サマリー
2015年公開のアメリカSF映画、監督はウィリアム・ユーバンク(地球、最後の男)、主な出演者はブレントン・スウェイツ(ギヴァー記憶を注ぐ者)、オリヴィア・クック、ボー・ナップそして名優ローレンス・フィッシュバーン(マトリックス、ハンニバル)である。
低予算映画であるが、物語に引き込まれ楽しみな監督が出てきたなと感じる。映像が非常にきれいで、彼に青春映画を撮らせてもかなりのレベルの作品を作るかも知れない。
男2人と女1人の3人組の若者が車でカリフォルニアまで旅をする。そして旅の途中で地球外生命体と接触したため地下深い特殊な研究施設に隔離されてしまう。
研究施設では所員は全員、防護服を着用している。三人はバラバラに隔離され取り調べを受ける。ところが若者たちは、一人は機械の腕を取り付けられ、一人は機械の脚を取り付けられていることに気付く。
彼らはこの研究施設から脱走し、近くの町に逃げ込むが町の様子がどうもおかしい。追っ手は彼らを確保しようと執拗に追っかけてくる。
果たして彼らは追っ手をかわし、無事逃げ切ることができるのか、そして彼らに取り付けられた機械のパーツは何のためなのか・・・・。
結末が予想もつかない、大どんでん返しである。僕は最後までだまされた。この映画の結末を途中でわかった人は天才と言ってもいいかもしれない。
不思議な魅力を持った秀作である。是非観て頂くことをお勧めする。
ストーリー
ストーリーを紹介すると、足の不自由なニック(ブレントン・スウェイツ)と恋人のヘイリー(オリヴィア・クック)、ニックの親友ジョナ(ボー・ナップ)はカリフォルニアに向かって車で旅をする。
ニックの足は少しずつ悪くなってゆく、将来ヘイリーの重荷になることが分かっていることから、恋人と別れることも考えている。
モーテルの宿で、彼らが追っかけている天才ハッカー「ノーマッド」からメールが届く。ノーマッドはマサチューセッツ工科大学のサーバーへの侵入に成功する程凄腕であった。
彼らは「ノーマッド」にメールを送りつつ、信号を探知し彼との接触を試みようと画策した。信号を追ったところネバダ州であることが分かり、旅の途中に寄ることになった。
車でその場所に行くと古ぼけた一軒家があり、彼らはそこを調査するが、車に待たせた彼女の悲鳴が聞こえ、駆け付けると・・・・彼女は空に舞っていた。
そこから彼らの記憶は無く、気が付くと変な研究室とも思われる建物に隔離されていた。ニックは車いすに乗せられ腕には点滴の針がささっていた。
防護服を着たこの施設の責任者デイモン博士(ローレンス・フィッシュバーン)が彼の前に現れた。彼が言うには3人はE.B.E(地球外生命体)に接触し・汚染されたためここに隔離されたとのことである。
部屋から移動するとき偶然にもヘイリーを見かける、彼女はベッドで昏睡状態であった。ニックはデイモン博士に色々と質問を受ける。おかしな質問もあり彼はニックに君は「地球人か」との質問もあった。
夜中に通風口から、ジョナの声が聞こえてきた。彼が言うには、変なものを飲まされ、腕の感覚がないとのことであった。そしてここから逃げ出そうとしていた。
廊下の時計は壊れたのか12時半で止まっている。また手首のあたりに2.3.5.41の数字が書かれてあった。ニックはドアのキーを解除し、ヘイリーを連れて逃走を試みたが失敗に終わった。
その時ベッドから床に落下し、自分の脚が機械に置き換えられている見て愕然とした。彼は機械の脚で扉を破壊しヘイリーを連れて研究施設から逃走する。
ニックはエレベーターを使い地上に出る。広い砂漠の様な場所を彼はヘイリーを支え歩くが、突然車が通りかかり、親切なおばさんに町まで送ってもらう。
ガソリンスタンドで降りた彼らは、スタンドの電話を借りて助けを呼ぼうとするが、電話が通じない。しかもテレビには2人の逃走がニュースとして流されていた。
