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海外ドラマ「グッド・ドクター名医の条件」感想・評価:名医の条件を鋭く描く自閉症医師の医療への挑戦ドラマ

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2017年からスタートしたアメリカABCのテレビドラマ
2013年に放送された韓国版「グッド・ドクター」のアメリカ版(2018年から日本版も山崎賢人主演で作られている)
原作 パク・ジェボン「グッド・ドクター」
企画 デビッド・ショア
出演 ●フレディ・ハイモア(自閉症の天才外科医、現在ニールの下で研修医ショーン・マーフィー)
●ニコラス・ゴンザレス(外科の主治医、ショーンの上司ニール・メレンデス)
●アントニア・トーマス(女性研修医クレア・ブラウン)
●チュク・モデュー(男性研修医ジャレッド・カルー)
●ボー・ガレット(病院のリスク管理と弁護士を担当しているジェシカ・プレストン)
●ヒル・ハーパー(外科部長マーカス・アンドリュース)
●リチャード・シフ(聖ボナベントゥラ病院の院長、ショーン・マーフィーの守護者)

『グッド・ドクター 名医の条件』予告編

 

全米でナンバー1ヒットを記録したお薦めメディカル・ヒューマンドラマだ。医療ドラマは過去から優れた作品が多い「ER緊急救命室」「Dr.HOUSE」「コード・ブラック」「レジデント」・・・きりがないほど続いている。

でも、今回はこれらのドラマとは一味違う。主人公の研修医ショーン・マーフィーが自閉症なのだ。自閉症とは精神発達障害のことで、言葉の遅れ、特定の物などへの固着、対人関係での孤立などを引き起こす。

さらに、サヴァン症候群でもあり、天才的な記憶力、空間認知能力を持っている。だから彼の頭の中には人体の器官や血管の一本一本までもが立体的に記憶されている。

そしてなんといっても彼は「天使のように純真」だ。これがこのドラマのキモであり、名医の条件とはいったいなんだろうかと視聴者に問いかけて来る。

ショーン・マーフィーは患者と接することが出来ない。この大きな問題を周りの人々の協力で乗り越えてゆく。例えば末期のガン患者に「余命の短い末期のガンです」と、ストレートに話してしまう。患者は大きなショックを受ける。

でも、彼の外科医としての能力はズバ抜けており、その知識によって多くの人々を救う。彼は聖ボナベントゥラ病院の院長リチャード・シフの推薦でこの病院の研修医となる。

ショーン・マーフィーの採用に於いては病院首脳陣が全員反対であった。でも院長はもし、彼が失敗した場合自分は責任を取って辞職すると首をかけ、反対を押し切る。

このドラマのもう一つの魅力は登場人物が皆、本音で接することだ。象牙の塔と呼ばれる「医療の闇」と「建て前」の現実世界に住んでいる僕たちには心地よい。

ショーン・マーフィーは直属の上司ニール・メレンデスに「あなたは傲慢だ」と臆せずに対応する。ニール・メレンデスはそんなショーンに雑用しかやらせない。万一、医療ミスでも犯したら自分の責任になるからだ。

ところが、院長のイスを狙っている外科部長のマーカス・アンドリュースはマーフィーに普通の研修医と同じことをやらせろとニールに圧力をかける。マーフィーがミスをすれば自分が院長になれるからだ。

さらに、マーフィーの知識を使ってのし上がろうとする研修医のジャレッド・カルー。彼と寝ているが愛情を感じていない女性研修医のクレア・ブラウン。さらに病院の創業者の孫ジェシカ・プレストンが絡んでくる。彼女の婚約者がニール・メレンデスだ。

複雑な人間関係ではあるが、全員が本音で対応し、真剣に議論を激突させるので清々しささえ感じる。ネチネチの暗いドラマよりすっきりと日々の疲れを取ってくれるのでサラリーマンにはお薦めだ。

天使のようなショーン・マーフィーを見てほしい。彼を見ていると長い間忘れていた「何か」を思い起こさせてくれる。

TATSUTATSU

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