【サマリー】
僕は大昔、シャーロック・ホームズにはまっていた時期があった。コナン・ドイルの本はほとんど読んだと思う。人間への観察力が鋭く、人相・服・しぐさ・体についた匂いやゴミやシミなどからこの人物像・最近の行動までもほとんど明確にあててしまう。
読者は何故分るのかあとでの種あかしがたまらない魅力となっている。
僕も、自分では若いつもりでも、世間から見ればジジイの域にはいっているので、今まで多くの人々に接してきた。
相手の人相や話し方などで、ある程度は人物像がつかめるように思う。
しかし、ホームズのように的確にしかも人物の近況(何処に行って何をしてきたか?)までも言い当てることは出来ない。物語と分かっていても、やはり天才と凡人の違いなのだろう。
【レビュー】
ベネディクト・カンバーバッチ(ホームズ)とマーティン・フリーマン(ワトソン)のシャーロックはNHKでも放映されているので、見られた方も多いと思う。近年まれにみる面白さである。この作品の魅力は三点あると思う。
①古典であるシャーロック・ホームズを現代にみごとによみがえらせている。スマホやパソコンを駆使して物語を進めたり、足は馬車ではなくタクシーである。ワトソンはホームズのブログまで開設している。
②ホームズ役のカンバーバッチがクールな二枚目として適役である。物語の成功は彼の魅力によるところが大きいと思う。今までのホームズ役のなかでは特に女性ファンを多く獲得しているのではないかと思われる。
③ストーリーが良く練られており、しかも原作を元にアレンジされた作品が多い。90分の作品を仕上げるのに金と時間をかなりかけていると思われ、作品の細部までこだわっている。
シーズン4が2016年から放映される予定であるらしく大変楽しみである。
ただ少しカラクチ提言をさせてもらえば、シーズンが進むにつれ、物語が複雑・難解になってきている。
シーズン2の第一話「ブルグレービアの醜聞」は2度程観ているが、ストーリーが難解である。
冒頭のモリアティーがホームズを抹殺するのを何故途中で止めたのか、止めるほどの理由があったのか、醜聞の中身が複雑過ぎるのではないか等分からないことが多い。
また、第三話の「ライヘンバッハ・ヒーロー」ではホームズがビルの屋上から飛び降り自殺する。同時にモリアティーも拳銃自殺する。
大変ショッキングな結末だが、謎解きのシーズン3の第一話「空の霊柩車」では、少しがっかりした。こじつけのような謎解きである。
第二話「三の兆候」ではコメディータッチになっていて面白く観られなかった。
どうしても回を重ねるにつれてマンネリ化してくるのはしょうがないが、それをあまりにも奇抜なアイデアで切り抜けようとしているようにも見える。
シーズン4は是非とも、原点に戻り重厚かつ軽快で納得のいくストーリー(なーるほどストーリー)にしてもらいたい期待して二年間待っています。
辰々
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ところで「初心者入門シャーロック・ホームズのすべてが分かる映画・海外ドラマ」も参考にしてね。
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