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アニメ映画「ボス・ベイビー」感想・評価:突然現れたおっさんのようなボス・ベイビーその正体と目的は

サマリー


2018年3月日本公開のアメリカ製作ファンタジー・コメディ・アニメ
監督 トム・マクグラス(マダガスカル、マダガスカル2、マダガスカル3、ボス・ベイビー
原作 マーラ・フレイジー「あかちゃん社長がやってきた」
声の出演 ●ムロツヨシ(ボス・ベイビー)
●芳根京子(ティム)
●山寺宏一(フランシス・フランシス)
●石田明(パパ)
●乙葉(ママ)

『ボス・ベイビー』日本語版予告編

 

ボス・ベイビー」とか「リメンバー・ミー」とか最近アニメにはまっている。そのうち「ドラえもん」とか「クレヨンしんちゃん」さらに「ポケモン」と どんどん落ちてゆくような気がする。気が付いたらガキんちょと一緒に「アンパンマン」を見てるかもしれない・・・実に怖いねえ。

でも、よく考えてみるとアニメは大人が作っている。僕がおかしくったって当然だ。特に今回の「ボス・ベイビー」に至っては中身は「おっさん」だ。随所に出て来るオヤジギャグを本当にガキんちょは理解しているのか怪しい。

実は「ボス・ベイビー」は中間管理職だ5人の部下もいる。さらに7歳のお兄ちゃんティムもこき使ってしまう。ボス・ベイビーとティムのやり取りがボケと突っ込みのように面白い。

彼は一応管理職だけあって交際費もタンマリ持っている。そして面倒くさいことはいつも金で解決しようとする。あかちゃんなのに赤ちゃん扱いされるとものすごく怒る。世の中には子供なのに子ども扱いすると怒る大人がいかに多いか、身につまされるね。

ボス・ベイビーの食事はスーパーミルクだ、これを飲まないと普通のあかちゃんに戻ってしまう。両親の見てる前では純真なあかちゃん、ところが裏ではティムと張り合うオヤジだ・・・この落差が実にいい。なんせアメリカではアレック・ボールドウィンが声をやっている。

アニメの中には有名な映画のオマージュが満載だ。ロード・オブ・ザ・リングの「ガンダルフ」、「レイダース/失われたアーク」の一シーン、ターミネーターなどなど探してみると面白い。それに最後の舞台がラスベガスだ。

エルヴィス・プレスリーが出てきたり、ティムの子守唄がザ・ビートルズの「ブラックバード」といい、エンディング音楽に至ってはバート・バカラックの「What The World Needs Now Is Love(世界は愛を求めている)」だ、大人のテイストと言ってもいい。

監督のトム・マクグラスがやりたいようにやっている。彼のジョークは天才的だ、だから大笑いや含み笑いなんかも出てきてしまう。これは家族そろってでも、カップルでも、一人でも見るべき作品だね。そうでないと後で後悔するよ、世界中で大ヒット450億円以上稼いでいるのも当然だ。

話のスジを少し紹介しておくと、ティム(芳根京子)が7歳の時に経験した出来事の回想だ。ある日我が家にスーツを着た赤ちゃん(ムロツヨシ)がやってくる。

パパ(石田明)とママ(乙葉)は大喜びで、ティムに弟が出来たと、赤ちゃんを溺愛する。ところがこの赤ちゃんはわがままでもの凄く手がかかる。パパとママはくたくただ。ティムそっちのけで面倒をみるが疲れて眠り込んでしまう。

両親が眠り込んでいるスキに、この赤ん坊は大人のように話をすることが出来「俺はボス」だとティムに圧力をかけて来る。赤ん坊は「ベイビー株式会社」の中間管理職で頼りないベビーの部下が5人いる。それに何やらいかがわしい会議をしている。

その模様をティムはカセットに録音し、両親に聞かせようとするのだがうまくゆかない。ティムとボス・ベイビーはケンカばかりするが、立ち回りのいいボスにいつもやられてしまう。しかしボス・ベイビーは重要な使命を帯びているらしく、あまり時間が無い、ティムと仲直りする。

彼はティムに打ち明ける。俺の使命がうまくいったら昇進でき、この家から出てゆくと言う。もし上手くゆかなかったら一生この家にいると・・・。ティムは困る、こんな奴に一生付きまとわれてはと。そして彼の使命が達成できるよう協力することになる、その使命とは・・・。

