サマリー
スタイリッシュで痛快なスパイ映画だ。コリン・ファースが実にカッコイイ、でも最後に死んじゃうんだよね続編作る気ないのかなー、なんてもったいない映画だ。
「キングスマン」とは何処にも属さない謎の組織で、膨大な資金をバックに世界中の難事件やテロを未然に解決してゆく正義の味方である。
全編に懐かしいスパイ映画のオマージュ(尊敬する作品に影響を受け、似たような作品を作る事)が満載、しかも洒落たジョークと華麗なアクションがウリ、さらに善人・悪人が入れ替わっちゃう・・・・・一言で言えば「ハチャメチャ映画」だね。
もちろん可愛いおネイちゃんも出てくる・・・・・・これは外せないね。
彼や彼女と一緒に笑いながら観るのをお勧めする。もちろん一人で観ても充分、楽しいね。
2015年公開のイギリス製作スパイ映画、監督はマシュー・ヴォーン(キック・アス、X-MENシリーズ)、主演はコリン・ファース(英国王のスピーチ、裏切りのサーカス、マジック・イン・ムーンライト、リピーテッド)である。
原作はマーク・ミラーとディヴ・ギボンズによるコミック「キングスマン:ザ・シークレット・サービス」である。
冴えない青年がベテラン スパイにしごかれ一人前になって世界を救う。冴えない青年にタロン・エガートン、ベテラン スパイにコリン・ファースが扮している。
ベテランスパイ ハリー・ハート(コリン・ファース)とゲイリー・エグジー・アンウィン(タロン・エガートン)
悪人らしからぬ極悪人をサミュエル・L・ジャクソン(スター・ウォーズシリーズ、アベンジャーズシリーズ、ロボコップ)が軽いノリで好演している。
また、マーク・ストロング(裏切りのサーカス、ゼロ・ダーク・サーティ、記憶探偵と鍵のかかった少女、リピーテッド、イミテーション・ゲーム)が新人スパイを鍛える教官を、さらにマイケル・ケイン(トゥモロー・ワールド、インセプション、インターステラー)がキングスマンのリーダー役を演じている。
ストーリー
1997年の中東において、キングスマン4名が作戦を遂行していた。順調に任務が終わるはずだったが、捕虜の自爆によってメンバーの一人が死んでしまう。
死亡したメンバーの息子ゲイリー・エグジー・アンウィン(タロン・エガートン)をキングスマンのベテランスパイ ハリー・ハート(コリン・ファース)が面倒を見る。
17年後アルゼンチンでアーノルド教授(マーク・ハミル:スター・ウォーズ)が拉致される。そこにキングスマンが現れ彼を救うが、逆にリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)の部下、義足の殺し屋ガゼル(ソフィア・ブテラ)に殺されてしまう。
IT長者リッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)
イギリス ウェストミンスターにある高級紳士服店「キングスマン」にハリー・ハートは現れる。この店は実はキングスマン(秘密のスパイ機関)の本部になっている。
キングスマンのリーダー アーサー(マイケル・ケイン)を中心にガラハッド(ハリー・ハートのコードネーム)以下7名のメンバーで会議が始まる。
亡くなったメンバーの一人ランスロット(ガゼルに殺された)の後任を誰にするかの会議である。
ハリー・ハート:コードネーム ガラハッド(コリン・ファース)
キングスマン1人につき1名の推薦者を出すことになり、各自候補者の選定に入った。
ゲイリー・エグジー・アンウィンは能力のある男だが、不良青年で、義理の親父はDV男であった。ハリーは命の恩人の息子を校正させ、キングスマンのメンバーにしようと推薦する。
ハリーはエグジーを高級紳士服店「キングスマン」に呼び、本部の全容を見せる。そしてキングスマンのエージェントに育てたいと言う。
ハリー・ハートとエグジー(タロン・エガートン)
彼らは高級紳士服店「キングスマン」の秘密の地下に降り、カプセルの様な乗り物に乗り、倉庫に行き着く。倉庫の中は巨大で、多くの飛行機や無数の車が並んでいた。
エージェントの募集は1名で、9人の候補者がいる。この中から選抜で1名に絞られる。教官はマーリン(マーク・ストロング)と言う厳しい男だった。
