SF

映画「惑星ソラリス」感想・評価:ロシアの巨匠タルコフスキーの最高傑作だ

サマリー


この作品は1972年にロシアの巨匠アンドレイ・タルコフスキーが監督した作品である。スタニスラフ・レムの原作で、僕は映画も観ているし、原作も読んでいる。(原作はほとんど忘れてしまったが)

惑星ソラリス Solaris 1972

2002年のスティーヴン・ソダーバーグによるリメイク

ソラリス 予告編 -Solaris-

当時としてはかなりのお金をかけたSF映画で、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」とよく比較される。

ストーリー

ストーリーは、宇宙のかなたにある惑星ソラリスは、理性を持った有機体と推測されるプラズマの海によって被われている。

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世界中の科学者がこの海の謎を解明しようと何世紀にもわたって接触を試みているが失敗に終わっている。原作ではソラリス学といわれる学問分野まで作られ長い間研究が続いている。

この有機体の海に強力なX線照射が行われ、この実験以降不思議な現象が起こるようになる。最初は海に巨大な赤ん坊が浮かんでいるのを宇宙飛行士が目撃し、写真を撮るが何も写っていない。

宇宙飛行士は気違い扱いされる。ではなかったかと思われる。(申し訳ないが記憶が薄れている。)

宇宙ステーションで異変が生じ、主役の心理学者クリス(ドナタス・バニオニス)が派遣される。この現象は心理学者の身にも及ぶ。

10年前に自殺した妻ハリー(ナタリア・ボンダルチュク)が目の前に現れ、心理学者は次第にこの妻によって神経をすり減らされ、正気を失ってゆく。

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つまり、有機体の海は人間の潜在意識を探り出し、心の大きなキズを実体化させる能力を持っている。

心理学者の心の最も深いキズは妻の自殺であったらしい。この現象は惑星の自己防衛本能かもしれない。

宇宙ステーション「プロメテウス」号の乗り組み員の中には既に自殺したものもいた。また、得体のしれない物が動き回っていた。

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果たしてクリスは無事に地球に帰ることができるのであろうか、それとも「妻ハリー」と思われる物体に飲み込まれてゆくのか?

レビュー

現在観てみると、セットや映像は必ずしも素晴らしいとは言えないのでがっかりするかもしれない。しかし40年以上昔の作品であることを考えると、当時としては、斬新なものであったと思われる。

2002年にスティーヴン・ソダーバーグによってリメイクされている。

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この作品は映像はきれいであるがスタイリッシュな小品にまとめられすぎてあまり高い評価が得られていない。SFファンとしては、このタルコフスキーの作品を観ておく必要があると思う。

この映画も、あとから出てくるSF映画に大きな影響を与えている。

人間の心の奥深くにあるキズが実体化された場合、その物体と正面から向き合うことが出来るのであろうか、怖いテーマである。

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最後に、タルコフスキーは大の親日家で、黒澤監督とも親交があったとのことである。冒頭の車が高速道路を走るシーンは40年以上前の首都高である。

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