SF

映画「ザ・マミー/呪われた砂漠の女王」感想・評価:トム・クルーズにセトの亡霊が乗り移り最強のモンスターになるのか


サマリー

2017年7月 日本公開のアメリカ製作アクション・アドベンチャー映画
監督 アレックス・カーツマン(ザ・マミー/呪われた砂漠の王女
出演 ●トム・クルーズ(ジャック・リーチャーミッション:インポッシブルマイノリティ・リポートオール・ユー・ニード・イズ・キルオブリビオン インタビュー・ウィズ・バンパイア
●アナベル・ウォーリス(アナベル 死霊館の人形、キング・アーサーザ・マミー/呪われた砂漠の女王
●ソフィア・ブテラ(キングスマン、スター・トレック BEYOND、ザ・マミー/呪われた砂漠の女王
●ジェイク・ジョンソン(ジュラシック・ワールドザ・マミー/呪われた砂漠の王女
●ラッセル・クロウ(L.A.コンフィデンシャル、グラディエーター、ビューティフル・マインド、ノア約束の舟ザ・マミー/呪われた砂漠の女王

トム・クルーズ、王女ミイラと対決!『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』予告編

一言で言うと「インディ・ジョーンズ」のようなアクション・アドベンチャーだ。だからこんな映画が好きな人とトム・クルーズのファンにはお薦めだ。

批評家からは酷評されているけどそんなに悪い映画ではないし、世界中で大ヒットしている。ただストーリーはありきたりだから、映画に深みがないのは事実だ。僕は「インディ・ジョーンズ」が大好きだから楽しく見させてもらった。

まあ、金のかかったノンストップ・ホラーアクション映画を楽しめばいいと思うよ。グロいシーンも少ないから家族連れでもオッケーだ、でもちいちゃい子は怖くて泣いちゃうかも・・・。

1920年代から1950年代にかけてユニバーサル・スタジオがホラー系モンスター映画を世に送り出し、一時代を築いている。今回はそれらをリメイク或いはリブートするようだ。

この作品は1932年に公開された「ミイラ再生」のリブート版で、ダーク・ユニバースとしては第一作目に当たる。第二作目はハビエル・バルデム主演の「フランケンシュタインの花嫁」、第三作目はジョニー・デップ主演の「透明人間」が決まっているようだ・・・楽しみだね。

僕なんかじじいだから昔のモンスター・ホラー映画が懐かしく、ミイラ復活の恐ろしさを思い出しながら拝見させてもらった。果たして、これらのクラシック・モンスターが今の若い人たちに受けるかどうかだ・・・かえって新鮮でいいかも。

物語のスジを少し紹介すると、古代エジプトにおいて王女アマネット(ソフィア・ブテラ)は次期女王の座が約束されていた。

ところが父親であるファラオに息子が出来てしまう。アマネットはひそかに死の神「セト」と契約を交わし、「セト」をこの世に甦らさせようと父と幼い弟を殺す。

しかし彼女は「セト」を再生させる儀式の最中に捕えられ、生きながらに棺に閉じ込められる極刑に処される。

5000年後、米軍のニック・モートン(トム・クルーズ)は考古学者ジェニー(アナベル・ウォーリス)の宝の地図を盗み、偶然にも王女アマネットの棺を発見する。王女は封印が解かれ、死の神「セト」の復活にニックの体を選ぶ。

王女の棺をイギリスに運ぶ途中、輸送機がカラスの大群に襲われ墜落する。ジェニーはパラシュートで辛うじて脱出出来たが、ニックは飛行機と共に墜落する。ところが彼は一人だけ無キズで生き返る。

棺から抜け出したアマネットは周りの人間の生気を吸い取り復活する。そしてニックのもとに現れる。彼女はニックを押さえつけ呪われた短剣を振りかざし、彼の胸を突き刺そうとする・・・果たしてニックはどうなってしまうのか・・・。

