サマリー
★★★☆☆(お薦め)
2018年日本公開のアメリカ製作UFO-SFドラマ
監督 ライアン・エスリンガー(UFO-オヘヤの未確認飛行物体-)
出演 ●デヴィッド・ストラザーン(UFO-オヘヤの未確認飛行物体-)
●アレックス・シャープ(UFO-オヘヤの未確認飛行物体-)
●ジリアン・アンダーソン(UFO-オヘヤの未確認飛行物体-)
●エラ・パーネル(UFO-オヘヤの未確認飛行物体-)
この映画では世界一重要な論題として次の3つを上げている。
1.神は存在するのか?
2.死後の世界はあるのか?
3.地球外生命体は実在するのか?
そして、3番目がこの映画のテーマだ。2006年11月7日の夕方、米国シカゴのオヘア空港でUFOの目撃情報が相次いだ。目撃者の話では「形は円盤状で、厚い雲の下に数分間滞在し、雲を破って消えた」とのことだ。
空港職員や多くの人々が目撃し写真や動画が多く残っているにも関わらず、政府の公式見解は「雲に光が反射した特殊な現象」と発表され、この事件は収束した。(政府がUFO情報を隠ぺいしたとの疑惑が消えない)
この事実をもとに映画が独自の解釈でつくられている。数学の理論が次から次へと出てきて、頭が痛いがもの凄く面白いUFOドラマだ。ひょっとしたらこんな出来事が将来起こるかもしれないと思わせるほどリアルだ。
1974年フランク・ドレイクとカール・セーガンは「アレシボ・メッセージ」を宇宙に向かって発信した。これは地球外生命体と接触するためだ。このメッセージはM13星団に向けられたがこれが届くまでに2万2800年かかる。何とも気の長い話だ。
「辰々のフェルミのパラドックスを映画で徹底解説する:宇宙人は本当にいるのか何故姿を現さないのか」
しかし、最近亡くなったスティーヴン・ホーキング博士は「地球外生命体とコンタクトを取るべきではない」と警鐘を鳴らす。何故なら、我々人類が征服されてしまう危険性があるからだ。詳しくは「恐ろしい地球外生命体映画ベスト20」を参考に。また、「辰々のフェルミのパラドックスを映画で徹底解説する:宇宙人は本当にいるのか何故姿を現さないのか」もお勧めする。
話のスジを少し紹介すると。オハイオ州シンシナティにあるシンシナティ大学数理科学学部の学生デレク(アレックス・シャープ)はシンシンティ・ノーザンケンタッキー国際空港にUFOが現われた記事に興味を持つ。
2017年10月17日のことだ。空港の管制官の証言がおかしいことと空港の広報担当エリソンが「これは直径1.5メートルのドローンだ」と言ったことに疑問を持つ。
そして、その物体はフルートのようなノイズを発生させたと言う目撃者もいた。デレクは恋人のナタリー(エラ・パーネル)と食事中にひらめく。空港の整備士が大きさ10セント硬貨くらいと言っていた。おおよその距離を推定するとUFOは27メートルになる。デレクはこのことを広報担当エリソンに伝える。
その頃、空港にはFBIが現われ、UFOを目撃した職員を集め、この件は極秘にしろと圧力をかける。今度はFBIが公表を次のようにする「UFOは当日飛んでいた旅客機ガルフストリームⅣが結論だ」と。
デレクは飛行物体の無線通話を秘密のダーク・ウェブから入手する。彼はそれをUFOからの信号だと考えた。彼はこれの解明に全力を注ぐ。果たしてこの信号は何を意味するのか、知的生命体からのメッセージなのか?
