邦画

映画「仕掛人・藤枝梅安 第二作」感想・評価:どちらが生き残るか、最強の敵に対峙した男たちの命がけの戦い

サマリー

 


★★★★☆(見るべき名作)

2023年2月3日 日本製作 暗殺者サスペンスドラマ
監督 河毛俊作
脚本 大森寿美男
原作 池波正太郎
出演●豊川悦司
●片岡愛之助
●菅野美穂
●高畑淳子
●小林薫
●佐藤浩市
●椎名桔平
●石橋蓮司

映画「仕掛人・藤枝梅安」第二作 本予告30秒

 

仕掛人・藤枝梅安 第一作」もよかったが今回の第二作も実に素晴らしい。池波正太郎生誕100年にふさわしい良作だ。梅安が生涯で最も強い剣客たちを相手に決闘を挑む。ジャパニーズ・アサシンとして海外でも受けると思う。

凄腕の剣客たちとまともに戦っては勝ち目はない。梅安はそのことを充分承知の上で避けられない運命を受け入れる。そして最悪、相打ちになって死んでも仕方がないと思い詰めていたフシがある・・・何故なのか。

殺し屋稼業の孤独と恐怖が梅安を襲う。自分の妹まで手にかける罪悪感が彼を苦しめ、地獄行きを望む。そんな心理描写が言葉はなくとも画面から伝わってくる。ハラハラ、ドキドキさせられる2時間だ。

京の町の風景、風習、人情、季節、料理、がさりげなくドラマに彩を与え。第二作目のゲスト、佐藤浩市・椎名桔平・石橋蓮司がすごくいい味を出している。それに川井憲次の哀愁をおびた音楽が映像を盛り上げる。

梅安と彦次郎は江戸から京都に静養のために向かう。途中、彦次郎は妻と幼い娘を殺された憎い仇と遭遇する。旅は血なまぐさいものに変わる。彼らにとって安息などないのか。

彦次郎は武士の後をつけるが梅安はその男が悪人とはとても思えない。彼は武士の素性を調べる。その男は峯山又十郎(椎名桔平)と言い双子の弟、井坂惣市(椎名桔平・二役)がいた。彦次郎の仇は弟の方であることが分かる。

峯山又十郎がわざわざ京に来たわけは、弟の殺しの依頼を白子屋菊右衛門(石橋蓮司)に頼むためだった。梅安と白子屋は知った仲だった。そして峯山又十郎の弟 井坂惣市の仕掛けを請け負う。彦次郎はそんな梅安のはからいに涙を流す。

井坂惣市は不良浪人で金や酒・女を強奪する暴れ者だった。浪人は6人で集団を組み悪事を働くが剣術は一流だ。まともに戦ってはこちらの身が危ない。浪人たちがばらける時を狙って二人ずつ仕留めてゆく。

ところがその時に偶然、梅安を宿敵と狙う井上半十郎(佐藤浩市)と出っくわす。井上半十郎は凄腕の剣客で、佐々木八蔵(一ノ瀬颯)と組んで同じ仕掛け人だった。

井坂惣市の仕掛けだけでは終わらない。藤枝梅安・彦次郎 対 井上半十郎・佐々木八蔵の命を懸けた戦いが始まる。果たして生き残るのはどちらか・・・。河毛俊作監督の凄さが随所に光る。

TATSUTATSU

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