サブキャラクターとしてヘンリー・ジキル博士(ラッセル・クロウ)が重要な役で出て来る。彼は心の中に善⇒ジキルと悪⇒ハイドの2つの人格を持っている。彼が率いる組織とは、彼はニックの味方なのか・・・。

ストーリー

イギリスのロンドン、地下鉄工事中に大規模な遺跡が発掘される。良く調べてみると十字軍としてエジプトに遠征した修道士たちの墓らしい。その墓の中から赤く光る「オシリウス石」が発見される。

時は遡り、古代エジプトにおいて王女アマネット(ソフィア・ブテラ)は次期女王の座が約束されていた。ところが父であるファラオ(王)に息子が生まれてしまう。

我を忘れた王女アマネットは死の神「セト」を復活させる契約を交わしてしまう。彼女の瞳は4つに分裂し、呪われた短剣でファラオと幼い弟を殺害する。そして「死者の書」に記された魔術で「セト」を復活させる儀式の最中に捕えられる。

彼女は生きながらにしてミイラにされる極刑に処され、強固な棺に閉じ込められたままエジプトから遠く離れた中東の地に葬られる。

それから5000年後、米軍の兵士ニック・モートン(トム・クルーズ)は相棒のクリス(ジェイク・ジョンソン)と考古学者ジェニー(アナベル・ウォーリス)から盗んだ宝の地図を頼りに戦闘の激しい中東の地に訪れる。

彼は偶然にも地下の遺跡を発見する。その時、ジェニーが現われニックは罵られるが平謝りするしか手立てがない。ニックとクリスは彼女に協力を申し出る。

遺跡には王女の墓があり、墓は6体の石像に囲まれ水銀のプールの底に沈められていた。水銀は悪の力を弱めると信じられている。彼らが発見した遺跡は墓ではなく「牢獄」だったのだ。

ニックは美しい女性から「私の選びし者」とささやかれたような不思議な感覚にとらわれる。そして彼は封印を解いてしまう。さらに墓場には多くの毒グモがいてクリスは首を噛まれる。

彼らは王女の棺をロンドンに持ち帰る手はずを整える。棺は米軍の輸送機に乗せられ、同行するニック達とロンドンに向かう。ところが毒グモに噛まれたクリスは輸送機の中で暴れ、ニックに撃ち殺される。さらに飛行機はおびただしいカラスに襲われる。

飛行機のジェットエンジンが破壊され、輸送機は急速に降下してゆく、ニックはジェニーにパシュートを取り付け辛うじて脱出させる。輸送機はニック達を載せたままロンドン郊外に墜落する。

輸送機の残骸の中に棺が破壊されずに残っていた。その棺の中から王女のミイラが現われ、周りの警備人に襲いかかる。彼らの生気を吸い込んだ王女は徐々に女性へと再生してゆく。

一方飛行機の墜落によって即死したはずのニックが無傷のままで生き返る。ジェニーはびっくりするが彼に「棺の中にはアマネットと言う王女が封印されている」「彼女はファラオと幼い弟を殺害し、死の神と契約したことが書かれてあった」と話す。

その時、亡霊となったクリスがニックの前に現れる。彼はニックにしか見え無いようだ。クリスは「俺たちはアマネットに呪われた。お前は選ばれたんだ」と言い、消えてゆく。

ニックはジェニーを伴って修道院に向かう。そこにはなんと再生したアマネット王女がいて、ニックを捕え「死の神セト、あなたをこの人間の肉体に迎えます」と短剣でニックの胸を突き刺そうとする。果たしてニックはどうなるのか・・・・。

ネタバレとレビュー

ニックが殺されようとした時、謎の一団が現われ、アマネットを捕獲する。そして麻酔銃で撃たれたニックも連れ去られる。

気が付いたニックの目の前にはヘンリー・ジキル博士(ラッセル・クロウ)と名乗る男が現われる。彼は「プロディタジウム」と呼ばれる組織のリーダーでジェニーもその一員だったのだ。この組織は「悪を見つけ、捕まえ、調べて、破壊する」ことが目的であった。

