サマリー
★★☆☆☆(そこそこ面白い)
2017年11月日本公開のアメリカ製作スプラッター・ホラー映画
監督 マイケル&ピーター・スピエリッグ(プリデスティネーション、ジグソウ:ソウ・レガシー、ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷)
出演 ●マットパスモア(ジグソウ:ソウ・レガシー)
●カラム・キース・レニー(ジグソウ:ソウ・レガシー)
●クレ・ベネット(ジグソウ:ソウ・レガシー)
●ハンナ・エミリー・アンダーソン(ジグソウ:ソウ・レガシー)
●トビン・ベル(ソウシリーズ)
「ソウ」シリーズおさらい。初めての人はおさらいを見てほしいがこれだけではシリーズの全貌を把握するのは難しいかもしれないね。
「ジグソウ:ソウ・レガシー」で実に8作目だ。しかもさらに続くような予感がする。スプラッター・ホラー映画は儲かる。今回も10億円程度の製作費に対し10倍近く儲けている・・・笑いが止まらないシリーズだ。
有名俳優はジグソウ役のトビン・ベル以外は聞いたことのないような俳優ばかりだ・・・コストパフォーマンス重視の映画作りだね。どうせ死ぬんだから有名俳優を出してももったいない。
今回の第8弾の監督は双子のマイケル&ピーター・スピエリッグだ、彼らの作風は大ドンデン返し映画「プリデスティネーション」を見るとよく分かる。ドンデン返しにキレがある。それに極悪人たちをどんな殺人ゲームで料理してゆくのか監督の手腕も光る。
中味の無い、この映画が何故ウケルのか・・・次に要約されると思う。
〇ジグソウ/ジョン・クレイマーは生きているのか、死んだのは替え玉なのか?
〇ジグソウが死んでいるのであれば後継者は誰なのか?
〇或いはジグソウの模倣犯がこの事件を創り上げたのか?
〇殺人鬼はいったい誰なのか?
あとでネタバレするけど、この4点が知りたくて、最後まで見てしまう。あなたは「殺人鬼は誰なのか?」を当てることが出来ましたか・・・。
ストーリーを少し紹介すると、エドガー(ジョサイア・ブラック)と言う男が警察の非常線を突破し逃走を続ける。しかし、警察に追い詰められる。彼はハロラン刑事(カラム・キース・レニー)を呼べと要求する。彼の手には特殊な通信機が握られていた。
ハロラン刑事が駆け付けエドガーを説得するが、彼は自分の身が危ういのか通信機を離そうとしない。仕方なく警官たちは彼の手ごと拳銃で通信機を破壊する。しかし誰かが誤ってエドガーの体も撃ってしまう。彼は「ゲームが始まったと」と倒れる。
5人の男女(女2人に男3人)が気が付くと密室の中でバケツのようなものを被せられ、鉄製の首輪にチェーンが繋がれている。そこに誰かの声が響く「お前たちのやった悪事を懺悔し魂を浄化しろ」「真実を語れば自由になれる」「私のルールに反すれば死が待つ、ゲームをしよう」と・・・。
突然、前方に壁にセットされている丸ノコが回り始め、首輪につながったチェーンが引っ張られる。そして「少しでも血が流れればこの部屋から生きて出られる」と不気味な声が続く。彼らは体の何処かを丸ノコに押し付け血を流す。その時頭のバケツ状のものが外れる。
しかし、一名は間に合わず丸ノコで頭を切断されてしまう。頭を切断された男は橋に宙吊りとなり、警察に回収される。検視官のローガン(マットパスモア)とエレノア(ハンナ・エミリー・アンダーソン)はジグソー/ジョン・クレイマー(トビン・ベル)の手口とよく似ていると言う。
しかしジョン・クレイマーは10年前に死んでいる、模倣犯なのか?被害者の首からUSBメモリーが見つかる。メモリーをパソコンに接続するとジョン・クレイマーの声で「再びゲームが始まった、私は残った4人を引き受ける」との音声が記録されていた。
残った4人は次の部屋へとチェーンに引っ張られる。ここに自転車に乗ったジグソー人形が現われ、「罪を告白せよ」と要求する。皆は罪は告白するも真実は隠したままだ。上から3本の注射器が降りて来る。窃盗を行い人を死なせた者に毒液を注射した。解毒剤はそのうちの一本だ、あとは生理食塩水と強力な酸が入っている。
カーリー(ブリタニー・アレン)と言う女が怪しい。チェーンが動き出し4人は宙吊りになる。注射器を持ったライアンは3本ともカーリーの首に突き刺す。その時首輪が外れるがカーリーは酸によって首が溶け出し出血で死ぬ。
その頃ハロランはUSBメモリーの声を本物のジョン・クレイマーと比較し、完全な一致を確認した。声はジョン・クレイマーのものと同じだ・・・彼は生きているのか。
生き残った3人は次の部屋に行く。そこには非常口らしいものがあり、ライアンはそのドアを壊そうとして近づくが、床が抜け足をワイヤーによって拘束される。強く引っ張られれば足が切断されてしまう。
また、死体が警察によって発見される、今度は女だ。女の舌にジグソーのパズルピース跡が見つかった。ローガンとエレノアはジグソーの復活を考えざるを得なかった。ローガンはイラクに従軍しタリバンに捕まり拷問を受けたらしい・・・彼の戦友キース刑事(クレ・ベネット)がハロランに話す。
アナ(ローラ・ヴァンダーヴォート)とミッチ(マンデラ・ヴァン・ピーブルズ)は部屋の隅の扉が開いたのを見る。中を確認すると円筒形の天井の高い部屋だった。部屋の中央にテープレコーダーがぶら下がっておりそれを掴むと扉が閉まってしまった。
