最後の女性もおびえている。クレアは彼女をエリックと一緒に自宅に連れて帰る。
エリックは夜中にまた犬に会う、彼はこの犬は昔飼っていた犬で、彼の6才の時に死んでいた。エリックはもう自分は飛行機事故で死んでいるのではないかとクレアに話す。そんな彼をクレアは慰める。
しかし、エリックは気が狂ったように家から飛び出し、線路に向かう・・・・・電車が彼をめがけて突進してくる。果たして彼は電車に轢かれてしまうのか・・・・・・是非映画を観てほしい。
ネタバレ
彼は電車に轢かれたかとクレアは心配したが無事であった。しかし彼は線路の真ん中に立ってたのは間違いない。そして彼はクレアに向かって「僕に二度と近づくな」と叫ぶ。さらに最後に残った女性も見知らぬ男女に連れられて何処かに行ってしまった。
彼女はペリーの家に行く、そして生き残った乗客たちが皆消えてゆく、さらにリストにない生存者もいる、何故なのと問いかける。でもペリーは分らないと答えるのが精いっぱいであった。
そして君は航空会社を誤解している、もっと冷静になりなさいとアドバイスするが、クレアはペリーも奴らの仲間かと疑い、家を出てゆく。
クレアは行き詰って姉の家を尋ねるが留守であった。そこにアーキンが現れ「飛行機事故で全員死んだんだ」と彼女に向かって話す。そしてパイロットは事故の時コクピットにいなかったと告げる、彼は離婚問題を抱え疲れていたんだと・・・・事故機のパイロットはアーキンであったらしい。
クレアはそれは違う、エンジンから火が出ているをみているし、パイロットが胴体着陸したから数人生き残っていると反論する。それをアーキンは完全否定して去って行く。
アーキンが置き忘れたカバンの中を見る、そして書類をとりあげて中身を見ると、彼女の顔は青ざめ記憶がよみがえってくる。
彼女も事故機に乗っていたのだ、そして隣りの席には初対面のエリックがいた。彼女は間違いであってほしいと泣き叫ぶ。
彼女はエリックのもとに行って彼を抱きしめる、そして事故機の乗客名簿を見たことを告白した。僕らが死んでいることを、既に亡くなった身内の人たちが気付かせてくれる。
エリックのもとには祖父と犬がやってきた、クレアのもとには叔母さんと小学校時代の恩師ペリー先生が来ていた。他の乗客たちもきっと納得してこの世を去って行ったことだろう。
レビュー
現世に未練があるものは、死んでも自分が死んだとは納得できず、この世に魂が漂い続ける。それらの魂をあの世から親しい人が来て、死んだことを納得させて、あの世につれてゆく。
あの世とこの世の人々が交流することは出来ないのか、この映画では交流出来なさそうである。でも特殊な場所や特殊な時間には、一瞬交流することが出来るかもしれないね・・・・・・それを僕らは幽霊を見たと表現するのかな。
実は、僕の両親が亡くなった時、後で考えると虫の知らせと言うものがあったような気がする。それはかすかな音やささやき声、風・・・・・何とも言えない不思議な感覚を今でも覚えている。
飛行機の墜落原因が、あの世から来た機長は自分のせいであると言っているが、映画を見る限りではエンジンの故障が原因のような気がするね。
クレアはあの世から来た叔母さんや小学校の恩師を忘れているなんて、ちょっと考えられないね。しかし、あの世でもエリックがいてくれて、彼女はきっと幸せだろうと思うよ。
まあ、外国でもあの世・この世の考え方があるなんて、これは世界共通かもしれないね。今住んでいるところがあの世かこの世か判別する方法があったら教えて欲しいね。
辰々
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