その後のストーリーとネタバレ
デレクは必死で信号の解読を始める。そして一部が解明できた。解明出来た信号は「日数」なのだ。14ビットで表されたFSC(微細構造定数:ネットで調べてね)だ。
人間の知的レベルを試しているのか。同じ物理学を共有する50億光年より近い星の知的生命体なのか?そして結論は次の木曜日、6日後に何かが起こる。たぶん、また現われるかもしれない・・・問題はどの場所なのか。
デレクの情報はFBIに監視されていた。FBIの責任者(デヴィッド・ストラザーン)は「カルダシェフの尺度」を論じる。つまり3段階の文明のことだ。全人類が1秒間に消費したエネルギーの総量によって文明を比較するのだ。
タイプⅠ文明 ⇒ 地球上におけるエネルギー消費量=4X10の12乗[W]つまり惑星のエネルギーを利用できる文明=4X10の16乗[W]
タイプⅡ文明 ⇒ 恒星が放出するエネルギー消費量=4X10の26乗[W] を利用できる文明
タイプⅢ文明 ⇒ 銀河が放出するエネルギー消費量=4X10の37乗[W] を利用できる文明
我々はどんなに努力してもタイプⅠ文明にまでたどり着けないかもしれない。しかし、地球外生命体は間違いなく地球に来ているのだ。彼らがどんな方法でここに来ているのか想像もつかない。でも、我々は彼らから学ばなければならない。(たぶん、タイプⅡ文明以上の文明を持っている)
デレクは小さい時にUFOを見たとナタリーに言う。そして太陽系から最も近い星プロキシマ・ケンタウリでさえ気の遠くなるような距離だ。デレクは「僕の夢は地球外生命体の存在を証明したい」と言う。
デレクは数理科学のヘンドリックス教授(ジリアン・アンダーソン)に協力を要請する。そしてやっとUFOの信号の解明が出来た。それはやはり場所(経度と緯度)を示していた。
彼は友人の車を借り、その場所へと急ぐ。そして彼の予想通りUFOが現われる・・・デレクの勝ちだ。すぐにやって来たFBIに彼は拘束される。
そこにFBIの責任者が現われる。彼はデレクに「今回が初めてではない」と言う・・・過去に何回もあった。そのたびに彼らに信号を送ったが接触できなかった。そして信号は14ビットから42ビットと複雑になった、さらにグリッドが3Dになっている。
この結果から、知的生命体は僕らより知能が高いと言える。そして彼らの信号を解読するためには新たな理論や技術が必要だ。5年かかるのか500年かかるのか見当がつかない。どうか君に手伝ってほしいと責任者は言う。
デレクは「宇宙には知的生命体がいる」とつぶやく。
レビュー
僕は地球外生命体はいると思う。しかし、あまりに恒星間の距離が遠く、よほど高度な文明を持っていないと地球に来れない。でも、こっそり来ていると考えてもおかしくない。
UFOの目撃情報が多いからだ。(2019年4月26日の日本経済新聞11面に「UFO目撃報告への指針 米海軍、記録し調査」と驚くような記事が載っていた。近年パイロットからUFOの目撃が相次いでいる。)
僕ら地球人はもう進化しないかもしれない。5億年前に完成された節足類(昆虫など)は外骨格に包まれているため、もうそれ以上の進化はせず、ゴキブリなんかは昔のままだ。
人間も脳は頭蓋骨に覆われ、脳の発達はこれ以上望めない。では宇宙人はどうなのか?一般的には目が大きく地球人と体型が変わらないグレイタイプと表現される場合が多い。
でも、本当は我々の想像を絶する体型を持っているのかもしれない。映画「メッセージ」に出て来るタコやイカのような宇宙人。或いは、液体のような不定形の生き物。ナメクジのように骨格を持たない生き物・・・。
生物は惑星の環境に左右される。ひっとしたら僕らの周りに漂う、ガスのような生き物がいるかも知れない。それらの宇宙人はアリを僕らに例えると「アリと人間ほどの文明の違い」を有しているだろう。いや、それ以上の文明の差があるかもしれない。
闘ったら勝ち目はないから、平和に交渉するしかないね。でもアリには興味が無いかもしれない。
TATSUTATSU
この記事へのコメントはありません。