サマリー
ところで、映画のストーリーだが、抜群に面白い。始まりは、中国雲南省の小さな村で不可解な事件が起こった。両替商に押し入った強盗二人が謎の死を遂げる。
捜査に来た捜査官シュウ・バイジュウ(金城武)は平凡な紙職人リュウ・ジンシー(ドニー・イェン)が何故偶然にも二人を倒すことが出来たのか。
リュウの話では、強盗が襲ってきたので、無我夢中で取っ組み合った時一人が打ち所が悪く、死んでしまった。もう一人は家の横の川に逃げた時、水中で殺されそうになったが、突然相手が溺死したとのことである。
シュウは人の言うことを信用しない、昔情けをかけた容疑者から毒を盛られ死にかけた。毒は体に残り、今でも自分を苦しめる。
捜査官シュウ・バイジュウ(金城武)
シュウは天才的な分析力を発揮し、現場の証拠集めを実施する。現場の痕跡から、強盗とリュウの動きを頭の中で再現する。(このシーンが綿密に描かれるが、まるでシャーロック・ホームズのようで面白い。)
彼は、リュウに疑いの目を向ける。「いったい、奴は何者か」・・・。リュウを観察すると、彼の体からは「気」がオーラのように出ている。ハエさえも寄せ付けない。
平凡な紙職人リュウ・ジンシー(ドニー・イェン)
「こいつの化けの皮を剥いでやる」シュウは橋からリュウを突き落す。しかしリュウは川の上に突き出た小枝に助けられ、川への転落をまぬがれた。
このワザは「軽功(自分の体を空気のように軽くするワザ)」なのかもしれない。しかし確信がない。
シュウは思い余って、リュウの背後からカマで肩を切りつける。ただ物でなければ避けるはずである。ところがリュウは避けずに大ケガを負う。
俺の思い過ごしかとシュウは考えたが、リュウのキズの治りがはやいのを不審に感じた。あれは受け身なのかもしれない。シュウはリュウに付きまとう。リュウは大昔人殺しをし、罪を償ったことを打ち明けた。しかし、シュウの疑念は解けない。
シュウは新情報を求め、町に戻る。薄暗い山道を一人下るシュウは背筋に冷たいものを感じる。「やつに殺されるのではないか」もし、やつが殺し屋であれば自分など殺すのはたやすいことだ。
転げ落ちるように急ぎ山を下るシュウ。何故リュウはシュウを殺さなかったのか。リュウは付きまとうシュウに、心の底で通じ合えるものを感じたのか。これが後に吉と出る。
レビュー
後半は前半のサスペンスからアクション主体となる。がらりと変わる展開が実に面白く、手に汗を握る。まさにカンフー爆弾が炸裂する。
リュウとはいったい何者か、善人なのか殺し屋なのか、はたまた世紀の大悪党なのか観てのお楽しみ。
金城武さんの演技が実にすばらしい。新境地を開拓したように思う。早く、また映画でお会いしたいな・・・。
TATSUTATSU
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