過酷な振り分けテストが続く、水責め、犬の飼育競争(エグジーはのろまなパグを選んでしまった。)、サバイバルテスト、飛行機からの降下テストなど等・・・・・エグジーは何とか最終選考に残る。
亡くなったランスロットは生物兵器の開発を行っていた悪の組織を調査していた。そして「ガイア理論」(地球を巨大な生命体と見なす理論)の提唱者アーノルド教授に行きつく。
ハリーはアーノルド教授に会い、亡くなったランスロットの事を問いただした。そして彼の耳をつかんで自白を強要したところ彼の頭部は突然破裂する。
ハリーはあわやと言うところで、危機一髪逃げ帰ったが、爆発のショックで昏睡状態におちいってしまう。やっとのことで目覚めた彼は、アーノルド教授の首に埋め込まれたチップが爆発の原因であることを知る。
そのチップへ送られてきた電波はヴァレンタイン社が発信源らしかった。
その時テレビのCMでヴァレンタイン社長が携帯電話料金を無料にするためのCIMカードを明日から配布するとアピールしていた。
つまりヴァレンタイン社の情報端末を利用すれば、すべての通信機器とパソコンが無料になるとのことである。そして当日長蛇の列、あっという間に10億枚のCIMカードが配布された。
ハリーは大富豪を装い、ヴァレンタイン社長に接触する。ほとんど収穫は得られなかったが、サウスグレード教会(裏は人種差別集団)をヴァレンタインが支援しているらしい噂を入手する。
さらに有名人や政治家が次々に失踪している事件が起こる。スウェーデンのティルデ女王(ハンナ・アルストロム)も拉致された模様である。
ハリーは調査の為にアメリカ・ケンタッキーにあるサウスグレード教会にのり込む。その時皆が持っているスマートフォンから人々を狂気にはしらせる特殊な電波が出る。
教会の中で人々の殺し合いが始まる。これはヴァレンタインによるテストである。
ハリーは一人生き残り、教会から外へ出る。そこにはヴァレンタインとガゼルが待ち構えていた。彼が言うには神経信号を用いて人間の攻撃本能を目覚めさせ、抑制本能を遮断した。
それてよって人々は殺しあうはめになったのだと。
つまりヴァレンタインが無料で配布したSIMカードに仕掛けがある。このカードから殺人信号が出るのだ。
ハリーを撃ち殺すヴァレンタイン
そう言いかけて、ヴァレンタインはハリーを撃ち殺す。彼は道路に横たわる。ハリーのメガネは映像及び音声の発信装置になっている。彼が殺される一部始終の映像はエグジー、マーリン、アーサーに送られる。
果たして、ヴァレンタインが目論む、殺人信号による人類の間引き計画は成功するのだろうか、そして残された「キングスマン」による計画の阻止は間に合うのだろーか・・・・・・是非映画を観てほしい。
ネタバレ
<ここから先はネタバレするから映画観てから読んでね>
ハリーの死を悼んで酒を酌み交わすエグジーとアーサー
エグジーはアーサーに会いに行く、ハリーの仇を取りたいようだ。二人はハリーの死を悼みナポレオンを酌み交わす。
ところがアーサーは既にヴァレンタインに寝返っていた。そしてブランデーには毒を入れてある、私の側に付くなら助けてあげようと、彼はエグジーに話す。
ところがエグジーは彼の申し出を断る・・・・・万年筆にあるスイッチを入れれば毒が効力を示す。彼がスイッチを入れた途端アーサーは死んでしまう。
エグジーはアーサーの耳の後ろにある傷跡を見て、チップが埋め込まれているのに気付いたようだ。そして彼がアーサーの気をそらしているスキにグラスを入れ替えていた。
「キングスマン」のリーダーであるアーサーまで裏切ったとなると、もう誰も信用出来ない。
エグジーとマーリン、そしてエージェントのテストに合格したロキシー(エグジーは残念ながら最終選考で不合格となっていた)の3人で、世界中に殺人信号が流されるのを食い止めなければならない。
マーリンは大気圏飛行装置を持ち出し、ヴァレンタインが使用している衛星を破壊するつもりだ。そして衛星を破壊するのはロキシーの役割だ。
しかし、この作戦は時間稼ぎでメインシステムを破壊しない限り、また信号がいつ飛んでくるか分らない。
