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映画「犬猿」感想・評価:クソ真面目な弟、超狂暴な兄、賢いがブスの姉、美人だがアホの妹がバトルを繰り広げる

サマリー


2018年2月公開ブラックコメディ映画
監督・脚本 吉田恵輔(さんかく、麦子さんと、ヒメアノ~ル、犬猿)
出演 ●窪田正孝(64-ロクヨン-前篇/後編、ラストコップ THE MOVIE、東京喰種トーキョーグール、犬猿)
●新井浩文(アウトレイジ ビヨンド、永遠の0、百円の恋、バクマン、銀魂、犬猿)
●江上敬子:お笑いコンビ「ニッチェ」(犬猿)
●筧美和子(サマーソング、闇金ウシジマくんPart3、犬猿)

「犬猿」予告編

 

出演者みんな真剣に演技しているんだけど、腹を抱えるほど面白い。あまりにも違いすぎる兄弟と姉妹、4人のバトルが繰り広げられる。さて結末はどうなるのかな。ブラックコメディとして楽しめる、お薦めだね。

主人公の弟 金山和成(窪田正孝)はイケメンだけどクソ真面目で気が小さい。それに引き替え兄の金山卓司(新井浩文)は超狂暴でキレたら何するか分からないトラブルメーカーだ。とても兄弟とは思えない、当然「犬猿」の仲だ。

和成の取引先の小さな印刷会社の社長 磯野由利亜(江上敬子)は仕事の出来る賢い女だが不細工でデブだ。それに引き替え妹の真子(筧美和子)は美人でスタイルが良くてしかも巨乳だ。しかし頭の中はカラで何にも出来ない。当然「犬猿」の仲だ。

この4人がひょんなことから知り合い、愛憎入り交じったバトルが始まる。このバトルが思わぬ方向に行ってしまう。兄弟・姉妹愛は純粋な子供時代に戻ることが出来るのか?

磯野由利亜はイケメン金山和成にほのかな愛情を持っている。和成をデートに誘ったがジェットコースターに酔ってゲロを吐いてしまう。和成はギリで付き合っているがブタと一緒にいるみたいで楽しめない。

そのうち和成は真子と付き合い始める。真子は姉の会社を手伝いながら女優業を目指している。でも演技が出来ず、セリフ覚えも悪いため、来る仕事はエログラビアかAVの仕事ばかりだ。

和成の兄 卓司は強盗の罪でブタ箱にぶち込まれ、最近出所してきたばかりだ。行くあてもないので弟の安アパートに転がり込む。卓司はアパートにデリヘルを連れ込むわ、和成の金を使い込むわで弟を悩ます。

卓司は何かいかがわしい仕事を始める、健康食品かドラッグの販売のようだ。急に金回りが良くなる。高級車を乗り回し、高級マンションを構えるまでになる。しかもオヤジの借金も簡単に返済してしまう。

卓司が事業に成功したおかげで今度こそ、自分に迷惑が掛からないと和成は安心する。ところが世の中、そう上手くゆかない。さて次はどんなトラブルを起こすのか・・・。また、真子も和成と付き合っているにも係らずプロダクションの幹部に枕営業(体を使っていい役を取ろうとする)をかける。

卓司も真子も陰で悪いことばかりする。真面目な和成と由利亜はいつも貧乏くじばかりひかされて損な人生だ(現実にもよくあるね)。二人とも兄貴、妹に泣かされ途方に暮れる。特に由利亜はヤバいほど落ち込んでゆく・・・。

その後のストーリーとネタバレ

由利亜は和成が妹の真子と付き合っているのを知って頭にくる。彼女は営業に来る和成につらく当たる、そして真子にも「仕事をしっかりやれ」と甘えを許さない。三人の間にはギスギスした空気が流れる。

由利亜は倒れた父に代わって会社を切り盛りし、家では家事をし、父の介護までやっている。しかし誰も認めてくれない、このまま家に縛られて歳を取っていくのかと絶望する。

ある日彼女は手首を切って自殺を図る。それを見つけた真子は泣きながら救急車を呼んで病院まで付き添う。昔の姉妹に戻ったかのように、いつも悪態をつく真子が急におねいちゃん思いになる。

案の定、卓司は違法ドラッグを売りさばいていた、そして警察に追われる。彼は隠れ家として弟の安アパートにまた舞い戻ってくる。やっぱり兄貴は変われない男だと和成は落ち込む。

卓司は出所した日に知り合いのキャバクラで弟と出所祝いをする。その時、態度のデカいボーイをボコボコにしている。ところがその恨みを買って襲われる。3人の男が和成の部屋になだれ込みナイフで卓司に大けがをさせる。

帰ってきた和成は血まみれの卓司を見て逃げ出す。そしてこのまま兄貴が死んでくれればどんなに楽かと一瞬頭をよぎったが正気に戻り救急車を呼ぶ。

和成は卓司の手を握って「どうかお兄ちゃん、死なないでくれ」と泣き叫ぶ。卓司は和成に「小さいころお前は俺のことを好きだったんだ」と繰り返す。

由利亜と真子は仲の良かった子供のころを思い出し涙を流す。真子は何でも出来るおねいちゃんに頼り切っていた。そして和成と卓司も子供のころの思い出に浸る。兄はガキ大将で、弟をいじめる奴は容赦しなかった。

由利亜と卓司は偶然にも同じ病院に担ぎ込まれる。そして何とか一命を取り留める。暫くして二人ともケガが回復し退院となるが、卓司はそのままブタ箱行きだ。

和成は留置場の卓司に面会に行く、そして就職先を探しておいたことを告げる。卓司は弟に感謝するけど「お前は俺が変われないと思っているだろー」「そんなに俺が落ちていくのが嬉しいか」とまたケンカを始める。

由利亜と真子もしばらく仲良くしていたが、真子がやはり毒を吐き姉とケンカになる。やっぱり「犬猿」の仲はまたまた続くのか・・・。

レビュー

映画「ヒメアノール」で実力を発揮した若手監督 吉田恵輔のオリジナル作品だ。何でもお互いに知っている兄弟・姉妹だけど、逆に比較されうっとうしい時がある。

これだけ違う兄弟は現実には有り得ないがそこをうまくドラマにしている。コメディタッチで描かれてないところがいい、俳優が真剣に演技すればするほど、腹を抱える。まさに予期せぬブラックコメディだ。

賢い姉 由利亜は何でも出来るのにブスでデブ、男からまるで相手にされない。そんな彼女を江上敬子が迫真の演技で演じる。彼女が空に向かってゲロを吐いたり、突然水を吹き出し、鼻水まで垂らす・・・実にコミカルにブスを演じるのに脱帽する。

妹の真子は聞き流す英会話を半年もやっているのに、一言も英語が喋れない、外見ばかりで中身のないアホ女を筧美和子がうまく演じる。卓司は背中に入れ墨をした根っからのワルだ、躊躇なく暴力を振るったり、後先考えずワルをしたりと理性の無い「感情」の男を新井浩文が演じる。

そして主演のクソ真面目で小心な和成を窪田正孝が演じる、彼が窮地に陥れば陥るほど面白い・・・はまり役だ。この4人のバトルを嫌味なく、カラッと仕上げるところに監督の才能を感じさせる。次回作に乞うご期待だ。

ああ、そうそう「ACIDMAN」が主題歌を演奏している。

TATSUTATSU

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