サマリー
★★★☆☆(お薦め)
2020年8月公開のジャパニーズ・ホラー
監督 中田秀夫(女優霊、リング、仄暗い水の底から、貞子、事故物件 恐い間取り)
原作 松原タニシ「事故物件怪談 恐い間取り」
出演 ●亀梨和也(事故物件 恐い間取り)
●奈緒(事故物件 恐い間取り)
●瀬戸康史(事故物件 恐い間取り)
松原タニシさんが実際に棲んでいた「事故物件」
松原タニシさんが唯一住めなかった4件目の事故物件
あまり怖くないので「ホラー映画はダメ」と言う人でも結構見れちゃう。それにKAT-TUNの亀梨和也さんが主役なのでこれ目当てでもいい。ただし、安アパートや安マンションに1人で住んでいる人は夜にうなされる可能性が無いともいいきれない。映画を見た後は友人に泊まってもらおう・・・念のため。
この映画で亀梨さんの演技がうまいのには驚いてしまう。自然な演技に才能の凄さを感じる、歌や踊りが出来る人には何でも出来てしまうのか。つくづくタレントは凄いと思うね。
ところで、このドラマの原作となった松原タニシ「事故物件怪談 恐い間取り」。彼は実際に10か所の「事故物件」に住んでいる。「殺人」「自殺」「不審死」「孤独死」・・・など惨劇のあった場所だ。僕にはとてもまねできない。
そして次々と不思議な現象が彼の周りで起こる。ところが彼はそのことを境に芸能界で売れ始める。彼曰くは「何かに挑戦しないと夢を掴むことは出来ない」と「事故物件」を恩人のように感じているらしい。誰しも何かをきっかけに運を呼び込むことある。それを「悪運」と呼ぶのか。
彼の周りには色々な怨念が付きまとっている。時にそれをお祓いしてもらうのだが全部悪霊を祓ってしまうと営業が出来ないのでほどほどにしてもらう。タニシさんは悪霊や怨念に好かれる数少ない人間なのかもしれない。
そんな彼でも今までに唯一住めなかった4件目の「事故物件」があった。それがこの映画のクライマックスに登場する。ところで「事故物件」に一年間、別の人間が住めば、そこは「事故物件」と呼ばれなくなる。だから本当は「事故物件」は世の中にいっぱいあるのかもしれない。あなたの住んでいるそこもひょっとしたら・・・。
話のスジを少し紹介すると。芸人の山野ヤマメ(亀梨和也)は相方の中井大佐(瀬戸康史)と組んでお笑いコンビ、ジョナサンズをもう10年もやっている。ところが全く売れない。中井はヤマメに解散を告げ放送作家になると言う。
ヤマメは突然のショックに立ち直れない。そんな時にプロデューサーの松尾雄二(木下ほうか)からTV出演を条件に「事故物件」に住んでみろと無茶を言われる。
そして第一軒目の殺人が起きたアパートに住むことになった。ところがそこで不思議な怪奇現象が現れ、ビデオに録画される。特にオーブ(霊の魂)が映った画像は皆をびっくりさせる。そしてこれらの心霊現象が評判を呼ぶ。
ヤマメはTVに継続出演することが決まり、次の事故物件に挑戦するのだが、怖ろしい出来事が待っていた。その出来事とは・・・。
その後のストーリーとネタバレ
【事故物件1軒目 Tマンション】
殺人事件が起こったマンションだ。ここでは家の中にビデオカメラを設置し、超自然現象を記録することとした。初日に白いオーブのようなものが映りこむ。そして音声が乱れたりする。
ジョナサンズのファンでメイクアシスタントの小坂梓(奈緒)は霊が見える女性だ。彼女はヤマメの部屋の前でバールを振り上げる男を見たり、赤い服の女を見たりする。霊の呪いなのかヤマメと中井は交通事故に遭う。
【事故物件2軒目 Mマンション】
ここでは息子が母親を殺す事件が発生している。洗面所の排水溝から髪の毛らしきものが発見される。和室の畳をはがすと血痕らしきものも見つかる。中井の携帯にヤマメから留守電が入っていた。ヤマメは電話した記憶が無い。
小坂梓は息子が母親を洗面所に顔を押し付けて殺す幻影が見えた。ヤマメから留守電の声は母親のものと思われる。留守電をよく聞くと、激しい怨念が聞き取れる。
【事故物件3軒目 Iアパート】
ここでは男が不審死をしている。この部屋にはロフトがある。ヤマメはロフトに上がって寝そべるが強烈な頭痛に見舞われる。そして無意識のうちに、ロフトの梯子にひもを括り付けて自殺を図ろうとする。
不安を感じて駆けつけた小坂梓によって危機一髪助けられる。ロフトの梯子をよく見ると重い物が垂れ下がったため折り曲がった部分があった。後でわかったことだが不審死の前に首を吊って亡くなった男がいたことが分かる。つまりここでは二人立て続けに亡くなっている。
【事故物件4軒目 Rアパート】
ここでは不審死があったらしい。壁には人影のようなシミが見える。誰もいないのに呼び鈴が鳴ったり、防犯センサーライトが点滅したりする。ヤマメは突然気を失う。
目が覚めた時には周りが薄暗くなっていた。その時、突然老人、中年女性、眼鏡をかけた男、包丁を持った女が現れる。そして壁の人影が死神のような形相をしてヤマメの前に現れる。
とっさに、部屋に入ってきた小坂梓と中井の機転によってヤマメは助かる。今回だけは最もヤバかった。これをきっかけにヤマメと梓は恋仲になる。これから先二人は協力して危機を乗り切ってゆくだろう。
レビュー
最後に出てきた事故物件4軒目。さすがの松原タニシさんもここには住めなかったいわくつきの物件がモデルになっている。女性が薬物の過剰摂取で苦しみもがいて亡くなった場所だ。
部屋は1K6畳2万7000円。タニシさんは部屋に入った途端足の力が抜け、スマホを握ったままうつぶせで気を失ったそうだ。目が覚めたら朝だった。
スマホの動画モードが動いており、午前2時から明け方まで、部屋の前の防犯センサーが鳴り続けていた。夜中に人が来るはずがない、得体の知れないものが夜中じゅう動き回っていたとしか考えられない。
この部屋のロケにおいて霊能力者が来るが部屋の中に入れず、ドアの外で泣き出す事件があった。また、スタッフの女性が家の外から「タニシさんの部屋に女性が見える」と叫んでいる。さすがに彼も部屋に住むことはあきらめたとのことだ。
怨念があまりに強い場所は何かが起こる。そこには人間を狂わす負のエネルギーが充満している。このエネルギーを浴びれば我を忘れて窓から飛び降りるかもしれない。運が良ければ気絶で助かる。
僕は70年近く生きているが今までに一度だけ「金縛り」にあったことがある。今でもその記憶は鮮明に残っている。夜ではなく、朝の10時ごろだ。寝汗をかいて目が覚めたのに体が動かない。何かが枕元にいるのだが見えない。
暫くして「金縛り」が解けた。当初は疲れているだけかと思っていた。後で知ったことだったが僕が寝ていた場所は自殺した先輩が使っていた部屋だった。そこに死者の魂がまだ彷徨っているのか不思議なことがあるものだ。
世の中にはまだ分からないことが多い。でも危ないところには近づかないことが教訓だ。
TATSUTATSU
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