海外ドラマ

海外ドラマ「SS-GB/エスエス・ゲーベー」感想・評価:ナチスに占領された英国における刑事物語

サマリー


2017年にBBCで放送されたテレビドラマ パラレルワールド刑事もの
製作総指揮・脚本 ニール・パーヴィス&ロバート・ウェイド(007/スペクター、007/スカイフォール)
監督 フィリップ・カデルバッハ(SS-GB)
原作 レン・デイトン「SS-GB」
出演 ●サム・ライリー(コントロール、マレフィセント、高慢と偏見とゾンビ、SS-GB
●ケイト・ボスワース(アリスのままで、SS-GB
●ジェームズ・コスモ(トロイ、ゲーム・オブ・スローンズ、SS-GB
●ライナー・ボック(奇跡の2000マイル、誰よりも狙われた男、SS-GB

https://youtu.be/ozyKEQVXuB0

 

内容が暗くて訳の分からないドラマだけど、185cmの長身とイケメンのサム・ライリーに見とれて最後まで見てしまう。そんなイギリスBBC放送のドラマ(DVD全3巻)だ。同じBBC「SHERLOCK/シャーロック」を抜いたとの情報もある。

従って、渋い映画、古い戦争映画、ナチスとレジスタンスの戦いなどが好きな人向けにお薦めする。それにしてもサム・ライリーのしゃがれた声は何言ってるんだかよく分からない。昔、バンドのボーカルやってたのは本当なの?

このドラマはSFのパラレルワールドである。1941年のロンドンはブリテンの戦いに負けナチスの支配下に置かれている。チャーチル首相は銃殺され、英国王ジョージ6世(映画「英国王のスピーチ」で有名)はロンドン塔に幽閉される。

SS-GB/エスエス・ゲーベーとはドイツの「英国本土駐留親衛隊」と訳されている。1941年の11月に闇物資の取引上のトラブルで殺人事件が起こる。殺されたのはスポードと言う男だ。

この事件の捜査を担当するのがロンドン警視庁殺人課のダグラス・アーチャー警視(サム・ライリー)と部下のハリー・ウッズ部長刑事(ジェームズ・コスモ)だ。アーチャーの視点で物語が進行してゆく。

ところがこの事件に絡み、ベルリンの親衛隊情報部からオスカー・フート大佐(ラース・アイディンガー)が派遣されてアーチャーの直属の上司になる。ロンドン警視庁の長官はフリッツ・ケラーマン親衛隊中将(ライナー・ボック)であり、アーチャーはこの二人の板挟みとなる。

アーチャーはイギリス人であるがドイツ人の下で働いているため、息子ダギーからは「パパはゲシュタポの手先なの」と言われ苦悩する。彼はフート大佐、ケラーマン長官、そしてイギリスのレジスタンス達にも気を配らなければならない重圧にさらされる。彼の妻はドイツ軍の空爆によって亡くなっていた。

アーチャーが担当する殺人事件には「原爆開発」の何かが絡んでいることが少しずつ明らかとなって行く。彼はそのデーター(原爆開発に必要な化学式など)を入手する。そしてアメリカ人ジャーナリスト バーバラ・バーガ(ケイト・ボスワース)と恋に落ちる。

ドイツとソ連は不可侵条約を結び、独ソ友好の式典が墓地で開催される。ところがそこで爆弾テロが起こり、ドイツ軍によるレジスタンス狩りが大々的に行われる。

こんな厳しい情勢の中でアーチャーは殺人捜査を続けてゆくのだが、予想もしない出来事が待っていた。

ネタバレ

アーチャーは元英国防軍防諜部大佐ジョージ・メイヒュー(ジェイソン・フレミング)から英国王ジョージ6世をアメリカに亡命させる手助けをしてほしいと依頼される。

彼とハリーそしてシルビアの3人は病院から国王を車に乗せ、メイヒューが指定する飛行場へと車を走らせる。ところがこれはワナで飛行場にはドイツ軍が待ち伏せシルビアと国王は撃ち殺されてしまう。そしてハリーは足を撃たれ負傷し、アーチャーはフート大佐に捕まってしまう。

ところがフート大佐もダマされていた。イギリスはひそかに原爆の開発を行っていた。メイヒューはアメリカとも取引をしていた。アメリカ軍は原爆の研究者を戦艦に乗せ亡命させる。そして原爆の研究所は戦艦からの艦砲射撃によって跡形もなく破壊してしまう。

アーチャーたちはおとりだったのだ。しかしメイヒューは原爆の技術を簡単にアメリカに取られるのを嫌い、スポードを殺し、原爆に関する資料は焼却してしまっていた。唯一フィルムに収められた数式をアーチャーが持っているだけだった。

また、国王は死の淵にあり、アメリカへの亡命も困難と考えていたようだ。たぶんニュージーランドに亡命した王妃や王女たちがワシントンに移ることだろう。これによってこの戦争にアメリカを巻き込んでしまった。アメリカは多分 原爆を完成させるだろう。そうなればドイツ軍は壊滅する。

真の勝利者はメイヒューだ、彼のスジガキ通りに物事が進んだようだ。フート大佐はアーチャーを連れて2人だけで話し込む。大佐の軍隊は本体に合流するよう指示を出す。

フートは「メイヒューとケラーマンは繋がっている」「ケラーマンは任務失敗の責任や、テロへの関与を理由に私を銃殺にするつもりだ」と言う。そして「私をケラーマンに突き出せば、まだ生き残るチャンスはある」とつづけ、アーチャーの決断を促す。

暫くしてケラーマンの軍隊が到着する。そしてフートは銃殺の刑に処される。フートは死ぬ前に「アーチャーは飛行場の燃料タンクの爆発に巻き込まれ死んだ」とケラーマンに告げる。

フートとアーチャーは敵・味方の関係だが、心の奥底では繋がっていたのかもしれない。アーチャーは地図を持って逃げる・・・何処にむかってゆくのか。

アメリカ大使館にいたバーバラはイギリスからの脱出を考えていたが、アーチャーの安否を気遣い、一人ドアから外に出てゆく。果たして彼女はアメリカのスパイだったのであろうか・・・。

レビュー

なんせ、原作を読んでないからスジが間違っていたらごめんなさいね・・・それにしても分かり難いドラマだ。ドイツの親衛隊の中でも権力闘争が行われていた、それをメイヒューはうまく利用したようだ。

この時代にもし、原子爆弾が完成していたら、戦争の結果はどうなっていたか分からない。各国が必死に開発競争をし、このドラマではアメリカが真っ先に「原爆」を作ってしまうようだ。

歴史に「もし」は無いかもしれないが、このドラマのようにドイツが世界を支配していたら世の中がかなり変わっていただろね。それをSFサスペンスとしてドラマ化するとは着想が面白い。

ヤードのアーチャーはドイツ軍が撤退する日が必ず来ると信じ、警察官の仕事を忠実に遂行することを考えていた。それに息子がいるから危ない橋は渡れない。ところが最後はレジスタンスの仲間になって危ない橋を渡ってしまう。彼はこの後どうなってしまうのか・・・。

ところでアーチャー役のサム・ライリーの奥さんは「ジオストーム」に出ているルーマニア人のアレクサンドラ・マリア・ララ(ウーテ司令官役)なんだね。夫婦で活躍しているとは凄いね。

TATSUTATSU

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