その後のストーリーとネタバレ

ボス・ベイビーは実は「ベイビー株式会社」から送り込まれた産業スパイだ。最近、世の中の家庭では「子供」の人気が下降気味だ。逆に「ワンワン株式会社」の仔犬の人気がうなぎ上りだ。

2日後にラスベガスで「新種の仔犬」発表会が催される。その前にどんな仔犬が出て来るのか、それを調べるのがボス・ベイビーのミッションだ。この極秘任務に成功すれば、幹部への昇進と眺めのいい執務室、金のおまる(おしっこするところ)までもが用意されている。

ティムのパパとママは「ワンワン株式会社」で働いている。しかも運の良いことに仕事参観日に家族連れで招待されている。ボス・ベイビーとティムはこのチャンスを使って会社にもぐりこむ。

そして「新種の仔犬」がいると思われる部屋に侵入する。ところがこれはワナでボス・ベイビーは捕まり、スーパーミルクを奪われてしまう。「ワンワン株式会社」の社長フランシス・フランシス(山寺宏一)は成長を抑えるスーパーミルクが欲しかったのだ。

このスーパーミルクを飲ますことによって永遠に仔犬「フォーエバー・ワンコ」を作り出すことが出来るのだ。そしてこれによって仔犬の人気は決定的となる。

捕まったボス・ベイビーはティムと一緒に逃げ、ラスベガス行きの飛行機に間に合う。ラスベガスの会場では「フォーエバー・ワンコ」の発表会が行われようとしていた。

社長のフランシス・フランシスは仔犬たちにスーパーミルクをたらふく飲ませていた。この仔犬たちをロケットに乗せて世界中にばら撒くつもりだ。

ボス・ベイビーとティムはこれを阻止しようと必死になる。しかしスーパーミルクが切れてきた彼は普通のあかちゃんに戻ろうとするのを必死にこらえる。

ボス・ベイビーとティムは何とか協力して、間一髪フランシス・フランシスの野望をくじく。その時フランシス・フランシスはスーパーミルクの容器に落ち、ミルクをたらふく飲んでベイビー化してしまう。

彼の正体は実はボス・ベイビーが目標としていた伝説のビジネスマンだった。彼は自分が過去の人間として忘れ去られてゆくのが我慢出来なかったようだ。

この功績によりボス・ベイビーは幹部に昇進する。ガラス張りで眺めのいい角部屋を与えられ厚遇される。でも金のおまるでおしっこしても何故か寂しい。

彼は地位を投げ捨てティムのもとに帰ることを決心する。それから時が過ぎボス・ベイビーもティムも大人になる。ボス・ベイビーは大人になってもボス面は変わらない、今でも札束をばら撒いている。

ところでティムには可愛い娘がいた。「ベイビー株式会社」の仕事参観日に女の赤ちゃんを見る。この子はティムと娘を意地悪そうな目でちらりと見る。ひょっとしたらオヤジ・ベイビー・ギャルなのか?

レビュー

噂では「ボス・ベイビー2」が作られるらしい。主役は最後に出てきた女の赤ちゃんか、それともボス・ベイビーが続投なのか楽しみだね。

「ボス・ベイビー」の面白さの一つは彼が中間管理職だと言う事だ。彼の部下は三つ子のイエスマン、ノウテンキな議事録担当ステイシー、頭はカラだけど力の強いジンボの五人だ。

サラリーマン社会でも良くあることだけど、有能な上司のもとでは部下はなかなか育たない。だから彼はお兄ちゃんティムを頼る。そしてミッションをやり遂げて昇進するけど、昇進すればするほど孤独になる。現実のサラリーマン社会とダブることろが受けるね。

エンディングテーマ曲の「世界は愛を求めている」につながる。結局、愛がなければ昇進したって意味がない。ボス・ベイビーはティムやパパ、ママのところに戻る・・・ハッピイエンドだ。

でも成長したボス・ベイビーはやっぱり生意気で傲慢だね。エンディングテーマ曲の「世界は愛を求めている」を聞きながらまたね。

https://youtu.be/HNs644XzPpw

どうかな!

TATSUTATSU

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