ホラー

映画「シャッター」感想・評価:心霊写真をテーマにした悪霊に憑りつかれた男の物語

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2008年日本公開のアメリカ製作ホラー映画
監督 落合正幸(パラサイト・イヴ、感染、リング、シャッター)
出演 ●ジョシュア・ジャクソン(FRINGE/フリンジ、シャッター)
●レイチェル・テイラー(トランスフォーマー、シャッター)
●奥菜恵(シャッター)

シャッター 予告編 -Shutter-

 

この映画は「心霊写真」がテーマになっている。日本人の監督によるスピリチュアル・ホラーだ。2004年に公開されたタイのホラー映画「心霊写真」のリメイクとなる。そこそこ怖いのでお薦めだ。

「心霊写真」とは霊、エクトプラズム、死神、神仏などが写っている写真のこと。「心霊写真」の多くはレンズフレアとか類像現象、多重露出、カメラアングルの問題など撮影ミスによるものが多い。しかし、説明のつかないものもあることは間違いない。

「心霊写真」かどうかの判断は専門家や霊能者の鑑定が必要となる。「心霊写真」は高値で取引されるため、トリックによるものが多く、あなたもダマされて買わないこと。

「心霊写真」「幽霊写真」「UFO写真」「地球外生命体写真」などはちまたにあふれている。この中から本物を見つけるのは容易ではない。しかし、あまり深入りすると悪霊に憑りつかれるかもしれないよ。

話しのスジを少し紹介すると。アメリカのブルックリンに住むベン(ジョシュア・ジャクソン)とジェーン(レイチェル・テイラー)は新婚旅行と仕事を兼ねて日本に来る。

ところがコテージに向かう途中に山道で女性をはねてしまう。車は女性をよけようとしたため土手に落ちる。気が付いてあたりを探してみても女性は見つからない。不思議だと思いつつコテージに宿泊する。

それ以降ベンとジェーンが撮る写真に白い霧のようなものが映る。最初は撮影ミスだと思ったが次第に気味悪くなってくる。「心霊写真」ではないのか・・・。

ジェーンはベンの写真撮影のアシスタント、セイコの紹介でリツオに会う。彼はオカルト雑誌を出版していた。彼によると「心霊写真」のほとんどはフェイクだが貴重な本物もある。

彼は大切に保管された本物の「心霊写真」を見せてくれた。「心霊写真」は19世紀から存在している。霊は何かを伝えたくて寄ってくる・・・例えば報われない愛、家族への強い思いなどだ。写真は霊との接触の証拠。そして彼らからのメッセージだ。

たまに生きている人の魂が写ることもある。村瀬は強い霊力を持った霊媒師だ。彼でないと「心霊写真」が本物かどうか見極めることが出来ない。しかし、ポラロイド写真は細工できないから本物と言えるはずだ。

ベンはプロのカメラマンだ。モデルを使った大切な写真に白い影が写っている。写真はすべて台無しだ。そして、ベンはひどい肩こりに悩まされる。病院に行くが特に異常は見られない。まるで何かが肩に乗っているような感じだ。

ベンは昔付き合っていたメグミ(奥菜恵)の幻影を見る。ジェーンも同時にメグミの姿を見ていたのだ。彼女は霊媒師に除霊してもらおうとベンと村瀬(山本圭)を訪ねる。

村瀬は白い影が写っている写真は「心霊写真」だと言う。そして強い怨念を感じると・・・突然「何故、彼女を捨てた」「どうして彼女を助けなかったのか」と叫ぶ。ベンはいたたまれなくなって部屋を出る。

果たしてベンはメグミに呪われているのか、そしてベンとメグミの間にいったい何があったのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

ジェーンはベンとメグミに何があったのか調べようとする。過去にベンとメグミは恋人同士だったが破局した。でも彼女は執拗にベンに付きまとう。限界に来ていたベンは二人の友人にメグミをレイプさせる。それ以降彼女は消えた。

ジェーンとベンはメグミの家を訪ねることにした。ところがメグミは服毒自殺を図り、死体はミイラ状になっていた。それ以降メグミの亡霊は二人を襲う。さらにベン達がメグミにヒドイことをしたことがジェーンに知られてしまう。ジェーンはベンから離れてゆく。

ある日、ベンがポラロイドカメラで自分を撮った写真を見て血の気が引く。ベンの首の上にメグミが乗っているのだ。ベンは首から彼女を剥がそうと暴れ回る。そして気がふれたように真っ赤になったストロボのライトを自分の首に押し当てる。

ベンは完全に正気を失い、精神病院に入れられる。ガラスに映ったベンの肩にはメグミが抱き着いているのが見える。

レビュー

「心霊写真」がテーマだが凄まじい怨念を持った悪霊が自分に一生付きまとう恐怖にちびりそうだね。首が痛い、肩がこって困る人は一度見てもらった方がいい。ひょっとしたら何かが憑りついているかもしれない。

僕の知り合いで幽霊の見える男がいる。彼は時々、人に憑りついている亡霊を見ることがあるそうだ。幸いにも僕にはくっ付いていないそうだがもし「いるぞ」と言われたらどうしよう。

           「降霊」

しっぷを剥がすようにはいかない。そんな時は少々うさん臭いけど霊媒師に除霊してもらうしかないのかな。でも見えないならほっといてもいいかも・・・。

TATSUTATSU

映画「ザ・ワーズ盗まれた人生」感想・評価:作家を夢見る人々への心温まるヒューマンドラマ前のページ

映画「ミラーズ」感想・評価:鏡の中の悪魔は生きた人間の魂を吸い取ってしまうのか次のページ

関連記事

  1. ホラー

    「ジェーン・ドウの解剖」映画の感想・評価‐解剖した美しい女性の恐るべき正体

    サマリー2017年日本公開のアメリカ製作 モルグ …

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気記事

アーカイブ

最近の記事

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
  1. アニメ

    アニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」感想・評価:滑らかな動きと複…
  2. ミステリー小説

    ミステリー小説「夢と現実が直結する時」正夢や予知夢はありうるのか
  3. トピックス

    辰々の第92回アカデミー賞まとめ:2020年受賞作を分かり易く解説、気になる作品…
  4. SF

    映画「プリデスティネーション」感想・評価‐大どんでん返し系タイムパラドックスだ
  5. ミステリー小説

    ミステリー小説「自然と一体化する恐怖」自然の中に溶け込み自分を一瞬見失ってしまう…
PAGE TOP