はじめに(物語の概要)
★★★★☆(見るべき名作)
2011年~2019年シーズン8にて終了予定アメリカHBO放映の中世における七王国戦記
製作者 デイヴィッド・ベニオフ、D・B・ワイス
出演 ●キット・ハリントン(ポンペイ、ゲーム・オブ・スローンズ最終章)
●エミリア・クラーク(ターミネーター:新起動/ジェニシス、ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー、ゲーム・オブ・スローンズ最終章)
●ソフィー・ターナー(X-MENダーク・フェニックス、ゲーム・オブ・スローンズ、ゲーム・オブ・スローンズ最終章)
●ピーター・ディンクレイジ(ゲーム・オブ・スローンズ、ピクセル、スリー・ビルボード、ゲーム・オブ・スローンズ最終章)
●レナ・ヘディ(300<スリーハンドレッド>)
●ニコライ・コスター=ワルドー(ブラックホーク・ダウン、キングダム・オブ・ヘブン、オブリビオン、ダメ男に復讐する方法)
最終章予告編
https://youtu.be/tqx1XIH4lCc
第一章から第六章ダイジェスト版
第七章ダイジェスト版
「ゲーム・オブ・スローンズ」はアメリカのHBO(衛星及びケーブルテレビ放送局)が2011年から放映している人気番組だ。数々の賞と抜群の視聴率を誇る。このドラマは長い間多くのファンを魅了してきたが2019年4月からの第8シーズンで終了した。
「ゲーム・オブ・スローンズ」の意味だがまずスローンズとは王座(Thrones)のことだ。つまり「王座を争って戦う国々の物語」と言える(「七王国の鉄の玉座をめぐっての戦い」と日本では表現されている)。原作はジョージ・R・R・マーティン「氷と炎の歌」だ。
舞台は中性ヨーロッパのような架空の国々がしのぎを削るウェスタロス地区。多くの王や騎士たちが覇権争いを行う群像劇だ。それだけではなくドラゴン、魔女、死者(ホワイトウォーカー)の軍隊など得体の知れない想像上の魔物も登場する。
映画と違ってケーブルテレビならではのエロい場面やグロい場面が制約なく描かれている。残念ながら日本バージョンではボカシでヤバい部分はガードされている。一話10億円またはそれ以上の製作費が投入されている。
CGもレベルが高く、スター級の俳優が総出演し、刻々と変化する壮大なストーリーだけではなく個々の登場人物の生い立ちまで深く掘り下げている。是非、このドラマを見ることをお勧めする。きっとあなたはこれにはまってしまうこと間違いない。
登場人物が多いのでまごつかないように3つのストーリーラインを参考にしてほしい。
1.ロバート・バラシオン王が崩御し、彼の「鉄の玉座」をめぐってウェスタロス地区での戦い。特に後に女王となるサーセイ・ラニスター(レナ・ヘディ)双子の弟ジェイミー(ニコライ・コスター=ワルドー)そして次男ティリオン(ピーター・ディンクレイジ)は注目だ。
2.死者(ホワイト・ウォーカー)の軍隊の脅威から七王国を守ろうとするジョン・スノウ(キット・ハリントン)の活躍。彼はナイト・ウオッチ(冥夜の守人)として「ウォール(壁)」を守る。彼が後半、物語の中心になる。
3.かつては「鉄の玉座」に君臨していたターガリエン家の末裔デナーリス王女(エミリア・クラーク)による活躍。彼女は3頭のドラゴンを操り「鉄の玉座」への返り咲きを狙っている。
このドラマを見はじめ最終章にたどり着いたら、この先を是非読んでほしい。
最終章の見どころ
ホワイト・ウォーカーと死の軍団が壁(ウォール)を突破しウェスタロスの北部に攻め込んでくる。彼らは不死の軍隊だ。普通の武器では倒せない。しかも3頭のドラゴンのうち1頭が相手の手に渡ってしまった。
北部の総帥ジョン・スノウはターガリエン家のデナーリス王女に不死身の軍団と一緒に戦うことを要請する。彼女はこの要請に応じる。ラニスター家の女王サーセイ(レナ・ヘディ)はジョンの申し入れを一度は了承したものの後で反故にする。
女王サーセイの弟ジェイミー・ラニスター(ニコライ・コスター=ワルドー)はこれを不服とし、ジョンとデナーリス王女の軍隊に単身合流する。そしてグレイジョイ家のシオン(アルフィー・アレン)も合流する。
不思議なことに過去敵対していたカタキ同士が集まったわけだ。ホワイトウォーカーと死者の軍団を殺せる武器はバリリア鋼で作られた剣とドラゴングラスで作られたものだけだ。
ウィンターフェル城に全軍が集まるが死者の軍団はこれよりはるかに多い、果たして多くの敵に囲まれた城は陥落してしまうのか。もし、勝てるとすればどんな作戦があるのか?