そして、二人が閉じ込められた円筒形の部屋の上部から穀物が流れ出るように降ってくる。二人は生き埋めにされそうになり、ライアンに助けを求める。彼の足の近くにあるレバーを引けば穀物の流れは止まるはずだ。
ライアンはレバーを引く、その時ワイヤーが引っ張られ片足が切断される。それと同時に円筒状の部屋の扉が開き二人はそこから脱出でき、危ういところ助かる。
ローガンの同僚エレノアはジグソーに興味を持っているらしく、ジグソーの闇サイトにアクセスしていた事実が明らかになる。彼女はローガンを自分が借りている倉庫に連れてゆく。そこにはジグソーのゲームで使われていた拷問機器類が並べられていた。これが彼女の趣味らしい。エレノアを疑っていたハロランはキースに後を付けさせ、倉庫の様子を写真にこっそり撮らせる。
その頃、足を切断されたライアンは苦しみに大声を上げる。アナはライアンの止血をし、ミッチは出口を必死に探す。彼はトラクターの中からカセットレコーダーを取り出し再生させようとしたところ足をワイヤーに取られ逆さ吊りになる。彼が欠陥品のバイクを売りつけ、その為に死んだ青年はジグソーの甥だったのだ。
人間を切り刻むことの出来る回転ドラムの奥にはバイクのブレーキがあり、ドラムの回転動力はバイクのエンジンを使っている。ミッチは手を伸ばしブレーキにとどきかけたがバランスを崩し、ズタズタになって死んでしまう。
ジグソーが生きているかどうか墓を調べることになった。墓を掘り、棺を取り出し中を開けると、エドガーの遺体があり。そのほかはもぬけの空だった・・・ハロランとキースは愕然とする。ハロランはエレノアを拘束しようと倉庫に行くがそこで見つかった者は切り刻まれた死体だった。生存者はあと2名になってしまった。
キースは容疑者としてエレノアと倉庫にいたことからローガンも拘束する。ローガンはキースに「怪しいのは俺ではなくハロランだ、証拠を見せよう」と彼をラボに連れてゆく。エドガーの腹から出てきた弾はハロランの拳銃からのものだった。
エレノアがローガンのところに現れ、拷問が行われた場所が分かったと言う。二人がそこに車で向かおうとするがこっそりとハロランがあとをつける。果たして、ジグソーは生きているのか、そしてジグソーの後継者或いは模倣犯はハロランなのか・・・。
その後のストーリーとネタバレ
アナはブタの仮面の男に眠らされる。気が付くと部屋の中でライアンと向い合せに座らされていた。足には錠のかかったチェーンが巻かれていた。二人の中央にはショットガンが置いてある。
なんと驚くことにそこにはジグソーがいた。彼は「最後の試練だ」だと言う。アナは赤子を殺し、罪を夫になすりつけた。ライアンは若い時からワルだ多くの隣人たちを苦しめてきた。ジグソーはチャンスを与えると言う「人生を後ろ向きに転換させろ」。真ん中のショットガンを使って生き延びろと言う事か。
エレノアがローガンを連れて向かった先はジグソウの妻ジル・タックが所有していた養豚場だった。二人は建物の中に入る。拷問機器がありそれらに血がついていた。間違いなくこの場所だ。二人は中を進んでゆく、ジグソーは生きているのかそれとも後継者の仕業なのか。
アナはショットガンを掴み、ライアンを狙って引き金を引く。ところが弾は逆に飛び出しアナは死ぬ。彼女にはジグソーのヒント「後ろ向き」が理解できなかったようだ。
その時、突然ハロランが彼らの前に現れ、拳銃を突きつける。ローガンはとっさにハロランを突き飛ばしエレノアと逃げる。ハロランは二人を追いかけるが突然背後から麻酔注射をうち込まれる。
気が付くとハロランとローガンは首輪状のレーザーカッターを付けられ向かい合わされていた。そこにジグソウの声が響く「最後のゲームだ。二人の内どちらが先か60秒以内にゲームが決まる。」
ローガンは罪を告白する。ジョン・クレイマーの頭部レントゲン写真を間違えたのは私だ、申し訳なかったと謝る(その為にガンの発見が遅れた)。そしてレーザーカッターがローガンの頭を切り裂く。
次はハロランの番だ、彼は罪を告白する。「証拠の改ざんやワイロを受け取ったり、無実の人間をムショにぶち込んだり人殺しや強姦魔を放免、俺のせいで人が死んだ」と告白する。ハロランが証拠を改ざんし自由にしたエドガーにローガンの妻クリスティーンが殺されるていたのだ。
その時死んだはずのローガンが立ち上がる。「俺が彼だ」と言う。今までの種明かしをする。10年前5人の男女がジグソーのゲームにかけられ、ローガンもその一人だった。
ローガンは悪意のないミスで死ぬことは無いとジグソーから第2のチャンスをもらう。10年後にジグソーと同じゲームを再現する。ローガンはジグソーに助けられ彼に第二の人生を捧げる。死者の代理人として凶悪犯どもを懲らしめる。ハロランの頭部はレーザーメスによってメロンのように切り刻まれる。
レビュー
まんまとダマされたね。娘もいて一番真面目そうなローガンが殺人鬼とは・・・。彼はジグソーに助けられ、彼の後継者になる。
ジグソーがおこなった10年前のゲームがローガンが再現したゲームと入り交じり、ジグソーが生きているように錯覚する・・・・これも監督にうまくダマされた。
当初、殺人鬼はハロランかエレノアかと予想していたが外してしまった。ドンデンマニアの僕としては残念ながら先が読めなかった。
次回はローガンが殺人鬼として登場するのかな、もし第9弾が作られるのであれば、今度は外さないよ。
TATSUTATSU
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