サマリー
2015年公開のアメリカン・アクション映画、監督はサイモン・ウェスト、主演はジェイソン・ステイサムである。原作はウィリアム・ゴールドマンの小説「ヒート」の再映画化である。
ジェイソン・ステイサムが出てくると、どうしてもアクション映画を期待してしまう。アクション映画には違いないが、今回少し毛色が異なる。
ラスベガスのギャンブルとアルコールに取りつかれ落ちぶれた男が、昔の彼女からの依頼でイタリアンマフィアをこらしめる物語である。
あらすじや拳銃を使わずに、近くにある道具を使って敵をやっつけるアクションはディンゼル・ワシントンの「イコライザー」によく似ており、先を越された感は否めない。
ストーリーをマフィアの抹殺に絞ればよかったのだが、これにギャンブルやらIT億万長者の用心棒やらのエピソードが入り込み、水っぽいウイスキーのような映画になってしまっている。
僕は映画の盛りあがりを期待しつつ、結局最後まで見てしまったが、僕の思うシーンはついに出てこなかった、寂しいかぎりである。
ジェイソン・ステイサムのファンかアクション映画が好きな人にしかお薦め出来ない。
ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、ニック・ワイルド(ジェイソン・ステイサム)は元軍隊のエリート兵士であったが、今は落ちぶれラスベガスで用心棒稼業を生業にしている。
彼のところに、昔の彼女ホリー(ドミニコ・ガルシア=ロリド)から連絡が入る。彼女はダニー・デマルコ(マイロ・ヴィンティミリア)と言う男にレイプされ半殺しにされたと顔のキズを見せる。
そしてニクイあいつを懲らしめてほしいと懇願する。ニックは高級ホテルに泊まっているダニー・デマルコを調べてみた、ところがあいつはイタリアンマフィアにつながる恐ろしい男であることが分かった。
ニックはこの事実を知ってしり込みをする、ダニー・デマルコを懲らしめることは出来るが、報復を考えるとラスベガスから逃げなくてはならないからである。
そんな時に、ひ弱な男サイラス・キニック(マイケル・アンガラノ)から用心棒を依頼される。彼はIT業界で成功し億万長者なのだがニックのような強い男に憧れていた、そして彼を尊敬していた。
果たしてニックはホリーの依頼を受けるのか、映画を観てからのお楽しみである。
ネタバレ
ニックはホーリーの依頼をしぶしぶ受ける。まず、ダニー・デマルコの宿泊しているホテルを訪ねる、相手を油断させておいて部屋に入った途端、二人のボディーガードをかたずける。
そしてニックはダニーを縛り上げておいて、ホーリーを部屋に入れる。彼女はバッグから大きな園芸ばさみを取り出し、憎いあいつのナニをちょん切ろーとする。
ダニーは泣き叫ぶように許しを乞い、5万ドルが机に入ってるから持って行けと言う。彼女は金を受け取りニックと部屋を出てゆく。
ニックは山分けにした金でカジノにのり込む、そして一世一代の大勝負にでる。彼はツキにツキまくる、最終的には50万ドルにまでなる。
ここで止めて、換金しようとするものの、ギャンブルの虫が収まらず、全額を賭けて一発勝負に臨む。その結果裏目に出て、一文無しに戻る。彼は悔やんでも悔やみきれない、ギャンブル依存症から逃られないことを自ら悟る。
そんな、ニックの度胸のある行動を見ていたサイラスは彼を慰める。サイラスは大いに興奮し本当の男を見たと
彼を称賛する。
次の朝ニックはいつものカフェで朝食をとる、そこにサイラスが現れ、彼に用心棒代として封筒を渡す。中を開けてみると、ニックが思い描いていた憧れの場所への航空券と50万ドルの小切手が入っていた。
そこに、ダニーが子分を連れて報復に来る、サイラスが大声を出して注意をそらしている間に、ニックは裏口から逃走する。
ダニー達が裏口から出たところを見計らって、屋根に隠れていたニックは飛び降りながら、手に持った食事用のフォークとナイフで応戦する。
あっと言う間の出来事で、ダニーと子分達は血祭りあげられる。相手は銃を持っていたが、ニックはフォークとナイフだけで敵を全員仕留める。
彼は欲望の町ラスベガスからやっと離れられる決心がついた。もう二度とここに足を踏み入れることはないだろう。
レビュー
映画とは面白いもので、どんなにいい作品でも、ネタを先取りされてしまうと新鮮味が半減してしまう。冒頭にも書いたが、この作品は「イコライザー」に何となく似てしまっている。
ジェイソン・ステイサムのアクションはキレがありさすがだと思わせるが、アクションだけでは映画は成り立たないね。
それに億万長者の青年が、ニックに50万ドルのボーナスを出すところは、あまりにも非現実すぎる。もっとなーるほどと思うオチを考えて欲しかったね。
ニックの頭の中には、常に海に浮かぶクルーザーが出てくる、彼としては自分の夢をかなえたわけだが、引退してしまうにはあまりにも若すぎない?・・・・。
ところでサイラスは十代のころにITの仕事で7,000万ドル稼いだと言っているね、そんなに稼げるものなのかソフト業界は・・・・うらやましいけどパソコンオンチの僕にはとても無理だね。
辰々
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