この最終章での見どころは、ジョンとデナーリスの軍隊がどのようにして死者の軍団と戦うか、誰が生き残って誰が死ぬのかだ。
そしてもし、この戦いに勝ったとしても2万の傭兵を金で雇ったサーセイ女王の軍隊と戦わなければならない。最後に「鉄の玉座」に座るものは誰なのか・・・。
最終章:その後のストーリーとネタバレ「ホワイト・ウォーカーとの戦い」
ジョンとデナーリスはウィンターフェル城を拠点として軍隊を招集する。城の周りに塹壕を掘り、塹壕の中には油を注ぎ込む。いざと言うときには火を放ち火の壁で城を守るようにした。
多くの兵士は城の外に陣取り敵を迎え撃つ。夜明けまじかにナイトキング率いる無数の死者の軍団が現れる。先方隊は武器を構える。「光の王」の女祭司メリサンドル(カリス・ファン・ハウテン)が現れ、魔力を使って武器の先に火をともす。
死者の軍団とウィンターフェル城の軍団が激突する。ところが死者の軍団はひるまない、倒れても倒れても向かってくる。さらに殺された味方の軍隊もナイトキングによって蘇り、死者の軍団に加わり向かってくる。
空からは敵のドラゴンが火を噴き城を襲ってくる。生き残った者を城に呼び込み、塹壕に火を放つ。しばらくは死者の軍団を火の壁が押さえていたがこれも突破される。
城になだれ込んだ死者の軍団は次々と内部の人々を襲ってくる。あと少しでウィンターフェル城は陥落し、すべての住民は殺される運命だ。
最後の時を迎える、ついにナイトキングが現れる。ナイトキングの目的は城を落とすこととブラン(アイザック・ヘンプステッド=ライト)を殺すことだ。ブランは三つ目のカラスを使って過去・現在・未来を見通すことが出来る能力を持っている。奴らにとっては脅威だ。
ナイトキングが剣を抜きブランを殺そうとした時、アリア(メイジー・ウィリアムズ)が木の上から飛び降り短剣でキングの胸を突き刺す。ナイトキングの体は氷のように砕け散る。
それと同時に死者の軍団もすべて倒れる。城が落ちる寸前だった・・・。この戦いで、ジョラー・モーモント(イアン・グレン)、シオン他多くの戦死者を出した。勝ったとは言えどもあまりに多くの犠牲者を出した戦だった。
最終章:ターガリエン家とラニスター家、女王たちの戦い
ターガリエン家のデナーリス女王はラニスター家のサーセイ女王に「門を開けて降伏しろ」と圧力をかける。ところがサーセイはその申し出をあざ笑い、捕らえたミッサンデイ(ナタリー・エマニュエル)の首を切って城門から落とす。
これを見たデナーリスはラニスター家を都市もろとも焼き尽くすと心に誓う。二頭のドラゴンのうち一頭はユーロン・グレイジョイ(ピルウ・アスベック)率いる艦隊の武器(巨大な鉄の弓矢)によって倒される。
デナーリス女王は最後に残ったドラゴンに乗り、グレイジョイの船団を壊滅させ、キャスターロックの城門も破壊する。デナーリス女王とジョンの軍団が都市になだれ込む。この時点で戦いの勝負はついた。
ところがデナーリスは戦いを止めない。ドラゴンに乗り都市と城を焼き尽くす。サーセイは城から逃げる途中に助けに来たジェイミーと落ち合うが時すでに遅く、二人は破壊された建物の下敷きになって亡くなる。
ドラゴンに焼き殺された多くの市民や破壊された都市、城を目の当たりにしたジョンは茫然と立ち尽くす。実はジョンはネッド・スターク(ショーン・ビーン)の落とし子(私生児)ではなく、ターガリエン家の最後の男系後継ぎだったのだ。
ジョンは愛しているデナーリスが残酷な心の持ち主であることを思い知る。デナーリスの「王の手(王の補佐役)」であるティリオンも彼女を信用せず、抹殺すべきとジョンにささやく。
デナーリスは「鉄の玉座」の前で勝利を祝福し、愛するジョンと抱き合う。しかし、彼は短剣で女王を刺し殺してしまう。茫然とするジョンの前にドラゴンが現れ、「鉄の玉座」を炎で溶かし尽くすと亡骸を掴んで何処かに飛び立ってゆく。
戦いが集結し関係者が集まって事後を協議する。女王を殺したジョンは死罪を免れ、彼の育った「ウォール(壁)」のナイト・ウオッチとして赴任することになる。彼は野人たちに温かく迎え入れられる・・・北の地での新たな門出だ。
破壊された王都に拠点を置く「6王国の王」としてブランが王になる。彼は下半身不随であることから「不自由王」と呼ばれる。王の手はティリオンが務める。サンサは女王となりウィンターフェルを治め独立する。末娘のアリアは船を調達して西へと冒険の旅に出る。
レビュー
約10年近く続いた海外ドラマが終わってしまった。非常に残念だ。前半は中世のヨーロッパのような舞台、王と騎士たちが「鉄の玉座」を争って血で血を洗う仁義なき戦いだ。しかし後半になるとドラゴン、魔女、死者の軍団などが盛り込まれファンタジーワールドになっている。
間違って後半だけ見たら、なにこれと思ってしまう。前半が重厚な物語だけに後半が全く変わってしまった点にショックを感じた視聴者も多いと聞く。賛否両論あるが僕としてはこのファンタジーワールドも悪くはないと思う。
このドラマを通して続々とスターが出ている。キット・ハリントン、エミリア・クラーク、ソフィー・ターナー、ピーター・ディンクレイジなどだ。特に無名だったキット・ハリントンの躍進は目覚ましい。彼らには今後さらに飛躍してほしいね。
ところで、結末について僕はやや失望した。原作はまだ最終章まで書かれてないらしい。だから原作との比較は出来ない。が、後半から目覚ましい活躍をしてきたジョン・スノウ(キット・ハリントン)が結末で一人寂しく北の地に左遷される。
これではあまりには寂しすぎる。ジョン・スノウを七国王のキングにしてもよかったのでないだろうか。これにてハッピーエンドで幕を閉じるストーリーが万人に支持されるように思う。でもこれでは当たり前すぎて面白くないと制作者サイドは考えたのか。結末がやや軽すぎる点は残念だね。
この海外ドラマは日本ではそれほどブレイクしなかった。でも、まだ見ていない人には是非お薦めする。はまること間違いないと思うよ・・・今からでも遅くない。
TATSUTATSU
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