マーリンは重要人物の耳の後ろに埋め込まれたチップのシグナルがSIMカードの電波を無力化させることを発見する。
また同時にこのチップは超高温に発熱する機能も兼ね備えていることも見抜く。万一ヴァレンタインを裏切った時に、チップを使って殺すことも出来るのである。
彼らは小型ジェットにのり込み敵のアジトに向かう。エグジーは招待客チェスター・キングを名乗り、アジトの潜入に成功する。
正式に「キングスマン」になったエグジー(タロン・エガートン)
エグジーはアジトにあるパソコンを奪い、マーリンの装置に接続し、メインシステムに侵入する。また、ロキシーは衛星の破壊に成功し、時間が稼げる。
ところがメインシステムはヴァレンタインの生体認証が無ければ停止することが出来ない。エグジーはやはりヴァレンタインを倒しに行くしか方法が無いことを悟る。
エグジーはヴァレンタインのいる部屋に行こうとするが、敵の兵士に囲まれ身動きが取れない、万事休すだ・・・・・・・その時チップを加熱させ敵をやっつけるアイデアが浮かぶ。
マーリンはメインシステムに侵入しチップを起動させる。すべての敵は頭を吹っ飛ばされ絶命する・・・・頭が吹き飛ぶ瞬間は花火が打ちあがるようだ。
ところが既にシステムが起動し世界中がパニックになる。
ガゼル(ソフィア・ブテラ)とエグジー(タロン・エガートン)との死闘
エグジーはヴァレンタインを殺さなければならない、その前にガゼルが立ちはだかる。最強の強敵だが、死闘の末彼女を倒す。そしてヴァレンタインも倒す。
あわやと言うところでシステムがダウンし、殺人パニックから世界が救われた。
エグジーはスウェーデン王女を助けたことによって、彼女から熱いお礼をもらう・・・・・マーリンは二人の情事をとても見て居られないと、モニターを閉じる。
レビュー
悪の親玉ヴァレンタインは人間をウイルスに例えている。人間がウイルスに罹れば発熱して、病気を治そうとするように地球は、増殖した人間を退治しようと発熱する(地球の温暖化)とのことだね。
このままでは地球が持たない、人類の間引きが必要であるとの持論である。この持論に金持ちや、政治家が賛同してゆく・・・・恐ろしいことである。映画には賛同者としてホワイトハウスの高官たちも出てきているようで・・・痛烈な皮肉かなー?
ハリーが教会で民衆を皆殺しにするシーンは相当にエグイ、テレビゲームでも見ているようで、人殺しがマヒしてしまいそうだ。さらに全編に渡ってアクションが凄い。
コリン・ファースは映画出演が目白押しで、何をやらしてもサマになっている・・・・・重宝な俳優だね、それにマーク・ストロングも引っ張りダコだ、今回タコハゲで活躍している。
「キングスマン」の親玉アーサーが寝返ってしまうストーリーはいかがなものかと思う・・・・やはり正義の味方はどこまでいっても正義の味方じゃないとオカシイよね。
ストーリーの中で気に入っているシーンは・・・・エグジーが「キングスマン」入社試験の最後のテストで、可愛い「パグ」を撃てと言われて、出来ないと答える・・・・・あんなに人を殺しておいて、愛犬が殺せないなんて微笑ましいね(実は空砲なんだね)。
愛犬家の僕としてもやっぱり、撃てないよねー。
マーク・ハミルが腹ボテ ジジイで出てくるが、この姿を見ていると、本当に「ジェダイ」やるのって思っちゃう。やはりトレーニングして絞ってもらわないと困るね。噂によると、キャリー・フィッシャーも16キロ減量したと聞いている、夢を壊さないで欲しいね。
マーク・ハミル
結構いろいろなパロディーが出てくるが、スウェーデンの女王をあんなにバカにしちゃって問題ないのかな、ブログにも書けないような下ネタも出てくるし・・・・・映画で確認してよね。
ハリーの教えでは「キングスマン」は常に真の紳士であれと言っているにも関わらず、エグジーは女性に弱いね。
ところでマシュー・ヴォーン監督が撮る映画はエンターテイメントに富んでいて面白いね、今後も期待出来そうだ。彼なんかが「スター・ウォーズ」を撮ったら結構面白いかもしんないね。
辰々
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