コメディ

映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」感想・評価:低予算ハチャメチャ・カンフードラマが何故アカデミー賞取るの

サマリー

 


★★★☆☆(お薦め)

2023年3月3日 日本公開 アメリカ製作 カンフー・コメディ・ドラマ
監督 ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート
出演 ●ミッシェル・ヨー
●キー・ホイ・クァン
●ステファニー・スー

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』本予告【3月3日(金)公開】

 

今年度のアカデミー賞7部門受賞の映画ということで、見に行ってまいりました。一言でいうと「マルチバース・ハチャメチャ・カンフー・コメディ」だ。

ドラマの中には名作映画のパロディがちりばめられ、下ネタ満載だ。ゴム製の男根や下半身露出男(当然ボカシが入っています。)が登場、お尻の穴に杭を突っ込むわ、おしっこは漏らすわ、ウインナーのような指をなめまくるわ、SMクラブシーンがあるわと・・・きりがない。

しかし、カンフーは真剣そのものだ、見ごたえがある。結局のところ家族愛、特に母・娘の葛藤がこの映画のモチーフになっている。娘は実はレスビアンだ。母親はそれを受け入れられないし、日々の仕事に埋没して自分を見失っている。

一見、中国、香港映画かと見間違えるがれっきとしたアメリカ映画だ。本国では一年も前に公開されている。何故、この映画がアカデミー賞7部門受賞したのか僕にはよく分からない。日本ではヒットは期待できなかったんだろうね。日本では英語コメディよりアニメだ。

ただ、主演のミッシェル・ヨーが実にいい。もうおばさん(60才)なんだけと実は過去、ボンドガールもやっているし、かつてはミス・マレーシアになったほどの美人だ。彼女がいなければこの映画は成立しない。

彼女が一皮も二皮もめくれて真剣な顔をしてコメディを演じきっている。周りの出演者も、あまりにも下品な役を快く引き受けて真剣に演じきっているところがこの映画のキモだ。

所詮、世の中なんて下品で、いい加減なモノだと言っているようだ。このおちょくり感と脱力感がたまらない。当初は中国語での会話になっていたが後半では英語だ。僕は、字幕でしか意味が分からないが字幕以上に卑猥なことをしゃべっているような気がする。

この映画の評論は困難、何故アカデミー賞7部門受賞したのなんて全く分からない。でも英語圏の人々にはうけたんだろうね。映画も好き好きだろうけど気分転換にはなる、是非見てはどうか。

少し話のスジを紹介すると。コインランドリーを経営する中国移民の家族。女主人エブリン(ミッシェル・ヨー)は事業がうまく行かない、夫から離婚を突き付けられている、さらに娘とも不仲だ。

頭を抱える日々が続くある日、夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)に乗り移った別の宇宙(マルチバース)から来た夫が現れる。彼は彼女に世界を救うように要求する。

世界はジョブ・トゥパキという女がベーグル型のブラックホールを作って消滅させようとしていた。実はこの女は別宇宙の娘ジョイ(ステファニー・スー)だった。

エブリンはマルチバースではカンフーの達人、歌手、シェフ・・・・など色々な自分がいた。彼女にマルチバースの自分が次々と乗り移ってジョブ・トゥパキと対峙する。果たして彼女は世界を救うことが出来るのか。

ところで映画は3幕に分かれている。第一幕エブリシング(なんでも)、第二幕エブリウェア(どこでも)、第三幕オール・アット・ワンス(一斉に)。題名からしてよく分からないね・・・この映画はエブエブと呼ばれているけど何が言いたいのかね。

あっ、そうそう、エブリンの夫役のキー・ホイ・クァンは「インディー・ジョーンズ/魔球の宮殿」(1984年)に出ていた子役だ。ジャッキー・チェンが出てきたと思っちゃった・・・よく似ているね。

実は、僕は全編わたる下品でくだらなさがアカデミー賞を取らせたと考えている。映画は娯楽だ、肩ひじ立てて真剣に見るなんてつまらない。お遊びで気楽に見るのがお薦めだ。でももう一回見たいとは思わない。展開が早すぎてついてゆけない、字幕を見るのもつかれるしね。

TATSUTATSU

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