コメディ

「ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた」映画の感想と評価:美味しそうなパイが出て来る女性自立ドラマ


サマリー

2007年日本公開のアメリカ製作 女性のヒューマンコメディ
監督・脚本・出演 エイドリアン・シェリー(ウェイトレス
出演 ●ケリー・ラッセル(M:i:Ⅲ、猿の惑星:新世紀、ウェイトレス
●ネイサン・フィリオン(プライベート・ライアン、キャッスル~ミステリー作家は事件がお好き、ウェイトレス
●ジェレミー・シスト(ウェイトレス
●シェリル・ハインズ(ウェイトレス

 

Waitress | Trailer | 20th Century Fox NL

 

付き合っている時には優しい彼氏だけど結婚すると豹変する。自分中心で嫉妬深く「子供が出来たって俺を一番愛せ」と愛を強要して彼女の自由を束縛する。そして時には暴力を振るう。

世の中にはよくある話だね。ジェナ(ケリー・ラッセル)がまさにそれで、彼女は天才的なパイ作りの腕と美貌をもちながらクソ亭主アール(ジェレミー・シスト)に束縛されて憂鬱な日々を過ごしている。

彼女は亭主と別れて、パイの店を持つのが夢だ。ウェイトレスをしながら少しずつへそくりを貯めて逃亡の軍資金を溜め込んでいる。ところが予期せぬ妊娠が彼女を襲う、彼女は子供を産みたくないと悩むんだけど人生なんて思うほど上手くゆかない。

産婦人科に行くと医師のジム先生(ネイサン・フィリオン)と意気投合し、激しい不倫をしてしまう。それでも、いつもウェイトレス仲間のベッキー(シェリル・ハインズ)とドーン(エイドリアン・シェリー)が慰めてくれるのが救いだ。

一見、もの凄く暗そうな内容のドラマなんだけど、これがコメディとしてもの凄く面白い。この映画は口コミで広がりアメリカでは大ヒットしている。

女性監督のエイドリアン・シェリーはこれが初長編映画で、女性の心理をうまくつかんでいて非凡な才能を見せる。内気であか抜けないド田舎娘ドーンも演じている。

人生に行き詰まった時なんか、こんなコメディがお薦めだ。それに美味しそうなパイがいっぱい出てくる。日本ではアップルパイとかブルーベリーパイが一般的だけど肉類とかナッツとかチョコレートとか何を入れてもOKだ、その種類の豊富さに驚く。

ジェナは自分のオリジナルパイを作り続け、パイにおかしな名前を付ける。そしてパイコンテストに応募して高額の優勝賞金も狙っている。こんな特技を持つ女性は引く手あまただ、お店のオーナー ジョー(アンディ・グリフィス)は口やかましいが彼女のパイにめろめろで良き理解者だ。

こんな風にドラマがバタバタと進んでゆくが果たしてジェナの夢はかなうのかな・・・。

ところで監督のエイドリアン・シェリーは悲劇に見舞われて40才で亡くなっている。これから才能が開花する矢先の出来事だ。人生は映画やテレビドラマのように都合よく行かないものだね、冥福を祈るばかりだ。

ストーリー

田舎町の「ジョーのパイの店」でウェイトレスをしているジェナはパイ作りの天才だ。小さいときから母と一緒にパイを作ってきた。新作のパイは「アールの赤ん坊なんていらないパイ」卵とハムとブリーチーズのキッシュだ。

彼女は妊娠してしまった。二度とクソ亭主とセックスしないと誓ったのに、酒を飲まされたのが原因だ。もう亭主のアールから逃げ出せないと思うと絶望的な気持ちになる。

彼女は近くの産婦人科に行くと、やはり妊娠は間違いないようだ。医師のジム先生はハンサムでお互いに一目ぼれしてしまう。でもジムには研修医の奥さんがいる。

それでも二人とも我慢できずに激しく不倫する。ジムはジェナに朝7時に診察に来なさいと産婦人科の始まるかなり前に呼び出し愛を確かめ合う。

クソ亭主のアールに「最近太った」とジェナは言われ、妊娠していることを告げる。アールは「子供が出来たって俺を一番愛せ」と相変わらず横暴な態度を取る。ジェナとアールの仲は冷え切っている。アールは久しぶりにやらせろと迫ってくるがそんな気にはなれない。

彼女の頭の中は、赤ちゃんとジムのことでいっぱいだ。そしてそんな関係がしばらく続いてゆく。そしてジェナは出産が近づき入院する。

彼女のところにジョーがカードを持って見舞いに来る。ジョーは高齢だが近々肝臓の手術の為に入院すると言う。何か覚悟を決めたようにも見える。

産室にはジムとアールが立ち会っていた。もう赤ちゃんが生まれそうだ、彼女は生みたくないのに運命は非情だ。果たしてジェナはどうなって行くのか・・・。

ネタバレ

ジェナは女の子を産む、最初は生みたくなかったけど自分の娘を抱きしめると愛おしくてたまらない。この子と一生二人で生きてゆくことを誓う。娘を「ルル」と名付ける。

彼女は「ジョーのパイの店」のオーナー ジョーからもらったカードを開けると、なんとびっくり多額の小切手が入っていた。ジョーは手術でこん睡状態に陥っている、もう危ないらしい。彼は自分の店をジェナに託したのか・・・。

ジョーはみんなからクソじじいと嫌われていたが、ジェナには優しく、親身になってくれる唯一の理解者だったようだ。彼女は自分がルルの母親になったことで勇気がもりもり出て来る。クソ亭主のアールと別れ、つらいけどジムとも別れた。

彼女はジョーからもらったお金でお店を買い取ると今まで念願だったパイの店「ルルのパイ」を開店する。お店のメンバーは昔と変わらない、彼女はオーナー兼ウェイトレスとして光り輝く未来に進む・・・。そして全米パイ・コンテストで優勝する。

レビュー

結局、ジェナは子供を持つ幸せと自分の夢を叶えたようだ。母は強いとゆうことかな。この映画はミュージカルになってブロードウェイなんかで上演され好評を博している。

映画の中で美味しそうなパイがいっぱい出てきて、お腹がなってしまう。パイの作り方が映像で流れて来る。この辺なんか女性の監督らしいと思う。

ジェナが恋人のジムと台所で一緒にパイを作るシーンなんて最高だね。でも白昼堂々の不倫だ。コメディだから全然やらしくないところがミソだ。

料理映画はいつみても楽しいね。今までアップルパイくらいしか食べたことが無いけど、今度はいろんなパイに挑戦しようと思っている、お楽しみだ。

TATSUTATSU

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