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「ディストピア パンドラの少女」映画の感想と評価:人類は滅亡しゾンビの世界が来るのか?


サマリー

2017年日本公開のイギリス製作ゾンビホラー映画
監督 コーム・マッカーシー(ディストピア パンドラの少女)
原作・脚本 マイク・ケアリー「パンドラの少女」
出演 ●ジェマ・アータートン(007慰めの報酬、タイタンの戦い、ディストピア パンドラの少女)
●バディ・コンシダイン(ボーン・アルティメイタム、ディストピア パンドラの少女)
●グレン・クローズ(危険な情事、エアフォース・ワン、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ディストピア パンドラの少女)
●セニア・ナニュア(ディストピア パンドラの少女)

7/1(土)公開 『ディストピア パンドラの少女』予告篇

今までにない変わった「ゾンビ映画」だ。脳に寄生する菌類によって、人間の脳は犯され狂暴で人間を襲う「ハングリーズ」になってしまう。そして彼らに噛まれたら病気は伝染する。

人類の希望は何とかしてこの菌を無力化するワクチンを作ろうと第二世代と呼ばれる子供たちを集める。この第二世代とは、感染した妊婦から生まれた子供たちだ。彼らは母親の腹を食い破って生まれて来るが、知能は有していた。

つまり彼らの脳は菌糸を抑える免疫機能が働いていることになる。密かに、軍の医療研究所で彼らを解剖し脳から抗体を分離する研究がなされていた。

これはSFホラーだけど、昆虫の世界では実際にこんな菌が存在している。「アリタケ」と呼ばれるのがその一つだ。アリの体に付着した胞子が「脳内に寄生する」、寄生され脳を乗っ取られたアリはおかしな行動を取る。

本来地下に潜るはずのアリが木の上などの高いところに登る。つまりこの菌類は自分の繁殖しやすいようにアリをコントロールするのだ。その場所で菌糸を伸ばし、子実体をアリの体外に出し胞子を拡散させて繁殖してゆく。こんな菌が仮に人間の脳に寄生するようになったらこの映画のようになってしまう。もの凄く怖い物語だ。

「ハングリーズ」の腹から生まれた彼らは軍の独房に監禁されるが、毎日教師のヘレン(ジェマ・アータートン)の前に集められ教育は施されている。彼らは人間の匂いに敏感で、その匂いを嗅げば襲ってくる。

人間たちはにおいを消すジェルを皮膚に塗って、さらに子供たちをイスに縛り付けて授業を受けさせる。そんな彼らを人間扱いするのは教師のヘレンだけで、あとは狂暴なゾンビとして犬猫のように扱われる。

その第二世代の中で特にメラニー(セニア・ナニュア)はIQが高くヘレンのお気に入りだ。ヘレンは子供たちに「パンドラの箱」の話を聞かせる。「パンドラの箱」を開ければ多くの災いが飛び出し、世界の人々を苦しめる。しかしその箱の底には「希望」が残っていた。

ある日この基地の南フェンスが破られ、「ハングリーズ」達がなだれ込んでくる。エディ・パークス軍曹(バディ・コンシダイン)はワクチンの研究者キャロライン博士(グレン・クローズ)とヘレン、メラニー(実験用生体として)を装甲車に乗せ基地をあとにする。

彼らは押し寄せてくる「ハングリーズ」を蹴散らし、本部のあるロンドンに向かおうとするのだが、多くの困難が待ち受けていた。果たして彼らは人類を救うことが出来るのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

「ハングリーズ」は生き物を襲う、そして食い尽くす。基地の第二世代の食糧は生きた虫だ、彼らはこういうものしか食えない。第二世代は人間と「ハングリーズ」の中間で、知性を持ちしかも同類の「ハングリーズ」には襲われない。

キャロライン博士の説明では病気は真菌感染症で原因はタイワンアリ茸だ。これが変異して人間の脳にも寄生するようになってしまった。この病気は体液を媒介し感染する。感染した人間は理性を失い生き物を襲い、音に敏感になる。

装甲車に乗って基地を脱出した一群はロンドンに向かうのだが装甲車が故障してしまう。パークス軍曹を始め他に2名の兵士が同行したが、一名は「ハングリーズ」に噛まれ直ぐに発病する。軍曹はやむ得ず撃ち殺す。

「ハングリーズ」は理由は良く分からないが集団で移動する。徒歩で町を抜け本部のあるロンドンを目指さなければならない。双眼鏡をのぞくと町中いたるところに「ハングリーズ」がいる。

彼らを刺激しないように、通過しなければならない。メラニーはハトや猫を食いながら一群を先導する。彼女だけが「ハングリーズ」に気付かれないで動くことが出来るからだ。

途中「ハングリーズ」の死骸があり、口や目や頭からツタのようなものが延びそこには胞子を閉じ込めた実のようなサヤ(胞子のう)が成長していた。博士によれば病原体のライフサイクルの次の段階だ。

街の中の巨大な塔にツタのように絡み付いたタイワンアリ茸を見つけた。それには無数の胞子のうが実っており、この実から胞子が放たれれば世界は終わると博士は言う。胞子を吸い込めば感染するからだ。だが胞子のうは固く、何らかの外部刺激が無ければ開かない。熱や湿気が必要だ。

さらに行くと巨大なトレーラーを発見する。博士たちが作った移動研究室だ。このトレーラー内部には無菌室もある。食料を探しに兵士の一人キーランは町に出かける。ところが彼はこの町に住み着いた第二世代の一群に捕まり食われてしまう。

キーランを探しに行ったパークス軍曹とヘレンは第二世代の子供たちに囲まれてしまう。ところがメラニーが相手のボスを倒し助けてくれる。

そしてトレーラーに戻ったところ突然、博士が麻酔ガスを噴射し3人は倒れる。博士はメラニーの頭部を解剖し、抗体を抽出してワクチンを作ろうとしていた。

眠ったと思われたメラニーが起き上がると博士をにらみつける。彼女は長時間息を止められることが出来る(これも菌糸と共生している能力か)。博士はメラニーに人類のために犠牲になって欲しいと懇願する。

しかしメラニーはトレーラーから出て、塔に絡み付いたツタ状のタイワンアリ茸に火をつける。火は燃え広がり胞子のうが次々破裂する。そして胞子が空中へと拡散する。もう世界の終わりだ。

博士は外に出たため第二世代襲われる。そして菌を吸い込んだパークス軍曹は病気に感染しメラニーに撃ち殺ころしてくれと頼む。

トレーラーの中にいたヘレンはただ一人生き残る。ひょっとしたら人類最後の人間かも知れない。メラニーを中心とした第二世代がこれからの新しい世界を築いてゆく。

感染を免れたヘレンはガラスごしに第二世代の子供たちに勉強を教える・・・。

レビュー

タイワンアリ茸に着想を得るとはユニークだ。でも人間の免疫力が低下したり、アリ茸の繁殖力が突然変異で強力になった場合は現実になるかもしれない。ちびるほど怖いね。

それに「ハングリーズ」と人間のハイブリットである第二世代が地球を乗っ取ってしまうストーリーも面白い。人間はワクチンを作る前に滅んでゆく。新人類の登場と言える。

人類が「ゾンビ」に勝つのではなく、環境に適合できる第二世代の「ゾンビ」こそが人類を継ぐ種族だ。こんな逆転の発想による「ゾンビ」映画も面白い。

コーム・マッカーシー監督の今後が見逃せないね。なお「タイワンアリ茸」を含む「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」は漢方薬として販売されている。

 

TATSUTATSU

 

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