彼はメネフトラ王の娘アマネット王女を捕え、水銀を体中に流し、悪の力を弱めて鎖でつないでいた。ジキル博士の企みは「セト」をニックの体に乗り移らせ、彼を殺すことだ。

そんなジキル博士だが話している途中に突如として凶悪なハイドの人格が表に出てきて、ニックを襲う。ニックとハイドが戦っているスキをみて、アマネットは一匹のクモを操る。施設のオペレーターの耳にクモを忍び込ませ、彼をコントロールする。

アマネットは鎖を解き、ロンドンの町へと逃走する。アマネットは修道士たちの墓から赤く光る「オシリウス石」を見つけると短剣の柄の部分に取り付ける・・・儀式を始めるつもりなのだ。

ニックとジェニーも王女のあとを追う。彼らはアマネットのしもべに襲われながら王女に追いつこうとするのだが途中、水路の中で亡霊たちに襲われ、ジェニーがおぼれて死んでしまう。

再びニックはアマネットと対峙し彼女から短剣を奪うと、柄の部分のオシリウス石を破壊しようとする。破壊すればこのままセトが自分に乗り移ることが出来なくなる。ニックはどうしてそれを翻意したのか短剣で自分の胸を刺す。

彼には死神「セト」が乗り移りモンスターになる。強大な力を得たニックはアマネットの口から生気を吸い取る。アマネットは再び干からびたミイラに戻る。

モンスターへと姿を変えたニックはジェニーを生き返らせると、彼女に背を向けてどこかに消えてゆく・・・。彼の心の中には善と悪が存在し、これからそれと闘ってゆかねばならない。アマネットのミイラはジキル博士によって水銀の中に封印される。

B級モンスター映画がハリウッドの力によってよみがえったようだ。ニック(トム・クルーズ)はいったいどんなモンスターになるんだろうか?多分また、次回作等で出て来るかも知れないね。

今回はミイラが主役だけどジキルとハイドも出てきたりしてにぎやかだった。たぶんそのうちにモンスター大集合なんてことがあるのか・・・楽しみだ。

今回トム・クルーズが若々しく感じた、彼はもう55才だけど40代に見えた。それにアクションも健在だ、もうしばらく彼の時代が続くかもしれない。歳はとってもそれをスクリーンに出さないよう工夫するのがハリウッドと言うところなのかな。

トム・クルーズのお薦め・必見SF映画ベストファイブ

映画「バリー・シール/アメリカをはめた男」感想・評価‐トム・クルーズが破天荒な実在の男を演じる

 

TATSUTATSU

「スノーデン」映画の感想と解説:一般市民の監視を暴露した彼は英雄か犯罪者か前のページ

サイバー犯罪映画ベストテン:あなたの身近に迫りくる凶悪ハッカーから身を守れ次のページ

関連記事

  1. SF

    映画「キング・アーサー」感想・評価‐新感覚ドラマと迫力ある映像・音楽に酔いしれる

    サマリー2017年6月日本公開のアメリカ・イギリス…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気記事

アーカイブ

最近の記事

2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  
  1. SF

    映画「アルカディア」感想・評価:最期の最後までオチが分からないディストピアドラマ…
  2. SF

    映画「リディバイダー」感想・評価:ダン・スティーヴンスが出ていなければ誰も見ない…
  3. 海外ドラマ

    海外ドラマ「12モンキーズ」感想・評価:殺人ウイルスをまき散らしたのは誰か未来・…
  4. ホラー

    映画「マリグナント 狂暴な悪夢」感想・評価:斬新なアイデアが詰め込まれたアクショ…
  5. SF

    「インターステラー」映画解説・評価:人類は生存可能な星に移住出来るのか?
PAGE TOP