サスペンス

映画「ハンターキラー潜航せよ」感想・評価:あまりに荒唐無稽のストーリーに期待を通り越して笑ってしまう

サマリー


★★☆☆(そこそこ面白い)

2019年4月日本公開のアメリカ製作潜水艦サスペンスドラマ
監督 ドノヴァン・マーシュ(ハンターキラー潜航せよ
出演 ●ジェラルド・バトラー(300、エンド・オブ・ホワイトハウス、キング・オブ・エジプト、ジオストームハンターキラー潜航せよ
●ゲイリー・オールドマン(ハンターキラー潜航せよ、ドラキュラ、レオン、裏切りのサーカス、ウィンストン・チャーチル)
●コモン(ハンターキラー潜航せよ
●リンダ・カーデリーニ(ハンターキラー潜航せよ
●トビー・スティーブンス(ハンターキラー潜航せよ
●ミカエル・ニクヴィスト(ハンターキラー潜航せよ、ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女、ジョン・ウィック

ジェラルド・バトラー主演!『ハンターキラー 潜航せよ』予告編

 

ジェラルド・バトラー主演の映画が「ジオストーム」に続いてコケてしまったようだ。過去にシリアスな潜水艦映画は多い。有名なところではウォルフガング・ペーターゼン監督の「U・ボート」がある。また、テレビドラマとしては「原子力潜水艦シービュー号」が有名だ。

「U・ボート」

「原子力潜水艦シービュー号」

今回「最新鋭の原子力潜水艦がリアルに描かれている」とのふれこみで話題になった原潜ドラマが公開された。題名の「ハンターキラー」とは敵潜水艦を探知する能力「ハンター」と目標を破壊する能力「キラー」を併せ持った攻撃型原子力潜水艦のことだ。

映画の前半は重厚感があってなかなか良かったが後半になるにしたがって荒唐無稽なストーリーに唖然とさせられる。確かに戦争映画としては優れた映像とアクション、音響にしびれるがこのストーリーはいただけない。

ロシアで大統領が拉致されるクーデターが起こる。このままでは第三次世界大戦が起こってしまう。国防総省ペンタゴンはロシアの大統領救出のため、「ハンターキラー」アーカンソーをロシア海域に派遣する。同時に4名のネイビーシールズをパラシュートで降下させる。

そしてこの困難なミッションを遂行する。現実には駆逐艦がうようよいるロシア海域には近づけない。それにいくらネイビーシールズが優秀であってもロシア軍を相手に4人では荷が重すぎないか?しかし、映画ではこれができちゃう・・・たかが映画と言う事で、考えすぎないことだね。

話しのスジを少し紹介すると。ロシア海域コラ半島沖でアメリカの原子力潜水艦タンパ・ベイが消息を絶つ。海軍少将ジョン・フィスク(コモン)は統合参謀本部議長チャールズ・ドネガン(ゲイリー・オールドマン)の指示を仰ぎ「ハンターキラー」アーカンソーを捜索に向かわせる。

アーカンソーにはたたき上げの艦長ジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)が乗り込んでいた。そして詳細な状況を把握するため国家安全保障局のジェーン・ノーキスト(リンダ・カーデリーニ)はビーマン隊長率いる4名のネイビーシールズを空から送り込む。

ビーマンの調査によるとロシアのドゥーロフ国防相がザカリン大統領を拘束し、クーデターを起こしたとの情報がペンタゴンにもたらされる。

アーカンソーがロシア海域に入ると敵の原潜に攻撃される。これを上手くかわし敵を魚雷で破壊する。海底のタンパ・ベイの残骸を確認する。その時ロシアの原潜コーニクの残骸も見つける。おかしなことにコーニクは内側からの爆発で沈んでいた。そして艦内から生存者の音が聞こえる。

ジョー・グラスは小型潜航艇を本船から切り離し、コーニクの生存者を救う。この生存者の中にアンドロポフ艦長(ミカエル・ニクヴィスト)もいた。果たして沈められたロシアの原潜は、アメリカの攻撃で沈められたように見せかけられたのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

アーカンソーの船長ジョー・グラスとビーマン隊長にペンタゴンからザカリン大統領を救出せよと指令が届く。ビーマン隊長は3人の部下とともに大統領の救出に向かう。

ネイビーシールズ隊は一人負傷し、一人亡くなったがザカリン大統領を潜航艇に乗せる。そしてビーマン隊長は負傷した部下を助けにロシア軍基地に戻る。潜航艇はアーカンソーにドッキングしザカリン大統領の救出ミッションは上手くいったかに見えた。

ところがロシア海軍も黙ってはいない。原潜と駆逐艦で迫ってくる。敵原潜の攻撃をギリギリのところで回避したが駆逐艦が向かってくる。もう、アーカンソーに逃げ場はない。

ジョー・グラスは最後の手段としてアンドロポフ艦長に頼るしかない。アンドロポフは無線を使って駆逐艦に「攻撃するな」と呼びかける。駆逐艦には彼が鍛え上げた水兵たちが多く乗り込んでいた。

アーカンソーへの攻撃は回避された。原潜は駆逐艦の近くに浮上する。ところが、今度はドゥーロフ国防相が基地からミサイルを使ってアーカンソーを沈めようと撃ってくる。

アーカンソーに向かってきたミサイルをあわやと言うときに敵の駆逐艦が迎撃してくれた。そしてドゥーロフ国防相が指揮を執る指令室をミサイル攻撃する。指令室はドゥーロフとともに破壊されクーデターは失敗に終わった。

レビュー

ロシア軍の基地の中に拘束されたザカリン大統領を一隻の潜水艦と4人のネイビーシールズで救出に向かう。この奇想天外なストーリーには唖然とさせられる。この映画を観たロシア軍の関係者はどう思うのかな。

多分、相手にしないだろうね・・・一歩間違うとコメディドラマになってしまいそうだ。凄い俳優たちと原潜同士の戦いには迫力を感じるものの、もう少し現実にそくしたストーリーにしてもらいたかった。

「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」

この映画はスウェーデン俳優ミカエル・ニクヴィストの遺作になってしまった。「ミレニアムシリーズ」は特に有名だ。残念な俳優を亡くしたね。

TATSUTATSU

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