ヘイリーはスタンドに置いてあったトラックにのり込む、そのトラックが走り出してしまった。ニックは猛スピードで走るトラックの後を追うが、簡単に追いつくことが出来てしまった、機械の脚の凄さを体感する。
そしてトラックを奪い逃走するが道は行き止まりであった。彼はこの地区から出ることの出来る道を探す。ビジターセンターと言う建物に寄ると、そこで偶然にもジョナと出会う。ジョナは誰かに逃がしてもらったとのことであった。
彼らは警戒厳重な検問のある一本道を通らないと外部にいけないことを悟っていた。ニックの手首のタトゥーは
2.3.5.41であり、全部足せば51になる。つまりここはエリア51で、彼らは政府の秘密機関のモルモットにされたと考えればつじつまが合う。
検問を突破しようとしたが、トラックはコンクリートの車止めにがっちり固定され身動きがとれない。そして機関銃を持った警備員に囲まれる。
ニック達3人はここで捕まり殺されてしまうのか・・・・そして彼らの何のために体を改造されたのか、是非映画を観てほしい。
ネタバレ
ジョナは自分を犠牲にして、機械の腕を使いコンクリートの車止めを破壊し、ニックとヘイリーを逃がす。機械の腕のパワーを最大限にし、地面をたたく・・・・地面が破壊されると同時に、近くにいる兵士が大きな振動のため空中に投げ出される。
ニックはヘイリーを乗せ猛スピードでトラックを走らせる。何とか検問を通過したと思ったら、一本道の橋の手前に、非常線を張られ、道路は多くの車で封鎖されていた。
ニックはトラックのタイヤをパンクさせられ、トラックは大きく横転し二人とも外に投げ出される。そしてヘイリーはヘリコプターに乗せられ何処かに連れ去られる。
一人残ったニックはデイモン博士と対峙する。博士はニックに向かって「君は我々が作った最高傑作だ」、「人間の精神とエイリアンの技術との融合体だ」と叫ぶ。
ニックは凄腕ハッカー「ノーマッド」が実はデイモン博士であることを悟る。(デイモンを逆に読むとノーマッドとなる)
ニックは全身の力を脚に込め、猛スピードを非常線を突破し、外部につながる橋を猛スピードで駆け抜ける。橋を駆け抜けたところ、予想もしない見えない壁に激突して破壊する。
そして壁の向こうには星空が見えた・・・・・・何と彼は巨大な宇宙船の中にいた、そして近づいてきたデイモン博士が防護服の頭部を脱ぐと、そこにはロボットの頭をした博士が居た。
レビュー
結局、ニック、ヘイリー、ジョナの3人ともエイリアンの実験台にさせられたようである。エイリアンは何の目的で彼らを改造したのか・・・・・・優秀な戦士を作る為なのか。
ヘイリーの背中には機械が埋め込まれていた、彼女はどんな能力を持っているのか・・・・映画では明かされない、しかし彼女を大事にヘリコプターで回収していることから重要な改造がなされているのか。
原野で出会ったおばさんや、街の人々の一部は実験台のモルモットにされたのか・・・・・。デイモン博士が持っている赤いアタッシュケースの中には、拳銃がはいっている。この拳銃は実験の失敗作を抹殺するためのものなのか・・・・・。(ローレンス・フィッシュバーンが出てくるとギョロっとした目が無気味に感じる。)
地下の不思議な研究施設の中には「牛」がいた、そして目に見えない何かが牛を殺そうとしているのか・・・・・部屋が汚物で汚染され施設の人間が掃除していた・・・・・この汚物は何なのか。
宇宙船の中の2.3.5.41のエリア(エリア51)は地球のエリアなのか、そしてエリアの中の地球人は地球から連れてこられた人々なのか・・・・地球の政府はこの計画にからんでいるのか・・・・分らないことが多い。
是非これらの質問に答えられるような続編が出来たら面白いね。
辰々
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