サマリー
2015年日本公開のポルトガル映画
監督 マノエル・オリヴェイラ
出演 ピラール・ロペス・デ・アジャラ
リカルド・トレパ
106歳で亡くなった、ポルトガルの巨匠マノエル・オリヴェイラ監督の作品だね。
この小品は監督が101歳(2010年)の時に作られたもので、この高齢にしてみずみずしい物語が撮れるとは「凄い」の一言である。
ただ、芸術作品とは言えるが、興行的にはなかなか難しい作品なかもしれない。このため2010年に作られているのだが、日本公開は5年後の2015年になっている。
素朴な映画なのでCG、アクション系映画を観慣れた人には不向きだね。
自然豊かなポルトガルのドウロ渓谷を背景にして物語が静かに進行してゆく。
雨が降りしきる夜中の街、写真館の前に車が止まる。車から出て来た大富豪ポルタシュ館の執事は、真夜中にもかかわらず至急、館に来て写真を撮って欲しいと言う。
ところが写真館の店主は出張中でいない、そこに通りかかった男が写真が趣味の青年イザク(リカルド・トレパ)を紹介する。
イザクは大富豪の館に呼ばれる。
そこには、死人とは思えないほど美しい女性アンジェリカ(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)が着飾って長椅子に横たわっていた。
イザクはアンジェリカの美しさに心を奪われる。そして彼がカメラを彼女に向けて写真を撮ろうとした時、死人の彼女は一瞬ではあるが、目を開けイザクに微笑んだように見えた。
その時からイザクはアンジェリカのとりこになってしまう。
彼は放心状態で食事ものどを通らない、夜には彼女の夢を見てうなされる。
イザクが住んでいるアパートの大家や同じアパートの住人達も心配する。
死人を愛してしまったイザクはいったいどうなるのか・・・・。
ネタバレとレビュー
日本や海外にもこれによく似た物語はあるね。
亡霊を死人とは知らずに愛してしまい、やせ細って行く主人公・・・そして徐々にあの世に連れてゆかれるのか。
イザクはアンジェリカの写真を撮ろうとして、死んだばかりの彼女の魂までも写真に収めてしまったのか?
彼はアンジェリカと抱き合いながら空を飛ぶ夢を見る。
そして彼の夢の中にはいつもアンジェリカが現れ、うなされる。
さらに彼女はイザクのアパートまで現れるようになる・・・彼女は彼にしか見えない。
イザクはブドウ畑をさまよい、突然倒れる。
彼は医者によってベッドで治療を受けるが、夢遊病者のように立ちあがり、アンジェリカの魂に連れられ天に昇って行く。
後には死体となったイザクが横たわっていた。
この映画ではアンジェリカが何故死んだのか、病気なのか、自殺なのか・・・明確にされていない。
彼女には夫がいた、それなのに何故彼女はイザクを選んだのか・・・これも明確にされていない。
イザクの魂はアンジェリカと幸せそうに抱き合って天に登って行く・・・これが究極の愛(絶対愛)なのか。
ピラール・ロペス・デ・アジャラは凄い美人なんだけど、何故イザクは死んでもいいほど死人の彼女を愛せたのか・・・このへんは映画を観て自分で考えるしかないね。
TATSUTATSU
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