邦画

映画「約束のネバーランド」感想・評価:奇想天外な物語とどんでん返しの連続に興奮

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2020年12月公開のSFサスペンスドラマ
監督 平川雄一朗
原作 白石カイウ、出水ぽすか漫画「約束のネバーランド」
出演 ●浜辺美波
●城桧史
●板垣李光人
●北川景子
●渡辺直美

映画「約束のネバーランド」【予告】12月18日(金)公開

 

世界で2600万部を突破した大ヒット漫画の実写映画化。原作は白石カイウ、出水ぽすか漫画「約束のネバーランド」だ。2019年にテレビアニメにもなっている。

内容はグロイがアニメ版・実写版共に子供でも見られるようソフトにしているところがミソ。僕は原作漫画は見ていないがテレビアニメを見てファンになっている。でも文句をひとこと言わせてもらえば、「実写版はテレビアニメと一緒じゃないか」となる。

「ネバーランド」とはファンタジードラマのピーター・パンに出てくる架空の島国だ。親とはぐれ年を取らなくなった子供たちが妖精とともに暮らす。でも海賊やレッド・スキンと言う部族も住んでいる。

「ネバーランド」のイメージとして「永遠の子供」「不老不死」「現実逃避」などだが子供ばかりではなく大人でもあこがれる。なんせ勉強も仕事もしなくていいからだ。こんな夢の島でいつまでも楽しく冒険しながら暮らして行ければベストだが・・・大人になればこんな非現実な島は忘れてしまう。

「孤児院」グレイス=フィールドは各地から孤児がここへ送られてくる。ここではママと呼ばれるシスター・イザベラ(北川景子)が母親のように子供たちを愛し育てる。子供たちは特殊な勉強で脳みそを鍛えあげられる。彼らは6歳から12歳になると里親のもとに引き取られる。(映画では12歳の上限が16歳になっている)

ところが年長者のエマ(浜辺美波)、レイ(城桧史)、ノーマン(板垣李光人)は自分たちが鬼の食用として飼育されている「食用児」であることを知ってしまう。エマ、レイ、ノーマンは天才児だ。彼らはこの孤児院から逃げる方法を考える。

グレイス=フィールドの周りは高い壁で覆われ、かべの外には深い堀がある。そして堀の外は不気味な森になっている。その森の中にはいったい何がまっているのか・・・。果たして天才児たちは年下の子供たちを連れてどんな方法で逃げるのか・・・。

映画ではここまでが描かれている。多分続編が作られると思うが、逃げ出した後も魅力的なストーリーが待っている。どんでん返しの連続で見ているものを飽きさせない。鬼は人間を食べないと退化してしまう。そのため出来るだけ知能の高い子供たちを食すれば高等な鬼を維持できる。

人間は生きていくためには生き物を殺し食べなければならない。現実世界では人間は生き物の頂点に君臨している。しかし、この世界では人間は食われる側になっている「進撃の巨人」と同じ発想だ。この逆転発想が物語に緊張感を与えている。

この世界の鬼とはいったいどんな生物なのか。大人の人間はこの世界にいるのか、そして子供たちを導くミネルヴァとは何者で実在するのか、グレイス=フィールドの外側には子供たちの楽園「ネバーランド」は存在するのか・・・。謎が謎を呼ぶ予想を裏切る展開にハラハラする。あなたもこの意味不明な世界にどっぷり浸かってみてはどうか。

TATSUTATSU

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